絶妙なミクスチャー・サウンドが現代にトロピカリアを甦らす。リオの気鋭SSWペドロ・フォンチ2nd

Pedro Fonte - Luz Na Madrugada / Late Night Light

リオの気鋭SSW、ペドロ・フォンチ 待望の2ndアルバム

現在のリオデジャネイロのインディー・シーンにおける要注目シンガーソングライター/ギタリスト/打楽器奏者のペドロ・フォンチ(Pedro Fonte)。大きな注目を集めたソロデビュー作『Filme do Tempo』から3年ぶりとなる2ndアルバム『Luz Na Madrugada / Late Night Light』では、前作で見せた独特の魅力を放つサウンドをさらに深化。現代のトロピカリアとも呼ぶべき、少し捻りのあるブラジリアン・ロックがどこまでも魅力的な作品を仕上げてきた。

英語とポルトガルと交えた歌詞にクランチやファズのかかったエレクトリック・ギター、ヴィオラォン(ガットギター)、多彩なパーカッション、グルーヴを生むベースとドラム、煙るブラス。曲の尺は短めで、駆け抜けるように次々と展開していく。ビートルズに始まり、プリンスやスライ&ザ・ファミリーストーンなどの北米のソウル、カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、ノヴォス・バイアーノス、ムタンチスといったブラジル音楽など約半世紀も前の先人たちを彷彿させる音──現在のリオの音楽シーンにこうした“文化”が確かに根付いている。

(6)「Back to the Start」

アルバムは全曲がペドロ・フォンチの作詞作曲(数曲、ゲストとの共作も)。彼自身は全曲でドラムスとヴォーカルを担当するほか、パーカッション、ギター、ベース、シンセ、オルガンなど多彩な楽器を演奏する。

(1)「Lágrima Na Língua」はアナ・フランゴ・エレトリコ(Ana Frango Elétrico)との共作共演で、今作のオープニングに相応しい曲となっている。シンプルだが効果的な工夫されたコード、キャッチーな曲調、シンコペーションの嵐。ペドロとアナの男女ユニゾン。生々しい(おそらく後からほとんど修正が加えられていない)バンド演奏。対照的にさりげなく加えられた印象的なエフェクトには現代的なセンスを感じる。ロウレンソ・ヴァスコンセロス(Lourenço Vasconcelos)による踊るようなヴィブラフォン。ある意味、全てがパーフェクトなソウル・ミュージック。

この高いクオリティがその後もアルバム全編にわたってずっと続くのだから、もう最高だ。
往年のブリティッシュ・ロックをリスペクトする(2)「To the Sunshine」、ブラジリアン・サイケロックの真骨頂(3)「Tudo É Sagrado」。(7)「Bom Dia Tristeza」には同様にトロピカリアを現代に伝えるマィンアナ(Mãeana, Ana Claudia Lomelino)がヴォーカルで参加する。サンパウロのダダ・ジョアンジーニョ(dadá joãozinho)は(5)「Mármore」に少々奇怪なエッセンスを加える。

(3)「Tudo É Sagrado」

無難に綺麗に整えられた、どことなく偽物感の漂うヒットソングが巷を席巻する昨今、こうした泥臭く愚直な音楽が輝いてみえる。このアルバムを聴き、そうした想いが胸の底から沸き上がった。

Ana Frango Elétrico – voices (1), Rhodes, organ, glockenspiel (3)
Antonio Neves – trombone (1, 3)
Bruno Cosentino – voices (6)
Christian Dias – nylon string guitar, dobro (10)
Dadá Joãozinho – vozes, synth (5)
Eduardo Santana – trumpet (1, 3)
Gabriel Loddo – bass (4, 5)
Guilherme Lirio – bass (1, 3, 10)
Gus Levy – nylon string guitar (2, 3, 4, 5, 6, 7)
Iuri Brito – electric guitar (1, 3)
João Werneck – nylon string guitar (2, 3, 4, 5, 6, 7), electric guitar (4)
Kassin – synths (8)
Kayan Guter – bass (2, 6)
Lourenço Vasconcelos – vibraphone (1, 4, 5, 6, 7)
Lucas Videla – percussion (3)
Mãeana – voice (7)
Marcelo Callado – percussion (1, 10)
Mari Romano – voice (4, 8)
Pedro Fonte – drums, voices (all trucks), percussion (2, 4, 7, 8, 9), drum machine (5, 7, 8, 9), nylon string guitar (8), electric guitar (9), bass (8, 9), synth (5, 9, 10), organ (10)
Raquel Dimantas – voice (2, 3, 9)
Rudah Guedes – synth (6)
Vidi Descaves – voice (8)

Pedro Fonte - Luz Na Madrugada / Late Night Light
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