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アメリカ合衆国

  • 2022-05-14
  • 2023-10-07

エレクトロ×エレクトロが生み出す新たなソウルミュージック。不思議な高揚感に包まれるプロデューサーデュオによる快作

新型コロナウイルスの影響で日程を延期しての開催となった2022年グラミー賞。王者ブルーノ・マーズ(Bruno Mars)率いるシルク・ソニック(Silk Sonic)が主要部門で強さを見せる中、ジョン・バディステ(Jon Batiste)の最多5部門受賞がサプライズを起こしたのは記憶に新しいのではないだろうか。最優秀アルバム賞に輝いた『We are』の楽曲「Sing」を共作・プロデュースしたのが、ザック・クーパー(Zach Cooper)とヴィック・ディモツィス (Vic Dimotsis)のプロデューサーデュオ、キング・ガービッジ(King Garbage)。彼らは同グラミー賞にノミネートされたリオン・ブリッジズ(Leon Bridges)の楽曲「Sweeter」でもペンを執る、まさに今後のアメリカン・ソウルを牽引していくと言っても過言ではないアーティストだ。

  • 2022-05-08
  • 2022-05-08

カリブ×アメリカーナの才女レイラ・マッカラ、チェロもヴォーカルも深く美しい新譜

ハイチにルーツを持つ米国のSSW/マルチ弦楽器奏者のレイラ・マッカラ(Leyla McCalla)の新譜『Breaking the Thermometer』がリリースされた。ハイチ・クレオール語、フランス語、英語で歌われ、ハイチの伝統音楽やアメリカのジャズやフォークの影響がうかがえる、優雅さと素朴さを併せ持った独特の魅力を醸す。

  • 2022-05-04
  • 2023-02-17

自然体でJAZZの未来へ進むHigh Pulp、高密度な新譜『Pursuit of Ends』

2017年に米国シアトルで誕生した次世代ジャズ・コレクティヴ、ハイ・パルプ(High Pulp)が放つ強力な新譜『Pursuit of Ends』。この数年でアヴァンギャルドなジャズからサイケ・ロック、プログレ、シューゲイザー、ファンク、ヒップホップ、エレクトロニカまであらゆるものを吸収しシーンの最前線に躍り出た彼らにしかできないであろう、完成度の高い作品だ。

  • 2022-05-02
  • 2022-05-02

ネオソウルを奏でるマルチジャズバンド・Moonchildが放つ甘美な果実、最新作『Starfruit』

南カリフォルニア大学在学中に結成された新世代ネオ・ソウルバンド、ムーンチャイルド(Moonchild)の最新作『Starfruit』が今年リリースされた。フロントマンであり紅一点のボーカル、アンバー・ナヴラン(Amber Navran)をはじめ、マックス・ブリック(Max Bryk)、アンドリス・マットソン(Andris Mattson)とメンバー全員がマルチプレイヤーであるムーンチャイルドの最新作は、心地よいメロウネスはそのままに、我々にまた新たな色を見せてくれる。

  • 2022-04-30
  • 2022-04-30

ブラジルとジャズを繋ぐ奇跡の歌姫フローラ・プリム、17年ぶりの新作『If You Will』

3月に80歳になったばかりのフローラ・プリムの2022年新譜『If You Will』。前作から実に17年ぶりだが、驚くことに歌も楽曲も全く翳りや衰えは感じられず、変わらずに“フローラ・プリム”としか言い表せない世界観が表現されている。「500 Miles High」などの名曲の再演も!

  • 2022-04-23
  • 2022-04-23

自らの出自を明確に打ち出したカミラ・カベロのラテンポップアルバム『Familia』

2年半振りにリリースされたカミラ・カベロ(Camila Cabello)の3作目の作品『Familiar』は正直、驚きの連続だった。キューバ人の父とメキシカンの母を持つ、キューバ出身のカミラの本作は、プロデューサーにエドガー・バレラ(Edgar Barrera)やチェチェ・アララ(Cheche Alara)といったラテン・ポップ界の売れっ子サウンドメイカーがクレジットされているように、メインストリームのアーティスト作品とは思えない濃度のラテンアルバムに仕上がっている。

  • 2022-04-18
  • 2023-10-29

反アパルトヘイトの象徴・歌姫ミリアム・マケバの功績を称えるSomi、音楽の役割の示唆に富む新譜

ルワンダとウガンダにルーツを持ち、人類学やアフリカン・アートの研究家としても知られるNYの歌手ソーミ(Somi)の新譜『Zenzile: The Reimagination of Miriam Makeba』は、“ママ・アフリカ”の愛称で知られる南アフリカの歌手ミリアム・マケバ(Zenzile Miriam Makeba, 1932 - 2008)を称える作品だ。

  • 2022-04-09
  • 2022-06-18

【連載】ネイティブ・タンの衝撃~③数多のプロデューサーに愛される音の探求者・コモン

今回取り上げるのは初期作の中でも完成度の高い94年発表の2nd『Resurrection』。まだまだラップが荒削りであったり若さを感じる部分はあるが、それは「今のコモンに比べて」という注釈入りのものであり、ジャジーなトラックも含め、この時代のHipHopのトーン&マナーを押さえた重要作と言っていいだろう。

  • 2022-03-26
  • 2022-03-24

スムースジャズ女性ギタリスト、ジョイス・クーリング19歳のエヴァーグリーンな大名盤『Cameo』

米国の女性ギタリスト/作曲家ジョイス・クーリング(Joyce Cooling)のデビュー作である『Cameo』。特に1曲目「It's You」での複雑ながらスムースで美しいギターのコードワークや表現力豊かなソロ、Viva Brasilのクラウディオ・アマラル(Claudio Amaral)の伸びやかなヴォーカルには心を大いに射ち抜かれた。

  • 2022-03-21
  • 2022-05-07

セシル・マクロリン・サルヴァント、失われたものへの憧憬滲む新譜『Ghost Song』

現代最高峰のヴォーカリスト、セシル・マクロリン・サルヴァント(Cécile McLorin Salvant)の新譜『Ghost Song』は、彼女の豊かな歌の表現力が楽しめるだけでなく、タイトル通り亡霊やノスタルジア、憧れをテーマとしたコンセプト・アルバムとしてトータルに楽しめる作品に仕上がっている。

  • 2022-03-12
  • 2022-03-12

【特集】現代のロジャー・トラウトマン!?トークボックスを駆使したSSW・Swatkinsが今、世に放つポジティブソウル

歌?楽器?カテゴリとしてはエフェクターであり、楽器の音をビニールチューブを通して演奏者の口に入れて響かせるというその衝撃的なビジュアルと、ホワホワしたその特徴的な音色が耳に残って離れない、トーキング・モジュレーター(通称:トークボックス)。ザップ(Zapp)および、そのフロントマンであるロジャー・トラウトマン(Roger Troutman)などのPファンクに愛された音というイメージだが、ロック界隈ではボン・ジョビ(BON JOVI)があの有名な「Livin’ on a Player」や「It's My Life」で使っていたり、最近ではブルーノ・マーズ(Bruno Mars)が「24K Magic」で使用したことで再度注目を集めている。

  • 2022-03-10
  • 2022-03-08

アーティストとしての表現の極みに辿り着いた、エリック・クラズノーの最新作

4作目となるらしいソロ作『Always』で、エリック・クラズノー(Eric Krasno)というギタリストの音楽をものすごく久しぶりに聴いた。おそらく、当時大好きで来日公演まで観に行ったソウライヴ(Soulive)やレタス(Lettuce)以来ではないかと思うが、私は今作で初めて彼の歌声を聴いた。

  • 2022-02-20
  • 2022-02-20

【特集】The Weekndが現代のNe-yoたる7つの理由

2022年年明け早々に2年ぶり5枚目のアルバム『Dawn FM』をリリースした現代R&Bの旗手・ウィークエンド(The Weeknd)。考えてみれば、POP/R&Bの垣根を超え、ここまで市民権を得、チャートを賑わしているR&Bに触れるのはどれくらいぶりだろうか。そこに浮かび上がるのは一人のR&Bシンガー、今から約15年前『In My Own Words』で鮮烈なデビューを果たしたニーヨ(Ne-yo)の存在だ。The Weekndが「陰」だとしたら、Ne-yoは「陽」。嗜好も音楽性も違う2人のR&Bアーティストの意外な共通点から、今注目を集めるThe Weekndを考察していきたい。