- 2020-10-05
- 2023-04-30
スペイン発、驚異的な歌手シルビア・ペレス・クルスが放つ伝統と革新の新作『Farsa』
2019年のブルーノート東京公演を収録したライヴ盤『MA. Live In Tokyo』を今年5月にリリースしたばかりのスペインの歌姫、シルビア・ペレス・クルスから、早くもスタジオ盤の新作が届いた。実験的な要素も交えつつも、全体的な雰囲気はカタルーニャの伝統音楽に則った落ち着いたサウンド。そしてシルビアの圧倒的な歌唱の存在感がやはり際立つ。
2019年のブルーノート東京公演を収録したライヴ盤『MA. Live In Tokyo』を今年5月にリリースしたばかりのスペインの歌姫、シルビア・ペレス・クルスから、早くもスタジオ盤の新作が届いた。実験的な要素も交えつつも、全体的な雰囲気はカタルーニャの伝統音楽に則った落ち着いたサウンド。そしてシルビアの圧倒的な歌唱の存在感がやはり際立つ。
スウェーデンのベーシスト、アンダーシュ・ヤーミン(Anders Jormin)と、同じくスウェーデンのヴァイオリニスト/歌手のレーナ・ヴィッレマルク(Lena Willemark)、そして日本の二十五絃箏奏者の中川果林(Karin Nakagawa)の3人による北欧と和文化の融合したECM傑作『Trees of Light』(2015年)の続編ともいえるのがこの2019年作『Poems for Orchestra』。
ブラジル・ミナスジェライス州のシンガー・ソングライター、ムンジン・ホーシャ(Mundin Rocha)の齢60にして初となるソロアルバム『Interstício』が各デジタル配信プラットフォームでリリースされた。
ヘブライ語のアルファベット=アレフベートを歌にし、YouTubeで200万再生のヒットを記録したイスラエルの歌手ヴィクトリア・ハンナ(Victoria Hanna)。デビューアルバム『Victoria Hanna』にはその「Aleph Bet / Hoshana」や、続くシングル「22 Letters」を含む10曲を収録している。ヘブライ語を学びたい方におすすめしたいアーティストだ。
ブラジル・ミナスから新たな傑作が届いた。SSW、マルコス・ルファート(Marcos Ruffato)が同郷の数多くの才能を集め制作したこのデビュー作『Vata』は、間違いなく現代ミナス音楽を代表する一枚になるだろう。
イラン生まれ。5歳の頃に難民としてオランダに移住、2017年に『Ison』でデビューしたシンガーソングライター、セヴダリザ(Sevdaliza)の2ndアルバムとなる新譜『Shabrang』がリリースされ、世界各国で大きな反響を巻き起こしている。
イタリアのジャズピアノの巨匠、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)の勢いが止まらない。今年(2020年)に入って早くも4枚目のアルバム『Time's Passage』がリリースされた。ピエラヌンツィは1949年生まれだから、現在70歳を超えているはずだが、アイディアの枯渇や衰えなどは微塵も感じさせず、今作でも可憐な女性ヴォーカリストとヴィブラフォン奏者を迎え、最上級のヨーロピアン・ジャズを聴かせてくれる。
活況を極めるイスラエルのジャズとその周辺の音楽シーンを掘り下げていくと、彼らが影響を受けたイスラエルの音楽家として、70年代以降のシンガーソングライター(SSW)数人の名前が共通して挙げられていることに気付く。いずれも優れた鍵盤奏者であり、作・編曲家であり、そして魅力的な歌手だ。“イスラエル・ジャズの源流”とも言える3名のSSWにスポットを当てて紹介。
ブラジル・リオデジャネイロ出身のSSW、ジュリア・メストリ(Julia Mestre)の2019年デビューアルバム『Geminis』は、新人とは思えない完成されたクオリティーの作品だ。サンバやボサノヴァ、マラカトゥやフォホーといったブラジル特有のリズムを軸に、ロックやラップなどを巧みに取り入れた現代のブラジル音楽の新星。ブラジル音楽ファンには自信を持っておすすめしたい一枚だ。
アルゼンチン・コルドバのSSWゴンサ・サンチェス(Gonza Sanchez)率いるアスィ(Así)の2020年新譜『Compartidas』が素晴らしい。懐かしいメロウAORと、現代的なネオソウル、軽やかなのにどこかサウダージもある南米音楽の良いとこどり。そんなうまい話ある?と思われるかもしれないが、実際にここにあるのだから仕方がない。
スペイン・コルドバ出身のギタリスト/作曲家ホセ・アントニオ・ロドリゲスの新譜『McCadden Place』は、各国から多数のゲストを迎え、フラメンコを軸に多様な表現を試みた、近年の充実するコンテンポラリー・フラメンコシーンの中でも相当にクオリティが高い一枚だ。優れたオリジナル曲も、センスの良い選曲のカヴァーもバランス良く収録し、彼の卓越したギター演奏も存分に堪能できる内容になっている。
ブラジル・ミナス出身のSSW、ルイーザ・ブリーナ(Luisa Brina)の新作EP『Deriva』は、全曲でゲスト歌手を迎えたデュエット曲集だ。全5曲のトラックは、個々がソーシャルディスタンスを確保し孤立を強いられる社会の不安の中で、“緩やかな繋がり”とも言える適応を優しく提供する。
1本のYouTube動画からデビューに漕ぎ着けたフランスのジャズシンガー、カミーユ・ベルトー(Camille Bertault)のサードアルバム『Le Tigre』がリリースされた。今作も埋もれていた稀代のジャズヴォーカリストの才能を改めて感じさせる快作で、彼女の様々な音楽ジャンルへの関心が表出した一枚になっている。
コンテンポラリー・フラメンコを代表するスペインのギタリスト/作曲家、ホセ・カルロス・ゴメス(José Carlos Gómez)。多様な作風で知られる彼だが、2020年の新譜『Calle Santa Ana』は広く絶賛された2016年作『Origen』でのフラメンコ路線をより現代的に発展させた内容で、スティーヴィー・ワンダーの名曲もカヴァーするなど訴求力も十二分だ。