ベラルーシ出身、ジャズや古典民俗音楽を高次元で融合するアーティスト
ジャズやクラシック、民俗音楽などが同居した有機的な音楽性が特徴のベラルーシ出身・ポルトガル在住の作曲家/ピアニスト/歌手のカテリーナ・ラドコヴァ(Katerina L’dokova)の2019年新作『Singularlugar: Travessia』は、その多様な音楽的バックグラウンドに裏打ちされた驚くほど上質なアルバムだ。
収録曲はカテリーナ・ラドコヴァのオリジナル曲や伝統曲を中心に、数曲ポルトガルのシンガーソングライターのカヴァーも。彼女のピアノや声を中心としたアンサンブルは楽曲によって様々に表情を変え、他のアーティストにはなかなか見られない神秘的な雰囲気が漂う。
アルバムにはクラシカルな発声が美しい男性ヴォーカリストのジョアン・ネヴェス(João Neves)が多くの楽曲で参加。他にトランペット奏者のディオゴ・ドゥケ(Diogo Duque)、フルート奏者のディエゴ・コルテス(Diego Cortez)などが参加し、素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれる。
MOVA DREVA での活動にも注目
カテリーナ・ラドコヴァは2014年にMOVA DREVAというカルテットを結成。彼女の出自であるベラルーシの民俗音楽からインスピレーションを得て、ほとんど忘れられた歌を現代的なカルテットのサウンドで蘇らせている。
MOVA DREMA というバンド名はベラルーシ語で“樹木の言語”を表し、根差した地球の叡智によって養われる巨大な樹木の枝葉が宇宙と融合するという、古代スラヴ神話にインスパイアされているという。