伝統的なグナワのビートにエレクトロニカが馴染んだ注目作
モロッコのゲンブリ奏者/シンガーのラビイ・ハルヌーン(Rabii Harnoune)と、フランクフルトを拠点に活動するプロデューサーV.B.クール(V.B.Kühl)によるデュオアルバム『Gnawa Electric Laune』は、近年急速に注目を浴びるモロッコの伝統音楽グナワとエレクトロニック・ミュージックを融合した興味深い作品だ。
今回のコラボレーションはグナワの音楽を世界に届けたいというラビイ・ハルヌーンの想いがV.B.クールに伝わり実現。グナワ音楽としては珍しくコード感もある楽曲もあり、グナワ特有の繰り返しによって徐々に高揚していく感覚はそのままに革新的な音楽を創り上げている。
すでにロンドンの音楽シーンで大きな影響力を持つDJ、ジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)などによって紹介されるなど、グナワの新しいかたちとして注目を浴びている。
ラビイ・ハルヌーン(Rabii Harnoune)はモロッコ王国最大の都市、カサブランカの出身。2006年よりステージでグナワを演奏するようになり、様々なフェスティバルに出演。伝統的なグナワだけでなく、ドラムスやエレクトリック・ベース、キーボード、トランペット、トロンボーンを含んだバンドとの共演など革新的なチャレンジを続けてきた。