ジャズの歴史と未来をつなぐ“今”の音。アーロン・パークスが“Little Big”での新譜をリリース

Aaron Parks - Dreams of a Mechanical Man

ジャズの歴史と未来をつなぐ“今”の音

現代NYジャズの最重要ピアニスト/作曲家のアーロン・パークス(Aaron Parks)新譜『Little Big II: Dreams of a Mechanical Man』はその名の通り前作『Little Big』(2018年)の続編となるアルバム。バンドメンバーも前作からベーシストがデイヴィッド・ジンヤード (David Ginyard, b)に交代しているだけで、引き続きグレッグ・トゥーヒー(Greg Tuohey, g)、トミー・クレイン(Tommy Crane, ds)が起用されている。

近年のジャズの最前線はクリエイティブな即興演奏を、他ジャンル──HipHop、ロック、ファンク、アフロビート、エレクトロニカなど──と融合させ新しいサウンドを作り上げるスタイルが主流になっているが、本作もそんな現代ジャズの最右翼と呼べる作品だろう。

11/8拍子という変拍子で演奏される(1)「Attention, Earthlings」。

デイヴィッド・ジンヤードとトミー・クレインのリズム隊は堅実だ。あまり表に出て主張しまくるタイプではないのだろう。だがそれがアーロン・パークスとグレッグ・トゥーヒーという二枚看板の存在を際立たせる。グレッグ・トゥーヒーがその少し歪んだギターで狂気のソロを演奏したかと思えば、アーロン・パークスは曲によってピアノ、エレクトリック・ピアノ、シンセサイザーといったあらゆる鍵盤楽器を用いて呼応する。

鬼才ピアニストの底知れない才能が生み出したこの作品は、ジャズの歴史と未来を繋ぐ、まさしく“今”の音だと思う。

Aaron Parks – piano, synthesizers, Wurlitzer, Rhodes, celeste, vibraphone, glockenspiel, chimes, voice
Greg Tuohey – guitar
David Ginyard Jr – bass
Tommy Crane – drums, percussion

Aaron Parks - Dreams of a Mechanical Man
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