ザラ・マクファーレン『Songs of an Unknown Tongue』
ブラック・ブリティッシュ随一のシンガーと称賛されるザラ・マクファーレン(Zara McFarlane)の4作目となる2020年新譜『Songs of an Unknown Tongue』は、従来の作品よりエレクトロニカの比重が増し、さらにジャマイカ人の両親を持つという彼女のルーツを探るようなリズム、パーカッションに彩られた新鮮なサウンドが魅力的な一枚。
(2)「Black Treasure」に顕著なように、アルバムはジャマイカのクミナ(Kumina)やナイヤビンギ(Nyahbinghi)といった呪術的リズムに現代的なダブの要素、さらには彼女が従来より取り組んできたソウルやジャズが重なり合い、見たこともないような色彩を感じさせる。
ハチドリとハイビスカスという典型的な南国イメージのジャケットだが、極彩色ともまた違う絶妙な色合いのサウンドが非常に新鮮だ。