ジャズハーモニカ新世代、ヨタム・ベン=オール 才能光るデビュー盤

Yotam Ben-Or - Sitting on a Cloud

多才なジャズ・ハーモニカ奏者ヨタム・ベン=オール デビュー作

イスラエル出身でNYを拠点に活動するヨタム・ベン=オール(Yotam Ben-Or)が2018年にリリースしたデビュー作『Sitting on a Cloud』は、この若いジャズ・ハーモニカ奏者が今後ジャズ界隈でどんな凄い活躍を見せてくれるのか、楽しみでならなくなる良作だ。

カルテットのメンバーはハーモニカのヨタムの他、ピアノにベネズエラ出身のガブリエル・チャカルヒ(Gabriel Chakarji)、そしてリズム隊にはイスラエル勢のアロン・ネア(Alon Near, b)、オフリ・ネヘミヤ(Ofri Nehemya, ds)の編成。ここにさらに曲によってはゲストを交え、随所に工夫を凝らした新世代のジャズを聴かせてくれる。

アルバムの1曲目のタイトルは「Viva Hermeto Pascoal」。いきなりのブラジルの鬼才エルメート・パスコアール賛歌である。かといってパスコアールの“奇”を強調するのではなく、“美”に焦点を合わせ、彼の音楽がもたらす喜びの感情を最大限のリスペクトを持って表現したような楽しい演奏だ。

ハーモニカ奏者として驚くべきプレイを聴かせるヨタム・ベン=オールだが、(5)「The Swamp Song」などいくつかの曲でヘブライ語で歌ったり、(7)「Song for an Ant」では自らピアノの弾き語りを披露するなど、多芸な才能も見せる。

(8)「Astar」
(アルバム収録バージョンとは楽器編成も異なる別バージョン)

ヨタム・ベン・オールはエルサレム地域の小さな村、ナタフで育った。11歳の頃から叔父に教わりながらハーモニカの演奏を開始。高校卒業後にテルアビブに移り、テルアビブ音楽学校とニューヨークのニュースクールの共同プロジェクトに参加し、イスラエル全土で演奏を行った。2013年にロストフ国際ジャズコンペティション(Rostov International Jazz competition)で優勝、翌年にはイスラエルが生んだ最高のベーシスト、アヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)が企画したイスラエルの若手ジャズミュージシャンのコンピ盤『All Original (Best Young Israeli Jazz – Presented by Avishai Cohen)』にバンド“Jupiter”のメンバーとして参加している。

2014年に奨学金を得てニューヨークのニュースクールに留学。現代最高峰のハーモニカ奏者グレゴア・マレ(Grégoire Maret)に師事するなど、ジャズへの学びを深めた。
2018年にソロ・デビューとなる本作『Sitting on a Cloud』をリリース。
サイドマンとしても様々なバンドに参加している。

ギタリストのシャハル・エルナタン(Shachar Elnatan)とのデュオで(3)「Ebb and Flow」
(アルバム収録バージョンとは別のもの)

Yotam Ben-Or – harmonica, vocals (1, 5, 6, 7, 9), percussions (1, 10), piano (7)
Gabriel Chakarji – piano (except 7)
Alon Near – bass (except 7)
Ofri Nehemya – drums

Guests:
Julia Bilat – cello (2, 5, 6, 7)
Erez Feuer – trumpet (4, 9)
Itamar Shatz – tenor sax (4, 9)
Rogerio Boccato – percussions (8)
Yumi Oshima – viola (5)
Tal Mashiach – bass (7)

Yotam Ben-Or - Sitting on a Cloud
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