ピアノと声、イスラエルジャズ女性デュオによる傑作
歌手のアイェレット・ローズ・ゴットリーブ（Ayelet Rose Gottlieb）と、ECMから作品をリリースしていることでも知られるピアニストのアナット・フォート（Anat Fort）による素敵な子守唄たち。2017年作『Two More Dreams』は、南米アルゼンチンやブラジルの近年のジャズピアノ＆ヴォーカル作品にも通じるような静けさが特長の稀有な良盤だ。
収録曲は主にヘブライ語で歌われ、パレスチナの詩人サミ・アル＝カシム（Samih al-Qasim）の詩と、ユダヤ教の夜の祈りから再構築した平和と希望へのメッセージが込められている。
瞑想的で抑制されたアナット・フォートのピアノと、祈るように静かに歌うアイェレットの歌唱はどこまでも美しく、まさに“すべての人のための子守唄”とも呼ぶべき心地よい音楽。
イスラエルを代表する、国際感覚豊かな女性アーティスト
アイェレット・ローズ・ゴットリーブ（Ayelet Rose Gottlieb）は1979年イスラエル・エルサレム生まれで、これまでにイスラエル、アメリカ合衆国、ニュージーランド、イギリス、カナダの5つの国の10の都市に移り住んできた。現在はカナダのモントリオールで3児の子育てをしながら音楽活動を続けている。
これまでに10枚以上のアルバムを発表。ジャズや中東音楽、ユダヤ音楽を現代的な作曲と即興でブレンドした歌唱が特長で、詩、自然、魔法、科学、そして人間の弱さにインスパイアされた歌はとても自然で優しく美しい。
ピアニストのアナット・フォート（Anat Fort）は1970年、イスラエル・テルアビブ生まれ。地元でピアノを学んだ後、米国ニュージャージー州のウィリアム・パターソン大学でハロルド・メイバーン、ルーファス・リードなどに師事しジャズを学んだ。2007年にイスラエル人として初めてドイツの名門レーベルECMからアルバム『A Long Story』をリリース。以降もECMやサニーサイドレコーズなど大手からアルバムをリリースする、イスラエルを代表するピアニストとなっている。
Ayelet Rose Gottlieb – vocal
Anat Fort – piano
Guest :
Erik Lawrence – flute (12)