YouTubeでも大人気!新世代の美しきクラシックギタリスト、待望のデビュー作

Alexandra Whittingham - My European Journey

新世代の女性クラシックギタリスト、待望のデビュー作

インターネットを通じてその人気を急速に拡大するイギリスの若き女性クラシック・ギタリスト、アレグザンドラ・ホイッティンガム(Alexandra Whittingham)の待望のデビューアルバムの登場だ。『My European Journey』と名付けられた本作で、彼女はフランシスコ・タレガやヨハン・​カスパル・メルツ、アーネスト・シャンドといった19世紀の欧州のギター音楽作曲家たちに優雅な指先で触れてゆく。

これまでに欧州のみならず南米やカリブの音楽にも取り組んできた彼女だが、まずは欧州の音楽で自己紹介といったところだろうか。収録曲の中で一般的によく知られているのはスペインの作曲家フランシスコ・タレガ(Francisco Tárrega, 1852 – 1909)による(1)「Capricho árabe」(アラビア風奇想曲)と(2)「Recuerdos de la Alhambra」(アルハンブラの思い出)の2曲くらい。ほかはフランスのナポレオン・コスト(Napoléon Coste, 1805 – 1883)の(7)「Le Départ, Op. 31: Fantaisie dramatique」やイタリアのルイジ・レニャーニ(Luigi Legnani, 1790 – 1877)「Fantasia brillante e facile, Op. 19」もコンテストの定番曲だが、マイナー過ぎずメジャー過ぎないセンスの良い選曲も良い。

1997年生まれのアレグザンドラ・ホイッティンガムはマンチェスターのチータム音楽学校でクラシックギター、ジャズギター、ピアノ、作曲を学び、奨学金を得て進学したロンドン王立音楽院は首席で卒業している。
2013年にエジンバラ・ギターコンクールで優勝、ブダペストで開催されたカルパティアン国際ユースギターコンクールでも2位を獲得するなどクラシックギターの新星と呼ばれ久しい彼女は、YouTubeでは既に20万人近いチャンネル登録者を抱え、動画の総再生回数は2700万回を超えるほどの輝きぶりが眩しい。とかく“お堅い”と思われがちなクラシック音楽の分野でも、こうした若く賞賛に値する才能がコンクールの中に閉じず、インターネットを通じて瞬く間に世界中に知られる世界のなんと素晴らしいことだろう…。

この作品には古くから“小さなオーケストラ”と呼ばれてきたクラシック・ギターの魅力が凝縮されている。音もビジュアルも魅力的な本作を通じて、ギターのファンが増えてくれたら嬉しい、心からそう思った。

タレガ作曲(1)「Capricho árabe」の動画はクラシックギターでは異例の1300万回を超える再生回数を誇る。
クラシックギターの定番、イサーク・アルベニス作曲の「Asturias」(アルバム未収録)を弾くアレクサンドラ。

ちなみにギターを弾く人でないと分からないであろう、ちょっとした情報ではあるけれど、ご参考までに…

彼女が愛用するギターはポール・フィッシャー工房で学び独立したオックスフォードの製作家クリストファー・ディーン(Christopher Dean)の手による2011年のモデル。弦はオーガスチン(Augustine)のリーガルブルーとのこと。

Alexandra Whittingham – guitar

Alexandra Whittingham - My European Journey
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