ジャズ×南米音楽の魅力が凝縮。フェデリコ・アレセイゴル、トリオ+αによる珠玉の新譜

Federico Arreseygor - Jardinería para Principiantes

現代アルゼンチン音楽を代表するSSWフェデリコ・アレセイゴル

充実するアルゼンチンの現代ジャズ/ネオ・フォルクローレの中心的なシンガーソングライター/ピアニスト、フェデリコ・アレセイゴル(Federico Arreseygor)がまたも素晴らしい新作を放ってきた。タイトルは『Jardinería para Principiantes』、直訳すると“初心者のためのガーデニング”。トリオ名義となっており、ベースにオマール・ゴメス(Omar Gómez)、そしてドラムス/パーカッションにはアカセカ・トリオ(Aca Seca Trio)での活動でも知られるマリアーノ・カンテーロ(Mariano Cantero)という2015年から活動を共にしてきた仲間が名を連ねている。

アルゼンチンの伝統的な音楽特有の3/4拍子・6/8拍子系のリズム、独特の美しい和音感覚、繊細な”歌“に、ジャズなどのコンテンポラリー・ミュージックの影響を塗した珠玉の音楽だ。それらのすべてが感情的に優しく、アルゼンチン音楽独特の魅力が凝縮されている。
ソロピアノと遠くに聴こえる虫たちの鳴き声で構成されるラストの(8)「Himno」を除き、すべてがヴォーカル入り。過去作にもゲスト参加していたお馴染みの女性歌手シンティア・コリア(Cintia Coria)も2曲でゲスト参加しており、可憐な歌唱を聴かせてくれる。

カルロス・アギーレやフアン・フェルミン・フェラリスといった主要な現代アルゼンチン音楽のプレイヤーとも呼応する音楽性で、とても繊細で美しく、賞賛に値すべき作品だ。
リラックスした豊かな人生にするために、いつも傍にこういう音楽を置いておきたい──そんな思いを抱ける素晴らしいアルバムだと思う。

(1)「Jardinero」

フェデリコ・アレセイゴルはアルゼンチン、ラ・プラタ出身のピアニスト/シンガー/作編曲家。これまでにペドロ・アスナール(Pedro Aznar)やシルビア・イリオンド(Silvia Iriondo)などのアルゼンチンを代表する音楽家のプロジェクトに参加し、ツアーに帯同するなど豊富な経験を積んできた。
ソロとして2009年に『Espirales』でデビュー。Aca Seca Trioとも双璧を成すクオリティの高さで傑作と評価され、つづく何枚かの作品も同様に話題となった。

今作『Jardinería para Principiantes』は2018年作『Todonosepuede』以来の4枚目のアルバムとなっている。

Federico Arreseygor – piano, guitar, vocals
Omar Gómez – electric bass, contrabass
Mariano “Tiki” Cantero – drums, percussion, vocals

Guest :
Cintia Coria – vocal (3, 7)

Federico Arreseygor - Jardinería para Principiantes
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