耳を劈く轟音サックス!ドイツを代表する木管奏者ウルリッヒ・ドレクスラー新譜『Azure』

Ulrich Drechsler - Azure

サックス/クラリネット奏者ウルリッヒ・ドレクスラーの新作

ドイツのサックス/クラリネット奏者/作曲家ウルリッヒ・ドレクスラー(Ulrich Drechsler)の2023年新譜『Azure』。アルバム冒頭の突き刺すようなサックスの最初の1音から、耳が釘付けになってしまう作品だ。

驚くほどの数の曲が書かれ、さまざまな楽器が用いられ、アイディアを試しては破棄し、再び疑問が呈され実験され……そうしたクリエイティヴなプロセスを経て、今作は5年間の年月を経て完成された。エレクトロニック・クラブミュージック、トリップホップ、ダンスフロア・トランス、ドラムンベース、ジャズ・ブラスト、映画音楽の狭間に位置すると誇らしげに語る彼らの音楽は、危険なほどの生命力で溢れ返っている。

バンド編成はウルリッヒの木管のほか、ドラムス、ベースにキーボードが二人。演奏は全て生のアンサンブルによって行われ、余計なポストプロダクションを加えていない点も清い。一見無機的なコンセプトでありながら、有機的なグルーヴと熱気が全編に漂う。

(8)「Angular Momentum」

Ulrich Drechsler プロフィール

ウルリッヒ・ドレクスラーは1969年ドイツ・ロイトリンゲン生まれ。9歳からクラリネットのレッスンを始め、地元のブラスバンドで演奏した後、 1992年から1998年にかけてグラーツの音楽芸術大学でサックスを学んだ。

その後オーストリアのウィーンに移り、今作にも参加しているベーシストのオリヴァー・シュテーガー(Oliver Steger)と、ドラマーのアレックス・ドィチュ(Alex Deutsch)と共にカフェ・ドレクスラー(Café Drechsler)というバンドを結成。ジャズとクラブ・ミュージックを融合させた音楽性でヒットし、数ヶ国でチャート上位にランクインするなど成功を収めた。

2006年に『Humans & Places』でソロデビュー。ジャズ、エレクトロニック、アートロック、さらにはスーフィー音楽など多彩な影響を受けつつ活動を続けている。

Ulrich Drechsler – saxophones, clarinets
Lukas Leitner – keyboards, synthesizer
Bernhard Höchtel – keyboards, synthesizer
Oliver Steger – electric bass guitar
Raphael Keuschnigg – drums, percussion

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