70年代アナドル・ロックを現代に甦らせる、アムステルダム発6人組バンドAltın Gün 新譜『Aşk』

Altın Gün - Aşk

アルトゥン・ギュン(Altın Gün)、70年代サウンドに回帰した新譜

オランダ・アムステルダム発のアナトリアン・ロックバンド、アルトゥン・ギュン(Altın Gün)の2023年新譜『Aşk』がリリースされた。パンデミックの影響でメンバーの自宅で制作された2021年の前作『Âlem』や『Yol』から一転、今作は彼らの原点とも言える70年代のバンドサウンドに回帰。ヴィンテージの機材や録音技術を使い、アナログテープでのライヴ録音にこだわったサウンドを作り上げている。

全10曲はトルコの伝統曲や古い歌曲のサイケロック・カヴァーで、そうした音楽が持つ西洋音楽にはない魅力をわかりやすいロックやファンクのサウンドに乗せて国際的に強くアピールする内容となっている。バンドの個性的な特徴であるトルコ系の男女ヴォーカルや、エレクトリック・サズを中心とした音楽性は非常に強烈な印象を残す。音はクラシカルなロックそのものだがそれが逆に新鮮に響き、ノスタルジアだけでなく活力を与えてくれるのだ。

(3)「Leylim Ley」
(6)「Rakıya Su Katamam」

アナドル・ロックの雄、Altın Gün

Altın Günはオランダのアムステルダムで2016年に結成された6人組のバンドで、バンド名はトルコ語で「黄金の日」を意味する。アナトリアの伝統音楽と現代音楽を融合させたユニークな音楽スタイルで知られ、トルコ系の男性ヴォーカリスト/サズ/鍵盤奏者のエルディンチ・エジェヴェト(Erdinç Ecevit)と、同じくトルコ系の女性ヴォーカリスト/鍵盤奏者メルヴェ・ダシュデミル(Merve Daşdemir)をフロントとし、バックをオランダ人ミュージシャンが固めている。

Altın Gün はセルダ(Selda)やバルシュ・マンチョ(Barış Manço)、エルキン・コライ(Erkin Koray)といった70年代のトルコの音楽に魅了されていたベーシストのジャスパー・フェルフルスト(Jasper Verhulst)がトルコのミュージシャンを探す広告を2016年にFacebookに投稿したところから始まった。これをきっかけにエルディンチとメルヴェが加わり、最初はトルコの古いレコードから影響を受けたカヴァー曲を演奏。その後、彼らはオリジナル曲を制作し、トルコ音楽の伝統的な楽器であるサズやクラリネット、パーカッションなどにキーボードやエレクトリック・ギターなどの現代的な楽器を組み合わせ独自のサウンドを構築。

2018年にリリースされたデビューアルバム『On』は国際的な注目を集め、続く2019作『Gece』もグラミー賞のベスト・ワールドミュージック・アルバム部門にノミネートされるなど高い評価を受けた。
2022年にはフジロックフェスティバルでも公演を成功させるなど、日本でもその認知度が高まっている。

(1)「Badi Sabah Olmadan」

Altın Gün :
Merve Daşdemir – vocals, keyboards
Erdinç Ecevit – vocals, saz, keyboards
Thijs Elzinga – guitar
Jasper Verhulst – bass
Daniel Smienk – drums
Chris Bruining – percussion

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