イランのアコーディオン奏者によるアゼルバイジャン歌曲集
イラン西部の都市タブリーズのアコーディオン奏者/作曲家ハサン・ホジャステフ(Hasan Khojasteh)の2021年作『Qarmon』は、西洋音楽には見られない特徴を持つアゼルバイジャンの伝統音楽「ムガーム」の影響を強く受けた興味深いアコーディオン・ジャズだ。
(1)「Şalaxo」から異様な熱気を孕んだ中東の風が吹く。伝統音楽、ジャズ、フュージョン、プログレなどが複雑に絡み合ったサウンドで、忙しないトリルとムガームの音階が耳を釘付けにする。なかなかこれまでに聴いたことのないようなアコーディオン音楽で、好奇心旺盛なリスナーを刺激するだろう。
収録曲はカヴァーが中心で、すべてがアゼルバイジャンの歌曲と思われる。本作やアーティスト本人についてネット上で得られる情報はほとんどないが、アゼルバイジャン人はイラン最大の少数民族とのことで、彼のルーツもアゼルバイジャンにあるのかもしれない。