ニルス・ラングレン率いる“4WD”プロジェクト第二弾
ドイツのジャズチャートで4ヶ月連続トップになるなど絶賛されたニルス・ラングレン率いる“4WD”(四輪駆動)プロジェクトの前作『4 Wheel Drive』(2019年)から4年。北欧ジャズの巨人たちによる第二弾『4 Wheel Drive II』がリリースされた。
メンバーは前作に引き続きトロンボーン/ヴォーカルのスウェーデン出身ニルス・ラングレン(Nils Landgren)、ピアノのドイツ出身ミハイル・ウォルニー(Michael Wollny)、ベース/チェロのスウェーデン出身ラーシュ・ダニエルソン(Lars Danielsson)、そしてドラムスのドイツ出身ウォルフガング・ハフナー(Wolfgang Haffner)というACTレーベルの看板アーティストの4人。前作ではオリジナルに加えスティング、ビリー・ジョエル、ポール・マッカートニー、フィル・コリンズといったカヴァーも好評だったが、今作でもポール・サイモンやエルトン・ジョンといった往年の名曲を取り上げつつ、オリジナル曲の比重も増やしている。
オープニングの(1)「Chapter II」はミハイル・ウォルニー作曲。ぐいぐいと力強いドライヴ感で推進する曲調はこのバンドのコンセプトにぴったり。
ニルス・ラングレンの渋みのあるトロンボーンやヴォーカルも聴きどころ。
サイモン&ガーファンクル最初期の名曲(4)「The Sound of Silence」、ポール・サイモンのソロ曲(2)「Still Crazy After All These Years」には少しばかりの寂寥感が漂う。
(3)「Hold on My Heart」はジェネシスのバラード。(10)「Your Song」はエルトン・ジョンだ。北欧的な抒情を感じさせる演奏が素敵なアルバムだ。
Nils Landgren – trombone, vocals
Michael Wollny – piano
Lars Danielsson – bass, cello, guitar (5)
Wolfgang Haffner – drums