北欧ジャズの偉大な“Wラングレン”、夢の共演。温かみのある傑作デュオ作品

Nils Landgren & Jan Lundgren - Kristallen

スウェーデンのWラングレン、夢の共演

いずれもスウェーデン出身。ジャズトロンボーン奏者/ヴォーカリストのニルス・ラングレン(Nils Landgren)とピアニストのヤン・ラングレン(Jan Lundgren)、姓はたった母音一文字違いの“Wラングレン”が夢の共演。
結晶、英語でいう「Crystal」の意味のアルバムタイトル『Kristallen』のとおり、北欧ジャズらしい透明感のある絶品デュオ作品だ。

収録曲は素朴なトラディショナル・ソングである(2)「Byssan Lull」、(5)「Hornlatar」、(12)「Värmlandsvisan」(これは英語詞が付けられた「Dear Old Stockholm」の曲名でよく知られている)や、ビートルズの(6)「I Will」、(9)「Norwegian Wood」、さらには南アフリカの伝説的ピアニスト、アブドゥーラ・イブラヒム(Abdullah Ibrahim, 以前はダラー・ブランド(Dollar Brand)の名で知られていた)の(13)「Wedding」など幅広い。
キース・ジャレット(Keith Jarrett)がヨーロピアン・カルテットで残した名曲(3)「Country」は個人的にとても思い入れの深い曲なので、この選曲はとても嬉しかった。

米国のSSW、ジミー・ウェッブ(Jimmy Webb)の(4)「Didn’t We」。
ニルス・ラングレンの枯れた歌はとても魅力的だ。

北欧ジャズに偉大な足跡を残してきた“Wラングレン”

ニルス・ラングレンはジャズ、R&B、ファンクなど幅広いジャンルで活躍する1954年生まれのベテラン・トロンボーン奏者/歌手。思慮深く吹かれる老練のトロンボーン演奏もさることながら、個人的にはチェット・ベイカー(Chet Baker)を想起させる適度に“枯れた”彼の歌声が大好きだ。本業歌手ではないナチュラルでリラックスした雰囲気に、“渋さ”ともまた少し違う癒し要素を感じてしまう。

ピアノのヤン・ラングレンは1966年生まれ。1980年代後半からジャズの第一線で活躍し、その美しいタッチのピアノで北欧のみならず米国や日本でも絶大な人気を誇り、これまでに発表したリーダー作はおそらく50枚を下らない。自国スウェーデンや北欧の民謡をモチーフにしたジャズ演奏も多く、今日の北欧ジャズ人気を支えてきた立役者だ。

ヤン・ラングレン作(1)「Blekinge」。

Nils Landgren – trombone, vocal
Jan Lundgren – piano

Nils Landgren & Jan Lundgren - Kristallen
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