打楽器奏者クレベール・アルメイダ新作『Bem Sacolejado』
ブラジルのドラマー/ザブンベイロ/作曲家クレベール・アルメイダ(Cleber Almeida)は、新作『Bem Sacolejado』でブラジル北東部の伝統音楽フォホーと、ジャズを高度に融合することに成功した。このジャンルでは真っ先にトニーニョ・オルタ(Toninho Horta)の『Com O Pe No Forro』(2004年)が思い起こされるが、今作もそれに匹敵する作品で、喜びを直情的に表現するブラジルらしさが大好きだ。
全8曲、すべてクレベール・アルメイダの作曲。ベースのフィ・マロスティカ(Fi Maróstica)やギターのファビオ・レアル(Fábio Leal)、サンフォーナ(アコーディオン)のコスミ・ヴィエイラ(Cosme Vieira)らを擁したバンドでブラジル最高峰のサウンドを聴かせてくれる。
アルバムの制作は、ブラジルのBlaxtreamレーベルからクレベール・アルメイダ自身の作品を作らないか、という誘いから始まったという。彼の引き出しの中にはブラジリアン・ジャズというより北東部のダンス音楽に近い楽曲がいくつかあり、それらをひとつの作品にまとめて発表するというアイディアから生まれたのが本作だ。カマラォン(Camarão)、ペルナンブーコ・ド・パンデイロ(Pernambuco do Pandeiro)、ノカ・ド・アコルデオン(Noca do acordeon)、そして世界的巨匠ドミンギーニョス(Dominguinhos)に至るまで、今作にはそうした北東部音楽の伝統がしっかりと詰め込まれていながら、ジャズの影響の色濃い即興重視の音楽として見事な成果を収めている。
Cleber Almeida – drums, zabumba, vocal, chorus
Fi Maróstica – contrabass, chorus
Cosme Vieira – accordion, chorus
Filpo Ribeiro – rabeca, chorus
Sérgio Coelho – trombone, chorus
Xeina Barros – percussion, chorus
Fábio Leal – guitar, chorus