ギンガ&ベベ・クラメール、初のデュオ・アルバム
ギタリストのギンガ(Guinga)とアコーディオン奏者のベベ・クラメール(Bebê Kramer)、ブラジルの2人のベテランによるデュオ作『Par Constante』がリリースされた。収録曲はラストのベベ・クラメール作曲の(8)「A casa」を除きすべてギンガの作曲で、彼のファンにとってはお馴染みの名曲たちを実に慈しみ深い2人による演奏で楽しめる極上の作品だ。
ギンガはいつものように淡々と、実に複雑かつ個性的なハーモニーを爪弾き、ベベ・クラメールが美しいメロディーを奏で、表現豊かなアドリブで彩るというのが全体的な構造だ。音楽のダイナミクスの幅は広く、ギンガの独創的な楽曲とも相まって限りなく哲学的でアーティスティックな音空間を形成。現実離れした音楽は、夜中にじっくりとひとり聴くのが最高かもしれない。
(2)「Cheio de dedos」のエンディング部分にはギンガの名曲「Choro Pro Zé」のフレーズが引用されるなど、遊び心も。どういった経緯でこのデュオが実現したのかは分からないが、ベベ・クラメールがギンガの音楽を相当にリスペクトしていることが感じ取れる。
ベベ・クラメール作の(8)「A casa」では、ギンガはギターを弾かずにヴォーカルを担当。これもメロディーの美しさが際立つ素晴らしい曲で、それまでのギンガ曲とは異なる雰囲気で締めくくられることで不思議な余韻を残す。
Guinga – guitar, voice
Bebê Kramer – accordion