パリ流 “The Getdown” を体現。フランス最強のオルガン/ピアノ/ドラムスのトリオのデビュー作

The Getdown

ローラン・クーロンドル、アーノウ・ドルメン、グレゴリー・プリヴァ

フランス・ニーム出身の鍵盤奏者ローラン・クーロンドル(Laurent Coulondre)、フランス海外県グアドループ出身の打楽器奏者アーノウ・ドルメン(Arnaud Dolmen)、そして同じくフランス海外県マルティニーク出身のピアニストグレゴリー・プリヴァ(Grégory Privat)のトリオによるアルバム『The Getdown』

それぞれが輝かしい経歴を持ち、フランスの若手〜中堅の中でもトップクラスに世界的知名度を誇る3人だが、このトリオは2023年にアカデミー・デュ・ジャズ(Académie du jazz)が主催するジャンゴ・ラインハルト賞(Prix Django Reinhardt)をグレゴリー・プリヴァが受賞した際に、その授賞式で3人で演奏したことをきっかけに結成されることとなった。ローラン・クーロンドルは優れたピアニストとして知られるが、このトリオではハモンドオルガンに専念。オルガン、ピアノ、ドラムスという編成でカリブ音楽の影響を受けたグルーヴィーなジャズを聴かせてくれる。

(3)「Uno Mas」

アルバムのタイトルの「The Getdown」とは、ニューヨークのスラングで、音楽を演奏したり踊ったりすることを、効果的かつ伝染力のある方法で行い、賑やかなパーティーを楽しむことを意味する。
そしてパリでそれを体現するバンドはこの3人なのだ。ジャズのトリオとしては珍しい編成だが、とりわけ卓越したハモンドオルガンが醸すファンキーなグルーヴがそれを名ばかりのものではないことを熱く証明している。

そしてもうひとつ特筆すべきは、ハモンドオルガンという多くの場面で常に支配的な楽器の存在に対して、ピアノとドラムスが完全に対等なアプローチを見せ、まさに“三位一体”の演奏を聴かせてくれるところだ。フランス最高の3人が集うということは、こういうことなのだろう。

Laurent Coulondre – Hammond organ
Arnaud Dolmen – drums
Grégory Privat – piano

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