Mitsu
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MitsuDJ

DJ。専門はHipHop/R&B/Reggae。その他、日本のJAZZやLounge Musicも守備範囲。特技は外出先で流れてくる音に耳を澄ますこと。そのため、ほとんど人の話は聞いていない。自称「リアルShazam」。

  • 2024-03-31
  • 2024-03-31

【連載】ネイティブ・タンの衝撃~⑨HipHop黄金期と2枚目のジンクス。”変わり者”Black Sheepの94年作『Non Fiction』

オールドスクールのマッチョで攻撃的なラップのイメージを覆して、誰もが聴ける楽しいHipHopであるニュースクール。それらを作り上げたジャングル・ブラザーズ(Jungle Brothers)やデ・ラ・ソウル(De La Soul)といったネイティブ・タンの首謀者たちのデビューは概ね1988年〜90年。『Straight Out The Junge』や『3 Feet High and Rising 』などの名盤が多い一方、黎明期特有の荒さが目立つこの時期を経て、93〜94年、彼らのはより洗練された作品へと昇華されていく。本特集で取り上げたビートナッツ(Beatnuts)の『Street Level』やコモン(Common)の『Resurrection』はいずれもこの時期に発表された作品である。そして、本稿で取り上げるブラックシープ(Black Sheep)の『Non Fiction』もまた、94年に発表された彼らの2枚目の作品となる。

  • 2024-03-03
  • 2024-03-03

【特集】世界にみる音楽〜ラスベガス2024

「地球の音楽」を意味する、本サイト「ムジカテーハ(Musica Terra)」。世界の良質な音楽を皆様にご紹介しているわけであるが、果たして実際に現地ではどのような音楽が聴かれているのであろうか?前回のドイツに続き、第2回はアメリカ・ラスベガス。カジノ、ショーをはじめとしたエンターテイメントが集まるこの街の音楽たちを今回も紹介していきたい。

  • 2024-02-03
  • 2024-02-03

ダーティ・サウスは終わらない。Sauce Walka 『DAT BOY DEN』

「ダーティ・サウス」とも呼ばれる南部のHipHop。グッディ・モブ(Goodie Mob)にはじまり、クランクで一世を風靡したリル・ジョン(Lil' Jon)、グラミー賞アーティスト・アウトキャスト(Outcast)、そして「キング」T.I etc…。超有名ラッパーを多数輩出するサウスHipHop界。その中で今注目したいのがこのソースウォーカ(Sauce Walka)だ。

  • 2023-12-29
  • 2023-12-23

Música Terra が選ぶ 2023年ベストアルバムTOP10【DJ mitsu編】

Música Terra(ムジカテーハ)ライターDJ mitsuが選ぶ2023年のベストアルバム。
基本、当サイトで紹介してきたもの中心ではありますが、取り上げきれなかった作品もここではPick Up。「何を落としたらいいのか悩む」大豊作の昨年に対し、「何を入れるか悩んだ」今年。なかなかコレ!というものがなかった年でもありましたが、ここに挙げたのは間違いなく「いい音楽」。
今年1年お世話になった作品を振り返っていきましょう。

  • 2023-11-19
  • 2023-11-19

【連載】ネイティブ・タンの衝撃~⑧ニュースクールの名を冠した問題児達。Leaders Of the New School『T.I.M.E』

クールなサウンドを打ち出していた当時のニュースクールにおいて、これだけフィジカル重視の前のめりなマイクリレーを敢行したユニットも珍しい。「これが俺たちのニュースクールだ!」と言わんばかりの熱量で席巻した問題児達。その中心にいたのは他でもないラップモンスター、バスタ・ライムス(Busta Rhymes)である。

  • 2023-11-03
  • 2023-11-03

【特集】世界にみる音楽〜ベルリン2023

「地球の音楽」を意味する、本サイト「ムジカテーハ(Musica Terra)」。世界の良質な音楽を皆様にご紹介しているわけであるが、果たして実際に現地ではどのような音楽が聴かれているのであろうか?本特集の第1回はドイツ・ベルリン。オーケストラが有名な音楽の都で実際に流れる「音」の旅をお届けしたい。

  • 2023-09-17
  • 2023-09-17

POPSがJAZZの垣根を越えた瞬間。SPEEDのhiroによるJAZZプロジェクトCocod’Orの2004年作『Cocod’Or』

「Route66」「Avalon」「And The Melody Still Lingers On (A Night in Tunisia)」...ムジカテーハ読者であれば、聴いたことのあるであろうJAZZスタンダードの数々が並ぶ一枚のアルバム。第46回日本レコード大賞企画賞、第19回日本ゴールドディスク大賞ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤー、第19回日本ゴールドディスク大賞ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤーを獲得した2004年発表の紛うことなきJAZZアルバムである本作は、他でもないあのSPEEDのhiro(島袋寛子)のプロジェクト、Cocod'Or(ココドール)によるものである。

  • 2023-08-15
  • 2023-08-15

【特集】The Alchemistが認めた新星・Sideshowを形作るアンダーグラウンドHipHopの今

8月。新進気鋭のラッパー、Sideshow(サイドショー)の新作がリリースされた。現在のHipHopシーンを席巻するトラップとは一線を隠す彼の硬派なラップミュージックの背景に存在するアンダーグラウンドHipHopの重要人物の数々。本稿ではSideshowの新作『2MM DON'T JUST STAND THERE!』の紹介とともに、触れるべきアンダーグラウンドHipHopの今を体現する関連アーティストを紹介。

  • 2023-08-06
  • 2023-08-06

【特集】どこから聴けばいい?ブルーノート移籍のマルチアーティスト、ミシェル・ンデゲオチェロ作品のススメ

Funk、Jazz、HipHop、R&B、アフロビート…様々な音楽をジャンルレスに横断し、その独特のグルーヴで唯一無二の存在感を放つマルチアーティスト/ベーシスト、ミシェル・ンデゲオチェロ(Meshell Ndegeocello)が今年ブルーノートから新作を発表した。本稿では多様なンデゲオチェロの作品群を改めてフィーチャー。デビュー30周年を迎える彼女のキャリアを振り返るとともに、これから彼女の音楽に触れる人は是非自分だけのお気に入りの一枚を見つけて欲しい

  • 2023-06-14
  • 2023-06-14

00年代R&Bの復権。ケンドリック・ラマーも認める新たなDiva、SZAの最新作『SOS』

メジャーデビューアルバム『Ctrl』は2018年の第60回グラミー賞では主要部門〈最優秀新人賞〉を含む計5部門という女性最多ノミネートを達成。Doja Cat(ドージャ・キャット)とのコラボ曲「Kiss Me More」では「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞」を受賞と、名実ともに一流アーティストの仲間入りを果たしている。それから5年。新人アーティストとしては非常に長いスパンでの発表となった最新作『SOS』は、5年間の思いと苦悩が詰まった全23曲の大長編に仕上がった。

  • 2023-05-27
  • 2023-05-26

フジロック出演の奇才、ルイス・コールが残した2022年の傑作『Quality Over Opinion』

この夏、二人の天才が来日する。それもBlue NoteやBillboardといった格式高いジャズ箱ではなく、フェスへの出演である。一人は本サイトでも取り上げたことのある「神童」ジェイコブ・コリアー(Jacob Collier) 。そしてもう一人が、そのMVも含めすべてにおいて独特なクリエイティビティを見せつけながらも、質の高さからそれすらもスタンダードに昇華されてしまう「奇才」と呼ぶべきマルチアーティスト、ルイス・コール(Louis Cole)だ。2022年のベストアルバムに入れそびれてしまった最新作『Quality Over Opinion』を今回は来日を記念してご紹介したい。

  • 2023-05-07
  • 2023-05-07

「まぁそれもまた人生さ」全てを肯定するEVISBEATSによる極上のチルアウトミュージック。

EVISBEATS(エビスビーツ)の最新作『That's Life』が5月24日にCD / CASSETTE / LP の3フォーマットでフィジカル化される。本サイトでも何度も取り上げているJ・ラモッタ・スズメをゲストに迎えるなど、盟友・Nagipanと共作した前作『PEPE』も非常にクオリティの高い作品であったし、2012年のMix作品『Sletchbook』も(一部ボーカル曲はあるものの)インスト作品という観点では素晴らしいものであった。だがしかし本作ではそれらのクオリティに加え、タイトル『That's Life』に込められた諦念にも似た明確なメッセージによって、作品としてより強固なものになったと言える。