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田方 春樹(Haruki Tambo)

  • 2021-09-16
  • 2021-09-16

懐かしくて新しい、イスラエルの男女2人組フォーク・ポップ、ローラ・マーシュ

イスラエルの男女2人組インディー・ポップバンド、ローラ・マーシュ(Lola Marsh)は少し懐かしさも感じさせるフォーキーでシンプルな中に一捻りあるメロディー、素朴だけど不思議な魅力を湛えた女性ヴォーカル・ヤエル・ショシャナ・コーエンの絶妙な声の表現力と、随所にセンスを見せるキーボードやギター、プログラミングなどでサウンド面全般を担うギル・ランダウのコンビ。

  • 2021-09-14
  • 2021-11-08

デンマーク発・北欧アンビエント・フォークジャズ、Hvalfugl

デンマークのピアノ、ギター、ベースのトリオHvalfuglの2020年作『Øjeblikke Vi Husker』は、北欧ジャズの真髄が味わえる優れた作品だ。テクニックの誇示よりもアンサンブルでの空気感や世界観を重視したトリオで、北欧の伝統音楽に根ざしたシンプルで美しいメロディーを豊かに響きあうサウンドで届けてくれる。

  • 2021-09-13
  • 2024-06-10

理不尽に命を奪われた女性ギタリストの遺志を受け継ぐ、タイス・ナシメントのソロ作

ブラジルの女性ギタリスト、タイス・ナシメント(Thais Nascimento)の2021年作『Expressivas』は女性作曲家が書いたギター曲を表現力豊かに演奏したソロギター作品である。そしてこのアルバムは、元ボーイフレンドによって惨殺されてしまったマトグロッソ・ド・スルの才能溢れる女性ギタリスト、マヤラ・アマラウ(Mayara Amaral)に捧げられている。

  • 2021-09-12
  • 2023-03-24

激情のフラメンコ・ピアノトリオ作『Al Toque』

スペインのベーシスト/作曲家、パブロ・マルティン・カミネロ(Pablo Martín Caminero)がリーダーを務める『Al Toque』は、フラメンコに欠かせないギターを排し、ピアノ、コントラバス、パーカッションのピアノトリオで演奏された興味深いフラメンコ作品だ。

  • 2021-09-08
  • 2021-09-08

ブラジル随一のコーラスグループ、オルヂナリウスが歌うボサノヴァ名曲集

ブラジルのコーラスグループ、オルヂナリウス(Ordinarius)がボサノヴァの名曲を美しい6声のコーラスでアレンジした2021年新譜『Bossa 20』。これまでもブラジル国内外の名曲カヴァーで男女混成コーラスの魅力を見せてきた彼らだが、これまでのアルバムの中でもっとも聴きやすい選曲となっている。

  • 2021-09-06
  • 2023-07-11

バトゥライ・ヤルキン。超絶技巧ジャズと伝統音楽MIXで魅せるトルコ注目株ピアニスト

トルコのピアニスト/作曲家、バトゥライ・ヤルキン(Baturay Yarkın)の2018年作『Su』は、東欧〜中東的抒情あり、超絶技巧あり、スウィングありの良盤だ。独自のジャズ文化を築き、活況を極めるトルコのジャズシーンの中でも注目すべき存在なのではないだろうか。

  • 2021-09-05
  • 2021-09-05

イスラエルの国民的SSW、豊かな音楽的経験によって生み出された傑作新譜

イスラエルのシンガーソングライター、アサフ・アムダースキー(Assaf Amdursky)の通算8作目となる2021年新譜『432』は、豊富な音楽的経験に裏打ちされた彼自身の進化が伺える、豊かな響きの良質なポップスに仕上がっている。アルバムはこれまでの彼の作品同様に作詞作曲・ヴォーカルのみならずギター、ベース、キーボード、フェンダーローズなど多くの楽器をアサフ自身で録音し、あらためてマルチ奏者としての才能も感じさせる内容だ。

  • 2021-09-04
  • 2021-09-05

謎の改造キーボードでギターのようなロックを演奏する衝撃的な男が話題

キーボードを前にし、ジミ・ヘンドリックスの名曲「Voodoo Child」の演奏を始めるロッキー・ドリー(Lachy Doley)。いささか乱暴に鍵盤を叩き始めたと思ったら…なんと楽器ついているレバーを操作し、エレキギターのような音を出し始めた!音は完全にエレキギターのそれで、激しい演奏をする姿はまるで鍵盤楽器なのにジミ・ヘンドリックスの魂が乗り移っているかのよう…とても衝撃的な光景です。

  • 2021-09-01

タル・バーグマン&オズ・ノイ、名実ともに最強の二人が生み出す老練のブルース

バーグマン(Tal Bergman)とギタリストのオズ・ノイ(Oz Noy )。イスラエルを代表するジャズロック系ミュージシャンである二人の双頭名義の新譜『Soul Stealer』。二人が難しいことを考えず、気の置けない友と一緒に心の赴くままに創り出したリズムやフレーズに溢れている。そんな印象を強く受ける最高のアルバムだ。

  • 2021-08-31
  • 2021-08-31

ブラジル発レゲエバンド Natiruts、25周年を記念する豪華ゲスト参加の傑作

活動25周年を迎えたブラジルのレゲエバンド、ナチルッツ(Natiruts)の新譜 『Good Vibration』。Iza、カルリーニョス・ブラウン、Melimといったブラジル国内の人気ミュージシャンのみならず、ボブ・マーリーの息子ジギー・マーリーやバルセロナのカリスマ的存在マカコなど豪華なゲストが目白押しの話題作だ。

  • 2021-08-29
  • 2021-10-05

トルコの現代ジャズをリードするチャグリ・セルテル、コロナ禍の小品集

トルコの現代ジャズを代表する鍵盤奏者チャグリ・セルテル(Çağrı Sertel)の新譜『Burada Buysa Budur』は、打ち込みリズムと鍵盤での即興を中心とした良質なハイブリッド・ジャズに仕上がっている。どの曲も洒落たコード進行とリズム、ピアノの即興のいずれも心地よく、彼の類稀なセンスが垣間見える作品だ。