- 2024-03-26
- 2024-04-13
ユーロビジョン・アルメニア代表の男女デュオLADANIVAが魅せる国境なきワールドミュージック
毎年5月に開催されるヨーロッパ最大の音楽コンテスト、ユーロビジョン・ソング・コンテスト。エントリー曲で個人的には好みに刺さる曲はほとんどないのが通例だが、今年はめちゃくちゃ面白いアーティストがいた。それが、今回紹介のアルメニア代表として出場するラダニヴァ(Ladaniva)だ。
アルメニア音楽
毎年5月に開催されるヨーロッパ最大の音楽コンテスト、ユーロビジョン・ソング・コンテスト。エントリー曲で個人的には好みに刺さる曲はほとんどないのが通例だが、今年はめちゃくちゃ面白いアーティストがいた。それが、今回紹介のアルメニア代表として出場するラダニヴァ(Ladaniva)だ。
アルメニア系フランス人ピアニスト/作曲家アンドレ・マヌーキアン(André Manoukian)の新作『Anouch』は、これまででもっとも彼自身のルーツを強く意識した作品に仕上がっている。本作は20世紀初頭の“死の行進”を耐え、生き延びた祖母へと捧げられており、ジャズ、クラシック、フラメンコなどの表現手法も用い、アルメニア人の記憶に刻まれた魂の音楽を奏でる。
伝統的なアルメニア音楽の影響を受けた優美で異国情緒あふれるジャズだ。アルメニアにルーツを持ち、レバノンのベイルートで生まれ、現在はオーストラリアのシドニーを拠点に活動するピアニスト/作曲家のゼラ・マルゴシアン(Zela Margossian)が、自身のクインテットの2作目となる『The Road』をリリースした。
アルメニア生まれ、現在はフランスを拠点に活動するピアニスト、エッサイ・カラペティアン(Yessaï Karapetian)は、次世代のジャズのスターかもしれない。アルメニアといえばティグラン・ハマシアンという世紀のカリスマの登場で2010年代から注目を浴びているが、このエッサイ・カラペティアンという野心的な演奏家によって再び注目を集めることになるだろう。
State Jazz Orchestra of Armenia はその名の通りアルメニアの国立ジャズオーケストラ。1938年に創立され、旧ソ連全土で公演を行い広く愛されてきた。そんな彼らの2021年の新譜が『Menq U Munq』。全曲がアルメニアの作曲家によるものであり、何世紀にもわたるアルメニアの音楽の伝統を新しい解釈で現代に蘇らせている。
アルメニアの巨匠ピアニストが率いるカルテット、ヴァン・カルテット(VAN Quartet)による初のスタジオアルバム『Return』は、東欧らしい独特の旋律が多用され、特にアルメニアの民族楽器ドゥドゥク(オーボエと同種のダブルリードの木管楽器)の音色が印象的だ。
アルメニア出身で2006年に若手ジャズ・アーティストの登竜門であるセロニアス・モンク・コンペティションで優勝したティグラン・ハマシアン(Tigran Hamasyan)の2009年の3rdアルバム『Red Hail』がついにSpotifyやApple Musicなどのサブスクリプションサービスで配信開始となった。
アルメニアから現れ、インターネットにのって世界中の音楽家に強い影響を与えたピアニスト/作曲家、ティグラン・ハマシアン(Tigran Hamasyan)の2020年の新譜『The Call Within』は、2015年の名盤『Mookroot』以来のジャズ・プログレが強調された一枚で、これこそが多くのリスナーが求める鬼才ティグランの姿だろう。
ティグラン・ハマシアンの作品にヴォーカリストとして参加していることでも知られる作曲家/ピアニスト/シンガーのアレニ・アグバビアン(Areni Agbabian)のECMデビュー作『Bloom』。共作者としてドラマー/パーカッショニストのニコラス・ストッカー(Nicolas Stocker)がクレジットされている。
アラ・マリキアン(Ara Malikian)はレバノンの首都ベイルート生まれのアルメニア系。現在はスペインを活動の拠点にしている異色のヴァイオリニスト。ボサボサの髪、伸ばしっぱなしの髭。ステージでは舞い踊りながら派手なパフォーマンス。奇想のヴァイオリニスト新作の紹介。
ポーランドのプログレ・ジャズバンド、オーガニック・ノイゼズ(Organic Noises)のファーストアルバムがこの『Organic Noises』。ポーランドのバンドながら、アルメニアの伝統音楽に強く影響されたスタイルが特長的かつ斬新な、非常に興味を惹かれるバンドだ。
ロシアの若き女性ジャズ・ヴァイオリン奏者/作曲家、アンナ・ラキタとアルメニア出身の男性ピアニスト/作曲家、ヴァルダン・オヴセピアンのデュオによる共作アルバム『Every Tomorrow』 は、二人によって精緻に作曲された美しい楽曲と、ヴァイオリンとピアノというクラシック音楽をイメージさせる楽器による自由なインプロヴィゼーションがこの上なく尊く美しい作品だ。
ヴァルダン・オヴセピアン(Vardan Ovsepian)が自身のすべての楽曲のサブスクリプション・ダウンロード配信をスタートさせた。
アルメニア出身のピアニスト、ヴァルダン・オヴセピアンとブラジルを代表するシンガー、タチアナ・パーハのデュオ新作がリリースされた。『Triptych』(三連祭壇画)と名付けられた今作は、その名の通りシリーズを総括する静謐で格調高く、絵画的な感動のある一枚だ。