ジャズ│Musica Terra
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Jazz

  • 2022-03-29
  • 2022-03-29

ただの“UKジャズ良盤”ではない、Neue Grafik Ensemble 新譜に込められた切実な願い

サウスロンドンを拠点とする鍵盤奏者/プロデューサーのノイエ・グラフィック(Neue Grafik)のバンド、Neue Grafik Ensembleが新作『Foulden Road Part II』をリリースした。今作は2019年の『Foulden Road』の続編となる作品で、即興演奏やグルーヴの喜びに満ちているが、その底流には重いテーマを掲げる。

  • 2022-03-27
  • 2022-03-25

全身全霊でピアノに向かう、イーロ・ランタラのソロ・ライヴ『Potsdam』

フィンランドを代表するジャズピアニスト/作曲家のイーロ・ランタラ(Iiro Rantala)『Potsdam』。本作は2021年11月末にドイツ・ポツダムで行われたソロコンサートの実況録音盤である。オリジナル6曲に加え、ジョン・レノンの(6)「Woman」、レナード・バーンスタインの(8)「Candide Overture」、(9)「Somewhere」のカヴァーも収録。彼らしい個性的な演奏をたっぷりと聴かせてくれる。

  • 2022-03-26
  • 2022-03-24

スムースジャズ女性ギタリスト、ジョイス・クーリング19歳のエヴァーグリーンな大名盤『Cameo』

米国の女性ギタリスト/作曲家ジョイス・クーリング(Joyce Cooling)のデビュー作である『Cameo』。特に1曲目「It's You」での複雑ながらスムースで美しいギターのコードワークや表現力豊かなソロ、Viva Brasilのクラウディオ・アマラル(Claudio Amaral)の伸びやかなヴォーカルには心を大いに射ち抜かれた。

  • 2022-03-22
  • 2022-05-22

イスラエル新鋭ギタリスト、オリ・アザニによる魅惑の中東ジャズロック作品『Sha’atnez』

イスラエルのギタリスト、オリ・アザニ(Ori Azani)が自身のバンド“the Hijazz Messengers”を率いて録音したデビュー作『Sha'atnez』が素晴らしい。中東音楽や父親が持っていたソウルやR&B、ロックのレコードを聴きながら育ったという。このデビュー作ではそれらの音楽的な特徴が自然に融合し、独特の世界観に昇華されている。

  • 2022-03-21
  • 2022-05-07

セシル・マクロリン・サルヴァント、失われたものへの憧憬滲む新譜『Ghost Song』

現代最高峰のヴォーカリスト、セシル・マクロリン・サルヴァント(Cécile McLorin Salvant)の新譜『Ghost Song』は、彼女の豊かな歌の表現力が楽しめるだけでなく、タイトル通り亡霊やノスタルジア、憧れをテーマとしたコンセプト・アルバムとしてトータルに楽しめる作品に仕上がっている。

  • 2022-03-18
  • 2022-03-18

16歳でピアノを始めた遅咲きのジャズピアニスト、ヤロン・ヘルマンが考える「創造力」とは?

「大人になってから歌や楽器を始めたいけれど、この年齢じゃ遅すぎる」「自分には才能がないから、演奏がなかなか上達しない」…あなたもそう思った経験がないだろうか? 音楽が好きで名作・名演の数々を聴き込んできたからこそ、自分の才能のなさに落胆するという読者も少なくないだろう。バスケットボールのジュニア選手だったという異色のジャズピアニスト、ヤロン・ヘルマンの著書『創造力は眠っているだけだ』(プレジデント社)は、そんな思いにそっと手を差し伸べてくれる一冊だ。

  • 2022-03-14
  • 2022-03-14

ポルトガル出身SSWソフィア・リベイロ、コロナ禍のコロンビアで完成させた情緒豊かな傑作

ポルトガル出身のシンガーソングライター、ソフィア・リベイロ(Sofia Ribeiro)がパンデミック下で滞在していたコロンビア・ボゴタで彼女の4枚目のアルバム『Casa』を完成させた。ニコラス・オスピナ、ペトロス・クランパニス、マルセロ・ウォロスキのバンドを軸に、温かく心に響く素晴らしい作品。

  • 2022-03-13
  • 2022-03-12

アルフィオ・オリリオ、選曲も魅力的な極上のソロピアノ

フランスのピアニスト/作曲家、アルフィオ・オリリオ(Alfio Origlio)の 『Piano』は、その名の通り飾り気のない至高のソロピアノ作品だ。流麗で創造的なピアノ演奏が素晴らしいのはもちろん、選曲自体も非常に魅力的で、日々の生活にぴったりと寄り添ってくれる大切な音楽だ。

  • 2022-03-11
  • 2022-08-04

アルメニア生まれの次世代ジャズ・スター、エッサイ・カラペティアン 注目のデビュー作

アルメニア生まれ、現在はフランスを拠点に活動するピアニスト、エッサイ・カラペティアン(Yessaï Karapetian)は、次世代のジャズのスターかもしれない。アルメニアといえばティグラン・ハマシアンという世紀のカリスマの登場で2010年代から注目を浴びているが、このエッサイ・カラペティアンという野心的な演奏家によって再び注目を集めることになるだろう。

  • 2022-03-10
  • 2022-03-08

アーティストとしての表現の極みに辿り着いた、エリック・クラズノーの最新作

4作目となるらしいソロ作『Always』で、エリック・クラズノー(Eric Krasno)というギタリストの音楽をものすごく久しぶりに聴いた。おそらく、当時大好きで来日公演まで観に行ったソウライヴ(Soulive)やレタス(Lettuce)以来ではないかと思うが、私は今作で初めて彼の歌声を聴いた。