- 2020-09-06
- 2023-05-20
UK新世代ジャズトリオ筆頭格Mammal Hands、比類なき個性で傑出する新譜
UK新世代ジャズトリオ、ママール・ハンズ(Mammal Hands)の2020年新譜『Captured Spirits』。目の眩むような強烈なポリリズムの(1)「Ithaca」で始まる今作は、サックス、ピアノ、ドラムス&タブラというこの個性的なトリオのあらゆる魅力が凝縮されている。
UK新世代ジャズトリオ、ママール・ハンズ(Mammal Hands)の2020年新譜『Captured Spirits』。目の眩むような強烈なポリリズムの(1)「Ithaca」で始まる今作は、サックス、ピアノ、ドラムス&タブラというこの個性的なトリオのあらゆる魅力が凝縮されている。
コンテンポラリー・フラメンコを代表するスペインのギタリスト/作曲家、ホセ・カルロス・ゴメス(José Carlos Gómez)。多様な作風で知られる彼だが、2020年の新譜『Calle Santa Ana』は広く絶賛された2016年作『Origen』でのフラメンコ路線をより現代的に発展させた内容で、スティーヴィー・ワンダーの名曲もカヴァーするなど訴求力も十二分だ。
2010年代の欧州でのエレクトロ・スウィングのブームを牽引したオーストリアの作曲家/プロデューサー、パロヴ・ステラー(Parov Stelar)の『Voodoo Sonic 3』がリリースされた。今作ではアルゼンチン・タンゴのあの名曲が取り上げられており、新鮮な驚きをもたらす。
悠久の時の流れさえ感じさせるこの曲で始まる、アルゼンチンのシンガーソングライター/7弦ギタリストのティンチョ・アコスタ(Tincho Acosta)の2020年新譜『Silencio』。近年人気の良質なアルゼンチン音楽の一派や、“ミナス新世代”と呼ばれるブラジル音楽が好きな方には確実に突き刺さる素晴らしい音楽だと思う。
ネオソウル系の新人ユニット、サンプル・カルチュア(Sample Kulture)のデビューアルバム『Upstairs Headroom』が俄かに注目を集めている。ジャジーなキーボード/ピアノに、安定感のある女性ヴォーカル、タイトだが遊びのあるドラムとベースのグルーヴ、適度なエレクトロニック、そしてオリジナル楽曲の圧倒的クオリティ。間違いなく次世代の音楽シーンを担うユニットの登場だ。
2015年、ブラジルの人気勝ち抜き歌番組で優勝し、以降MPBやボサノヴァなど日本でも馴染みの深いブラジル音楽を武器にその天性の歌声を披露し続けているペルナンブーコ州レシフェ出身の歌手、アイルトン・モンタホヨス(Ayrton Montarroyos)の2020年新譜はボサノヴァの神様ジョアン・ジルベルトが愛した古き良きサンバ歌曲集。
ウルフ・ワケニウス(Ulf Wakenius, g)、ラーシュ・ダニエルソン(Lars Danielsson, b ,cello)、マグヌス・オストロム(Magnus Öström, ds)という強力トリオ編成の新譜『Taste of Honey』は、ポール・マッカートニーの名曲の数々を中心にカヴァーした注目作だ。
ライヴの熱気はライヴでしか味わえない──。ニューオーリンズ出身のトランペッター、クリスチャン・スコット(Christian Scott)の新作『Axiom』は、新型コロナ渦で休業を余儀なくされたブルーノート・ニューヨークで行われた彼らの休業前最後の演奏を収録したライヴアルバムだ。
聴けば自然と体が動き出さずにはいられないようなラテン気質のジャズから、ヨーロッパ的な叙情まで幅広いスタイルが魅力的。キューバの若手実力派ピアニスト/作曲家のアロルド・ロペス・ヌッサ(Harold López-Nussa)の新譜『Te Lo Dije』は現代最高のラテンジャズ作品のひとつと言っても過言ではないだろう。
アルメニアから現れ、インターネットにのって世界中の音楽家に強い影響を与えたピアニスト/作曲家、ティグラン・ハマシアン(Tigran Hamasyan)の2020年の新譜『The Call Within』は、2015年の名盤『Mookroot』以来のジャズ・プログレが強調された一枚で、これこそが多くのリスナーが求める鬼才ティグランの姿だろう。
多くの若手ミュージシャンがお互いに刺激しあい、シーンの最隆盛を感じさせるUKジャズシーンの2020年の最注目作のひとつが、この女性サックス奏者ヌバイア・ガルシア(Nubya Garcia)の新譜『Source』であることは間違いないだろう。
ティグラン・ハマシアンの作品にヴォーカリストとして参加していることでも知られる作曲家/ピアニスト/シンガーのアレニ・アグバビアン(Areni Agbabian)のECMデビュー作『Bloom』。共作者としてドラマー/パーカッショニストのニコラス・ストッカー(Nicolas Stocker)がクレジットされている。
オーストラリアが誇るジャズヴォーカリスト、ケイティ・ヌーナン(Katie Noonan)の通算20枚目のスタジオアルバムとなる『The Sweetest Taboo』は、彼女が愛する'80年代のヒット曲が満載の良作だ。
幾度となく来日し、日本との縁も深いブラジルの重鎮ミュージシャンたち──ジャキス・モレレンバウム(Jaques Morelenbaum, cello)、リミーニャ(Liminha, b)、トニーニョ・オルタ(Toninho Horta, g)、マルコス・スザーノ(Marcos Suzano, perc)によるスーパーユニット、Shinkansen(新幹線)始動!