- 2023-11-02
- 2023-11-02
”ベルギー・ジャズ最大の秘密”Hijaz、ストリングス・トリオを加え更に進化した新譜
アラブ音楽の旋法のひとつとして知られる「ヒジャズ」をグループ名に冠したベルギーのジャズ・カルテット、Hijaz。ウードとピアノの対話を軸にした音楽性が「間違いなく、ベルギーのワールド・ミュージック・シーンの最大の秘密のひとつ」と称される彼らが、ストリングス・トリオを伴って新作『Hijaz + Strings』をリリースした。
アラブ音楽の旋法のひとつとして知られる「ヒジャズ」をグループ名に冠したベルギーのジャズ・カルテット、Hijaz。ウードとピアノの対話を軸にした音楽性が「間違いなく、ベルギーのワールド・ミュージック・シーンの最大の秘密のひとつ」と称される彼らが、ストリングス・トリオを伴って新作『Hijaz + Strings』をリリースした。
現代最高峰のピアニスト/作曲家サロマォン・ソアレス(Salomão Soares)の新譜『Interior』がリリースされた。リオデジャネイロにある1世紀以上の歴史あるオペラ劇場であるペドロ2世劇場(Theatro Pedro II)で、たった一人グランドピアノに向かい記録された本作は、この稀有な芸術家の音楽経験、世界観、表現技術などあらゆる要素が凝縮された驚くべきアルバムだ。
イスラエルのピアニスト、シャウル・エシェット(Shaul Eshet)のピアノトリオ第二作『U R Now』。前作からトリオのメンバーを変え、今回は全員がイスラエル出身者となっているが、そのサウンドは所謂“イスラエルジャズ”に見られるような大胆で特徴的な民族的要素はほぼなく、どちらかと言うと良質なヨーロピアン・ジャズのようだ。
アルバニア出身の歌手エリーナ・ドゥニ(Elina Duni)、ロンドンのギタリストのロブ・ラフト、ピアノとドラムスを担当する同じくロンドンのフレッド・トーマス、そしてスイス出身のフリューゲルホルン奏者マチュー・ミシェルの4人による新作『A Time to Remember』がリリースされた。移民が置かれた状況をテーマとしその音楽的豊かさから絶賛された前作『Lost Ships』と同じメンバーで、アルバニアの伝統音楽にインスパイアされたオリジナル曲を深い叙情を湛え描く。
マヌーシュ・ジャズを代表するギタリスト、ビレリ・ラグレーン(Biréli Lagrène)は、新作『Biréli Lagrène plays Loulou Gasté』でフランスの作曲家“ルールー・ガステ”ことルイ・ガステ(Louis Gasté, 1908 - 1995)に最大限のリスペクトを捧げている。
メキシコ出身のベーシスト/作編曲家、マウリシオ・モラレス(Mauricio Morales)が多数のゲスト・ヴォーカリストを招いて初のヴォーカル・アルバム『The Endless Ride』をリリースした。デビュー作『Luna』が子ども時代の回想のノスタルジーに溢れた作品だとすれば、今作は数多の才能との出会いを経て加速度的に進化する音楽家としての自身の現在の姿、といえそうだ。
米国のクラリネット奏者、デヴィッド・クラカウアー(David Krakauer)が放つ最高に気分がアガるクレズマー・パーティ・ミュージック!中東欧のアシュケナージ系ユダヤ人の器楽音楽であるクレズマーを大胆に進化させてきたイノベーターによる新作『Mazel Tov Cocktail Party!』は、世界的パンデミックの時代を乗り越え、再び大勢で集い、歌い踊ることが可能になった世の中を最高にファンキーでヒップ&ポップな音楽で心の赴くままに祝福する。
フロリダ州マイアミのソウル・ジャズ・オルガントリオ、レモン・シティ・トリオ(Lemon City Trio)の新譜『Postcards』。雷鳴のような適度に歪んだギターを中心とした歌心と野生味が溢れるジャズで、オルガントリオという編成のファンには堪らない音だ。
トルコやアラブの古典音楽やインドの古典音楽を学び、エレクトロニックと融合する独自の活動を続けるイスラエルのウード奏者、ヤニフ・タイヒマン(Yaniv Taichman)の旗振りのもと、イスラエルの豊かなシーンの中でも音楽的感覚と技術で特に抜きん出たグループであるピンハス&サンズ(Pinhas & Sons)のメンバーらを迎えた非常に興味深い4人組バンド、タイヒマニア(Taichmania)のデビュー作がこの『Seventh Heaven』だ。
フランスのクレズマー・クラリネット奏者ヨム(Yom)は、2021年の傑作『Celebration』と同じくピアニストのレオ・ジャセフ(Léo Jassef)とデュオを組んだ新作『Alone in the Light』で、歴史の影を背負い生きる人々の孤独に焦点をあてる。
スペインのピアニスト、シャビ・トーレス(Xavi Torres)は、パンデミックによるロックダウンの最中、創造性を保つために1ヶ月間、毎日1曲ずつ曲を書いた。“検疫の曲たち”を表す今作『Quarantena Songs』は、それらの30曲の中から14曲(サブスクでは12曲を聴くことができる)を選び、2つのトリオで演奏した作品だ。
フランスのゾレオール(フランス人とクレオール人)のシンガーソングライター/打楽器/ウクレレ奏者、オリアーヌ・ラカイユ(Oriane Lacaille)の初のフルレンス・アルバム『iViV』がリリースされた。レユニオンのマロヤやセガといった伝統音楽をベースに、洗練された独自の創作性で築く音楽と言葉の冒険の世界が広がる。
活動の空白期間を取り戻すように怒涛の勢いで新作をリリースするイスラエルのベーシスト、ヨセフ・ガトマン・レヴィット(Yosef Gutman Levitt)。2023年の立夏の頃に学生時代の旧友であり世界的ギタリストのリオーネル・ルエケ(Lionel Loueke)とのリユニオン作『Soul Song』をリリースしたが、早くもその続編となるアルバム『Melodies Of Light』がリリースされた。
在イスラエルの4人の音楽家が組んだブラジル音楽集団、クアットリオ(QuatRio)のデビューEP『QuatRio』。たった4曲のミニアルバムながら、中東音楽や現代ジャズのエッセンスを注入した最高に技巧的かつオリジナリティ溢れる音楽性が面白い、充実した作品だ。