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Jazz

  • 2023-06-29
  • 2023-06-28

マイアミのジャムバンド Anemoia、ポップ&グルーヴィーな極上ジャズファンク『A Muser!』

米国フロリダ州マイアミを拠点に活動するプログレッシヴ・ジャズ・トリオのアネモイア(Anemoia)による3rdアルバム『A Muser!』がリリースされた。ジャムセッションでの即興演奏をベースに様々なアイディアを試し構築された全8曲は創造的でグルーヴィーで、基本的にインストゥルメンタルだがメロディは口ずさめるほどに適度にポップで聴きやすい。

  • 2023-06-28
  • 2023-06-27

コロナ禍、当代最高峰の気鋭即興音楽家がリモートで集結。MultiTraction Orchestra デビュー作

米国デトロイト出身、現在はポーランドを拠点に活動する作曲家/ギタリストのアレックス・ロス(Alex Roth)の呼びかけに応じて集まった実験的ジャズ集団、マルチトラクション・オーケストラ(MultiTraction Orchestra)がファースト・アルバム『Reactor One』をリリース。演奏には北欧を代表する個性派トランペット奏者アルヴェ・ヘンリクセン(Arve Henriksen)らが参加している。

  • 2023-06-27
  • 2023-06-26

必聴!洗練された粗野、70’s ブラジリアン・レアグルーヴの超名盤Guilherme Coutinho 奇跡の復刻

ブラジル・パラー州都ベレン出身のシンガーソングライター、ギリェルミ・コウチーニョ(Guilherme Coutinho, 1942 - 1983)が1978年に残していた幻の作品『Guilherme Coutinho e O Grupo Stalo』が2023年になって復刻、初CD化された。ディスクユニオンのWebページでも絶賛されているが、これが聴いてみてびっくり、驚くほど最高にかっこいいブラジリアン・サイケファンク超名盤だった。

  • 2023-06-24
  • 2023-06-24

旧友リオーネル・ルエケ全面参加!ヨセフ・ガトマン新譜は彼の優しさが滲み出る傑作

現代イスラエル・ジャズシーンを代表するベーシスト/作曲家、ヨセフ・ガトマン・レヴィット(Yosef Gutman Levitt)新譜 『Soul Song』は、これまでバンドを組んできたオムリ・モール(Omri Mor, p)とオフリ・ネヘミヤ(Ofri Nehemya, ds)に加え、バークリー時代の旧友であるギタリストのリオーネル・ルエケ(Lionel Loueke)を加えた超豪華カルテットでの作品となった。

  • 2023-06-23
  • 2023-07-16

野放しだが豊潤なエレガンス。レバノン出身のサックス奏者トゥーフィック・ファルーク新譜

アラブ、バルカン、ブラジルなど様々な音楽性が混淆するレバノン出身・フランス在住のジャズ・サックス奏者/作曲家トゥーフィック・ファルーク(Toufic Farroukh)の新譜『Untamed Elegance』は、期待を裏切らないワールド・ミュージック×ジャズの意欲作だ。彼の過去作でも重要な共演者であったピアノのレアンドロ・アコンチャ(Leandro Aconcha)をはじめ総勢20名近くの音楽家が参加し、ユニークで豊穣な音絵巻を作り上げている。

  • 2023-06-22
  • 2023-06-21

大事故から復帰したピアニスト/数学者アンドリュー・ムーアヘッドのデビュー作『Interleaved』

テキサス州ヒューストン生まれのピアニスト/作曲家/数学者アンドリュー・ムーアヘッド(Andrew Moorhead)が同郷のベーシスト、マルコス・ヴァレラ(Marcos Varela)と、米国を代表するドラマーの一人であるアリ・ホーニグ(Ari Hoenig)とのトリオでデビューアルバム『Interleaved』をリリースしている。

  • 2023-06-19
  • 2023-10-07

現代ジャズを代表する女性ベーシスト、リンダ・メイ・ハン・オー 深淵な問いに対する彼女の答え

現代ジャズ最高峰のベーシストのひとり、リンダ・メイ・ハン・オー(Linda May Han Oh)のアルバムはいつも深淵なテーマが提示される。2023年の彼女の新譜のタイトルは『The Glass Hours』。人間がそれぞれ個々に持っている時間のあまりの短さ、その中で個人としてできることへの思索。自分ではどうしようもないように思える社会や国家の問題──。自らの非力さを嘆くところから、ガラスのように脆弱な時間という発想が浮かんだ。

  • 2023-06-18
  • 2023-06-17

ギターとトロンボーンと歌。絶世の美しさの夫婦デュオ新作『Auburn Whisper』

カリフォルニア州出身のトロンボーン奏者/歌手のナタリー・クレスマン(Natalie Cressman)と、ブラジル生まれのギタリスト/歌手イアン・ファキーニ(Ian Faquini)のデュオによる第二弾アルバム『Auburn Whisper』。絶賛された前作『Setting Rays of Summer』から3年。深い音楽的パートナーシップを経て夫婦となった二人による今作は、より温かみを増した極上の音に満ちている。

  • 2023-06-17
  • 2023-06-16

イスラエル随一の木管奏者ギラッド・ローネン、インド音楽まで取り入れた新作『Reflections』

イスラエル出身のマルチ木管奏者、ギラッド・ローネン(Gilad Ronen)による自身3作目のリーダー作『Reflections』。3管含む最大9名のアンサンブルで、スウィングから現代ジャズ、さらにはイスラエル音楽やインド音楽まで幅広く取り込んだ個性的なジャズが聴ける素晴らしいアルバムだ。サックスだけでなくフルート、クラリネットなど木管楽器をマルチにこなす彼だが、今作はテナーサックスに専念している。

  • 2023-06-12
  • 2023-06-11

現代の米国ジャズシーンで最も注目される女性奏者4人によるカルテット、Esthesis Quartet 新作

4人が4人とも異なるタイムゾーンに住んでいるから、アルバム名は『Time Zones』。米国中のフェスやセッションを通じて出会い、2022年にデビュー作『Esthesis Quartet』をリリースした女性奏者4人によるカルテット、エステシス・カルテット(Esthesis Quartet)の第二作目はそんな分かりやすいタイトルとは裏腹に、非常に洗練された“感覚的(= Esthesis)な”ジャズ・アルバムに仕上がっている。

  • 2023-06-11
  • 2023-06-11

フランスの革新的ミュージシャンのデュオ、IKIRU が選んだ“エリック・サティ再訪の旅”

黒澤明の『生きる』に触発されたユニット名をもつフランスのサックスとピアノのデュオ、IKIRU。『生きる』の主人公と同じように健康上の問題を抱えるサックス奏者のファブリス・トゥイヨン(Fabrice Theuillon)が新作で選んだ題材は、それまでの音楽の常識を覆し、現代的な音楽の礎を築いたエリック・サティ(Éric Satie, 1866 - 1925)だ。

  • 2023-06-10
  • 2023-06-10

ウードとピアノが中心のイスラエルのエスノ・ジャズ・クインテット、Caifas 魅惑のデビューEP

イスラエルで活動するエスノ・ジャズバンド、CaifásのデビューEP『The Meggido Sessions』。ジャズや中東音楽をベースにした複雑で個性的な楽曲を、ピアノ、ウード、サックス、ベース、ドラムスのクインテットで聴かせる魅力的なグループだ。数多いイスラエル・ジャズの若手グループの中でも、彼らのその土着志向で右に出るものはなかなかいないであろう。

  • 2023-06-09
  • 2023-06-05

14歳の頃から互いに研鑽を積んだイスラエルの新鋭ピアノトリオ「Zafio」、高い芸術性のデビュー作

ピアノ奏者のイタイ・シンホーヴィッチ(Itay Simhovich)、ベースのイライ・サロモン(Ilai Salomon)、ドラムス奏者ヤリ・スターン(Yali Stern)から成るイスラエルのピアノトリオ、Zafioのセルフタイトルのデビュー・アルバム『Zafio』は、同地の活発なジャズシーンを象徴する良作だ。プロデュースはピアニスト/作曲家のトメル・バール(Tomer Bar)が担っている。