- 2020-11-03
- 2021-07-01
【特集】ストリーミングで聴く『澤野工房』
主にヨーロッパのジャズを日本に紹介し続けてきた大阪のインディーズレーベル「澤野工房」。現時点で澤野工房の諸作品はSpotifyやApple Musicといった定額制ストリーミング・サービスでは配信されていない。が、澤野工房からライセンス契約でリリースされたアルバムはそのオリジナルをストリーミングで聴くことができる。そんな中から選りすぐりの作品を紹介したい。
主にヨーロッパのジャズを日本に紹介し続けてきた大阪のインディーズレーベル「澤野工房」。現時点で澤野工房の諸作品はSpotifyやApple Musicといった定額制ストリーミング・サービスでは配信されていない。が、澤野工房からライセンス契約でリリースされたアルバムはそのオリジナルをストリーミングで聴くことができる。そんな中から選りすぐりの作品を紹介したい。
コロンビア人の母とパレスチナ人の父親のもと、1975年の西ドイツ(当時)に生まれ、1997年からはスペインを拠点に活動を続けているフラメンコ・ギタリスト、エル・アミール(El Amir)ことアミール・ジョン・ハダッド(Amir John Haddad)が放つ最新作『Andalucía』。いま聴いておきたいコンテンポラリー・フラメンコの傑作で、とにかく早く正確無比なギターのテクニックと、豊かな音楽的叙情が楽しめる作品だ。
イタリアのクラシックギタリストのステファノ・カルディ(Stefano Cardi)と、同じくイタリアのジャズピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)。互いに異なる音楽的バックグラウンドを持つ二人は、2017年に初共演して以来、それぞれに共通し、調和するルーツ的な音楽を探してきた。そして辿り着いた答えが、南北アメリカ大陸の古典的な音楽だった。
イスラエルの新世代ピアノトリオ、シャローシュ(Shalosh)が前作に続き名門ACTレーベルから新作をリリース!『Broken Balance』と名付けられた今作も独特の感性でストーリー性に富んだジャズを繰り広げている。
米国のサックス奏者/作曲家ベン・ウェンデル(Ben Wendel)による5枚目のアルバム『High Heart』がリリースされた。2019年から活動を共にするメンバー6人編成で、特徴的なのはシャイ・マエストロとジェラルド・クレイトンという2枚の鍵盤奏者、そしてスキャット歌手マイケル・メイヨーの存在。
ここ最近でリリースを最も楽しみにしていたジェンマ・ウメット(Gemma Humet)のアルバムがついにリリースされた。待望の新作のタイトルは『Màtria』。サウンドはこれまでのアコースティック/オーガニックな路線を継承しつつ、適度なエレクトロニックも取り入れ、彼女の音楽としては新鮮な音になっている。
イスラエル出身でNYを拠点に活動するヨタム・ベン=オール(Yotam Ben-Or)が2018年にリリースしたデビュー作『Sitting on a Cloud』は、この若いジャズ・ハーモニカ奏者が今後ジャズ界隈でどんな凄い活躍を見せてくれるのか、楽しみでならなくなる良作だ。
スペイン・バルセロナの歌手、マリア・ロデス(Maria Rodés)の2020年新譜『Lilith』。可憐な歌声に、フォーキーでありながらも、かなり実験的なサウンドの組み合わせが新鮮。タイトルの『リリス』とは、旧約聖書において神が最初につくった人間の女の名だ。
イスラエルはエルサレムを拠点に活動するピアニスト/シンガーソングライター、スタヴ・ゴールドベルグ(Stav Goldberg, ヘブライ語:סתיו גולדברג)のデビュー作『Songs』には、新世代のSSWらしい豊かな叙情性と、ジャジーな作編曲/演奏で一聴して只者ではないという印象を植えつけられた。
スペインを拠点に活動する多国籍バンド、バルセロナ・ジプシー・バルカン・オーケストラ(BGKO)の新譜『Nova Era』がリリースされた。地中海の北側〜東側の地域に古くから伝わるロマ音楽、バルカン音楽、クレズマー音楽を基調に、どこか郷愁を漂わせつつ、本能的に踊りたくなるような軽快な音楽をたっぷりと聴かせてくれる。
イスラエルの都市ハイファに、70年代からタイムスリップしてきたような不思議なバンドがいる。彼らの名はウジ・ナヴォン&アクウェインタンセズ(Uzi Navon & Acquaintances, ヘブライ語:עוזי נבון ומכרים)。この謎めいたバンドの2020年新譜『בזמנו』を紹介。
エレズ・アヴィラム(Erez Aviram)はイスラエルのピアニスト/作曲家。最初にクラシックピアノを習い始め、のちにビル・エヴァンス、セロニアス・モンク、マッコイ・タイナーなどのレコードを通じてジャズを習得。そしてすぐにティグラン・ハマシアンやシャイ・マエストロ、スナーキー・パピーといった、より現代的なサウンドの影響を受けるようになっていった。
若手最高峰のヴィブラフォン奏者として様々なセッションに引っ張りだこのジョエル・ロス(Joel Ross)のブルーノート第二弾『Who Are You ?』。ヴィブラフォンの美しい音色をシャワーのように浴びるのは、なんて気持ち良いんだろう。大音量でその光のような音に浸っていたい現代NYジャズの傑作。
米国のピアニスト、キース・ジャレット(Keith Jarrett)が2018年に2度の脳卒中を起こし、現在も左半身の一部に麻痺が残りピアノを弾けない状態だということがニューヨーク・タイムズの記事で明らかになり、追随するように世界中のメディアがその衝撃的なニュースを報じた。日本でもYahoo!ニュースのトップに記事が掲載され、多くの人が知る事態となっている。