• 2023-03-14
  • 2023-03-13

豪を代表する歌手ジョー・ローリー 新譜はリンダ・オー、アリソン・ミラーとの創造性溢れるトリオ作

オーストラリア出身でNYで活動するシンガー、ジョー・ローリー(Jo Lawry)が、ベースにリンダ・メイ・ハン・オー(Linda May Han Oh)、ドラムスにアリソン・ミラー(Allison Miller)を迎えて制作した新作『Acrobats』。声とベースとドラムスという珍しい編成が3人の創造性を極限まで引き出した、素晴らしいジャズ・ヴォーカル・アルバムとなっている。

  • 2023-03-13
  • 2023-03-16

イスラエル・プログレの知られざるバンドSusita、唯一のアルバムで魅せた圧巻・衝撃の音楽性

イスラエルのバンド、スシータ(Susita, ヘブライ語表記:סוסיתא)が2005年にリリースしたアルバム『סוסיתא』が素晴らしい。シンガー/マルチ奏者のメイロン・エガー(Meiron Egger, מירון אגר)と鍵盤奏者ナダフ・ヴィキンスキー(Nadav Vikinski, נדב ויקינסקי)を中心にリモン音楽学校の同級生たちで2003年に結成されたバンドで、本作が唯一のアルバムとなっているが、これがとんでもなくクオリティが高く、驚きと興奮に満ちている。

  • 2023-03-12
  • 2023-03-10

アフロ・ブラジルとミナス、そしてワールド・ミュージックを繋ぐ打楽器奏者ジャッキ・ウィル新作

ブラジルの打楽器奏者、ジャッキ・ウィル(Jack Will)の2022年新譜『Black Buddha』は、ミナス・ジェライス州の音楽の歴史を受け継ぎ、独自のエッセンスを加え、次世代に伝えようとする重要な作品だ。アルバムにはミナスを代表するギタリストのトニーニョ・オルタが1曲でゲスト参加しているほか、既に日本でも注目されている“ミナス新世代”の面々も参加している。

  • 2023-03-11
  • 2023-03-11

力強く奏でられる真のイスラエル・ジャズ。オメル・クライン・トリオ結成10周年を祝う新作

イスラエルを代表するピアニストのひとり、オメル・クライン(Omer Klein)の最新作『Life & Fire』は、気心の知れた二人の奏者──ベースのハガイ・コーエン・ミロ(Haggai Cohen-Milo)とドラムスのアミール・ブレスラー(Amir Bresler)──との共同名義のピアノトリオ作品だ。

  • 2023-03-10
  • 2023-03-03

ブラジルの名ピアニストによるナザレー曲集。ゲスト歌手も魅力的な『Nazareth Revisitado』

ブラジルを代表するピアニスト、ジョアン・カルロス・アシス・ブラジル(João Carlos Assis Brasil)が、ショーロの生みの親のひとりである独学のピアニスト/作曲家エルネスト・ナザレー(Ernesto Nazareth, 1863 - 1934)が遺した数々の名曲を卓越したピアノ演奏でカヴァーした作品集『Nazareth Revisitado』。適度な即興を交えた思慮深さを感じさせるピアノがどこまでも美しく、まさにブラジル音楽やショーロ・ピアノの名盤と呼べる作品だ。

  • 2023-03-09
  • 2023-03-05

アンゴラの歌姫ヨラ・セメード、すべてのキゾンバ愛好家に捧げる新作『Sou Kizombeira』

アンゴラの歌手、ヨラ・セメード(Yola Semedo)の7枚目となる新作『Sou Kizombeira』がリリースされている。今作はアンゴラ生まれのダンス音楽であるキゾンバをベースとしたダンサブルでパンチの効いたサウンドが特長的で、レゲエやソウル、R&Bといった要素も感じさせ、アンゴラの歌姫の貫禄を感じさせるアルバムに仕上がっている。

  • 2023-03-08
  • 2023-03-08

8人組ジャズ・コレクティヴ「The Unity Band」、多様性豊かな南アフリカ現代ジャズを象徴する新譜

ケープタウンで最も危険な街といわれるニャンガ生まれのドラマー Lumanyano Unity Mzi を中心に結成されたジャズ・オクテット、ユニティ・バンド(The Unity Band)の2ndアルバム『Breaking Bread』がリリースされた。さまざまなリズムを取り入れた現代的で洗練されたサウンドに、女性ヴォーカリスト Thandeka Dladlaの歌も適度にキャッチーで魅力溢れるアルバムに仕上がっており、注目される南アフリカのジャズ・シーンの最先端と呼んでも過言ではない。

  • 2023-03-07
  • 2023-03-07

サン・アンドレウ出身トランペッター/歌手アルバ・アルメンゴウ、新たな音楽の旅路の幕開け

2001年生まれの彼女もまた、サン・アンドレウ・ジャズバンド出身で、ジョアン・チャモロの傍を離れてアーティストとしての新しい道を歩み始めたスペインの将来を嘱望される新世代の音楽家だ。名はアルバ・アルメンゴウ(Alba Armengou)。サン・アンドレウ・ジャズバンド(SAJB)の最初のスターであるアンドレア・モティスの後継的な存在だった彼女が、同バンドを卒業して初めてのソロ作である『Susurros del Viento』をリリースした。

  • 2023-03-06
  • 2024-09-23

ビバップから現代JAZZまで幅広く才能を発揮! ニコラス・ガルデール&バティスト・エルバン共演作

トランペット奏者ニコラス・ガルデール(Nicolas Gardel)と、サックス奏者バティスト・エルバン(Baptiste Herbin)の双頭名義の『Symmetric』は、古くはビバップやファンクから現在進行形の最新のジャズのスタイルまで、演奏面でもサウンド面でも多様でハイレベルな音楽が聴ける作品となっている。

  • 2023-03-05
  • 2023-03-05

声楽家リア・ナヴィリア・クンチッチのソロデビュー作!ルーツを探求するエレガントな南米音楽

クラシックのソプラノ歌手として活躍するリア・ナヴィリア・クンチッチ(Lia Naviliat Cuncic)は、彼女の初のソロ作『Como una Flor sin Raíces』で自身のルーツであるウルグアイ、チリといった南米の音楽を深く探求し、独自の魔術的かつ優雅な世界観を描いてみせた。

  • 2023-03-05
  • 2023-06-14

アイスランドの新星SSWレイヴェイ、“古巣”アイスランド交響楽団との共演ライヴ作品をリリース

アイスランドの新星シンガーソングライター/ギタリスト/チェリストのレイヴェイ(Laufey)の新作『A Night At The Symphony』がリリースされた。これは2022年10月に彼女の故郷レイキャビクのコンサートホールで行われた、かつて彼女がチェロのソリストとして演奏していたアイスランド交響楽団と再共演したコンサートの模様を収めたもの。

  • 2023-03-04
  • 2023-03-04

カナリア諸島出身SSWペドロ・ゲーラ、“旅”をテーマにしたあまりに美しく哲学的な新譜『El Viaje』

アフリカ大陸の北西・大西洋に浮かぶカナリア諸島出身のSSW、ペドロ・ゲーラ(Pedro Guerra)の2021年作『El Viaje』がとにかく素晴らしい。ナイロン弦ギターと歌を軸とした誠実な音作りを特長とする作品で、どこまでも内省的で穏やかな作風は疲れがちな多くの現代人の心に響くだろうと思う。

  • 2023-03-03
  • 2023-03-01

女性5人組ジャズバンドQueenta Ensemble、ヘブライのスタンダードを軽やかに歌う

イスラエルの5人の女性ミュージシャンによるジャズバンド、Queenta Ensemble のデビュー作『Shoshana』。“ヘブライ音楽の女王”と称えられる歌手ショシャナ・ダマリ(Shoshana Damari, 1923 - 2006)が歌った歌曲の再発見をテーマとしたカヴァー曲集で、可憐な声をもつヴォーカリスト/編曲家のチェン・レヴィ(Chen Levy)を中心に、ピアノ、フルート、ベース、ドラムスのバンドを従えイスラエルの音楽文化を象徴するかつての名曲を鮮やかに現代に蘇らせている。