• 2022-07-08
  • 2022-07-18

鍵盤楽器とハベッカで紡ぐブラジルの素朴な音風景。アンドレ・メマーリ&カタリーナ・ロッシ

ピアニスト/作曲家のアンドレ・メマーリ(André Mehmari)と、ハベッカ(ヴァイオリン)奏者のカタリーナ・ロッシ(Catarina Rossi)の共演作『Arco de Rio』。洗練されていながら素朴さも感じさせる、クラシックやブラジル北東部の伝統音楽にインスパイアされた歌心溢れる美しい音が散りばめられた素敵なアルバムだ。

  • 2022-07-07
  • 2022-07-05

RTFを彷彿!? 現代ジャズを代表するフルート奏者マッタン・クレイン、ブラジル音楽を取り込んだ新譜

イスラエル出身、バークリー音楽大学で学んだフルート奏者マッタン・クレイン(Mattan Klein)の3rdアルバム『The Long Run』(2022年)。現代的なジャズからコテコテのブラジル音楽・ショーロまで、知る人ぞ知る名フルーティストの妙技を楽しめる絶品となっている。この作品はもしかしたら、RTFの初期メンバーであるフルート奏者ジョー・ファレル(Joe Farrell)を想起させるかもしれない。

  • 2022-07-06
  • 2022-07-06

イスラエル発、新人クラリネット奏者&ピアニストのデビュー!超絶品デュオ『Allusions』

イスラエル出身のクラリネット奏者ヒライ・ゴヴリーン(Hillai Govreen) と、ピアニストのニットサン・コルコ(Nitsan Kolko)のデュオ作『Allusions』。若い二人にとってのデビュー・アルバムだが、古代の寓話にインスパイアされた詩的なオリジナルの楽曲群、緻密なアレンジ、高度なテクニックに裏付けられた抒情的な演奏などはとても新人とは思えない質の高さを誇っており、聴けば聴くほど虜になる素晴らしい作品だ。

  • 2022-07-05
  • 2022-07-02

ドイツの才女オリヴィア・トルンマー、カート・ローゼンウィンケルらを迎えた傑作新譜

ドイツ出身のピアニスト/ヴォーカリスト、オリヴィア・トルンマー(Olivia Trummer)の2022年新譜『For You』。冒頭、ウーリッツァーピアノがレトロお洒落な風情の(1)「Thirsty in the Bathtub」から傑作を確信する素晴らしい一枚だ。ギタリストのカート・ローゼンウィンケル、トランペッターのファブリツィオ・ボッソも参加。

  • 2022-07-04
  • 2022-07-02

LAジャズシーンのひとつの本流──兄弟ユニット、Black Nileの新譜『River of Emotions』

米国ロサンゼルス出身のサックス奏者のアーロン・ショウ(Aaron Shaw)と、ベーシストのローレンス・ショウ(Lawrence Shaw)の兄弟ユニット、ブラック・ナイル(Black Nile)。2019年のデビュー作『Sounds of Color』がLAのジャズシーンの新たな才能と絶賛された彼らが、3枚目となるアルバム『River of Emotions』をリリースした。

  • 2022-07-03
  • 2022-07-03

トリオ・コヘンチの鍵盤奏者ファビオ・トーレス、MPBやブラジリアン・ジャズに再訪問するソロ新譜

ブラジルのピアニスト、ファビオ・トーレス(Fábio Torres)がジョアン・ボスコやシコ・ブアルキ、A.C.ジョビンなどの名曲をソロピアノで演奏した2022年新譜『Sarau』は、素材の良さを活かした卓越した演奏が満喫できる、ピアノ好き&ブラジル音楽好きには堪らない作品だ。

  • 2022-07-03
  • 2022-07-03

グラミー賞受賞アーティストにして、ピューリッツァー賞受賞アーティスト。現代ヒップホップの王が発表した「人間宣言」

先日プリンス・ポール(Prince Paul)の記事で触れたストーリーテリングヒップホップ。それを体現している現代最高のストーリーテラー、それがケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)である。これまでにオリジナルアルバムとして発表された3枚のアルバムは全てコンセプトアルバム。とりわけ、グラミー賞を初めて受賞した『To Pimp A Butterfly』はBLM(ブラック・ライブス・マター)の時流を捉えた黒人コミュニティを代弁するような作品であったし、続く『DAMN.』は宗教問題に言及した内容が高く評価された。

  • 2022-07-02
  • 2022-07-02

どこまでも深い夜に寄り添う音楽。ベルリンの鬼才スタディニツキー新譜『Nocturnal』

ベルリンを拠点に活動するピアニスト/トランペッター/作曲家のStudnitzky | KY ことセバスチャン・スタディニツキー(Sebastian Studnitzky)の新譜 『Nocturnal』は、数曲でパーカッション奏者を迎えていることを除き、全てのパートを彼一人で作り上げた内省的なジャズ/現代音楽作品だ。

  • 2022-07-01
  • 2022-06-29

響き合うクラリネットとアコーディオンの美しさ。ミラバッシ×ザンキーニ新譜『猫と狐』

イタリアのクラリネット奏者ガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)とアコーディオン奏者のシモーネ・ザンキーニ(Simone Zanchini)による初デュオ作品『Il Gatto E La Volpe』は、リード楽器同士の繊細で豊かな音楽を存分に味わえる傑作だ。それぞれの楽器で世界的なマエストロとして知られる二人の演奏はどこまでも美しい。

  • 2022-06-30
  • 2023-05-03

夢みたいだ…!ジョアン・ジルベルト名盤『三月の水』全曲のギター練習が思いのままに捗る動画

ボサノヴァの創始者、ジョアン・ジルベルト(João Gilberto, 1931 - 2019)の名盤『三月の水』収録の全曲が、原曲追従でコードネーム、五線譜、TAB譜、コードダイヤグラムで表示される夢のような動画が公開されています。ボサノヴァのファンの方、ギタリストの方など、必見!

  • 2022-06-30
  • 2022-06-29

質素なようで複雑な和声感覚が魅力。サンパウロのSSWセッサ(Sessa)新譜『Estrela Acesa』

セッサ(Sessa)のステージネームで知られるセルジオ・サイエギ(Sérgio Sayeg)が新作『Estrela Acesa』をリリース。彼が気だるく甘美に歌う内容は、実際はパンデミックの世界やファシストの大統領が支配する社会への批判で、少ないコードとシンプルな楽曲構成ながらひとつひとつのハーモニーには複雑な響きがあり、淡々と刻まれるリズムにも人生の儚さへの憂いや何かへの躊躇すら感じさせる。

  • 2022-06-29
  • 2022-06-26

ミナス音楽を支えてきたデイヴィド・サントス、爽快なリズムとハーモニーのデビュー・アルバム

ブラジル・ミナスジェライスの音楽を裏方的に支えてきたプロデューサー/作曲家/マルチ奏者のデイヴィド・サントス(Deivid Santos)がキャリア初となる自身名義のアルバム『Em Casa』をリリースした。サンバやフォホーといった土着のリズムに根ざしたミナスの風土らしい爽やかなジャズで、トニーニョ・オルタを彷彿させるまろやかな音色とテクニックのギターに加え、ブラジルを代表するミュージシャンが楽曲毎に立ち替わり参加し卓越した演奏を聴かせてくれる注目すべき作品に仕上がっている。

  • 2022-06-28
  • 2024-09-23

微分音トランペッターとアフリカを代表する歌手による“シバの女王とソロモン王”の雄大な物語

レバノン生まれのトランペット奏者イブラヒム・マアルーフ(Ibrahim Maalouf)と、ベナン出身の歌手アンジェリーク・キジョー(Angelique Kidjo)は、ともに現在のワールドミュージックシーンのカリスマだ。現在フランス・パリを活動の拠点とする二人が、初めてのデュオアルバムとなる『Queen of Sheba』をリリースした。

  • 2022-06-27
  • 2022-09-19

故郷キューバへの憧憬も滲む気鋭ピアニスト、マーティン・ベヘラーノ新譜『#CubanAmerican』

キューバ系アメリカ人のピアニスト/作曲家、マーティン・ベヘラーノ(Martin Bejerano)『#CubanAmerican』がリリースされた。自身のルーツを辿りながら、現代的なサウンドプロダクションもしっかりと取り入れた、多様化する現在のジャズシーンのラテンサイドからの好作だ。