- 2020-09-14
- 2021-01-06
NYジャズの中心で活躍するヴァイオリニスト大村朋子、日本民話をテーマに描く刺激的なアルバム
静岡県出身、現在ニューヨークを拠点に活動するジャズ・ヴァイオリニスト大村朋子の新譜『Branches Vol. 1』には、日本に古くから伝わる民話にインスパイアされた全6曲が収録。前作『Roots』は日本古謡をジャズに昇華し話題となった作品だったが、今回もアメリカに暮らす日本人としての自身のルーツを強く意識し、表現したものになっている。
静岡県出身、現在ニューヨークを拠点に活動するジャズ・ヴァイオリニスト大村朋子の新譜『Branches Vol. 1』には、日本に古くから伝わる民話にインスパイアされた全6曲が収録。前作『Roots』は日本古謡をジャズに昇華し話題となった作品だったが、今回もアメリカに暮らす日本人としての自身のルーツを強く意識し、表現したものになっている。
スペイン・コルドバ出身のギタリスト/作曲家ホセ・アントニオ・ロドリゲスの新譜『McCadden Place』は、各国から多数のゲストを迎え、フラメンコを軸に多様な表現を試みた、近年の充実するコンテンポラリー・フラメンコシーンの中でも相当にクオリティが高い一枚だ。優れたオリジナル曲も、センスの良い選曲のカヴァーもバランス良く収録し、彼の卓越したギター演奏も存分に堪能できる内容になっている。
現代ジャズで最も高い評価を得ている7人の女性アーティストたちが結集したスーパーグループ、アルテミス(ARTEMIS)がブルーノート・レコーズからデビューした。北米、南米、中東、欧州、そして日本…地域を超え最高の女性奏者が結集し傑出した演奏を聴かせてくれる必聴盤だ。
ジャズピアノの巨匠チック・コリア(Chick Corea)の2枚組新譜『Plays』がリリースされた。何曲かは順次先行公開されていて、そのあまりの素晴らしさに正式リリースが個人的にも待ち遠しかった作品だ。本作は2018年に行われた米国フロリダ州クリアウォーター、フランス・パリ、ドイツ・ベルリンの3箇所でのソロツアーの演奏から厳選された33曲が収録されている。
ブラジル・ミナス出身のSSW、ルイーザ・ブリーナ(Luisa Brina)の新作EP『Deriva』は、全曲でゲスト歌手を迎えたデュエット曲集だ。全5曲のトラックは、個々がソーシャルディスタンスを確保し孤立を強いられる社会の不安の中で、“緩やかな繋がり”とも言える適応を優しく提供する。
1本のYouTube動画からデビューに漕ぎ着けたフランスのジャズシンガー、カミーユ・ベルトー(Camille Bertault)のサードアルバム『Le Tigre』がリリースされた。今作も埋もれていた稀代のジャズヴォーカリストの才能を改めて感じさせる快作で、彼女の様々な音楽ジャンルへの関心が表出した一枚になっている。
UK新世代ジャズトリオ、ママール・ハンズ(Mammal Hands)の2020年新譜『Captured Spirits』。目の眩むような強烈なポリリズムの(1)「Ithaca」で始まる今作は、サックス、ピアノ、ドラムス&タブラというこの個性的なトリオのあらゆる魅力が凝縮されている。
コンテンポラリー・フラメンコを代表するスペインのギタリスト/作曲家、ホセ・カルロス・ゴメス(José Carlos Gómez)。多様な作風で知られる彼だが、2020年の新譜『Calle Santa Ana』は広く絶賛された2016年作『Origen』でのフラメンコ路線をより現代的に発展させた内容で、スティーヴィー・ワンダーの名曲もカヴァーするなど訴求力も十二分だ。
2010年代の欧州でのエレクトロ・スウィングのブームを牽引したオーストリアの作曲家/プロデューサー、パロヴ・ステラー(Parov Stelar)の『Voodoo Sonic 3』がリリースされた。今作ではアルゼンチン・タンゴのあの名曲が取り上げられており、新鮮な驚きをもたらす。
悠久の時の流れさえ感じさせるこの曲で始まる、アルゼンチンのシンガーソングライター/7弦ギタリストのティンチョ・アコスタ(Tincho Acosta)の2020年新譜『Silencio』。近年人気の良質なアルゼンチン音楽の一派や、“ミナス新世代”と呼ばれるブラジル音楽が好きな方には確実に突き刺さる素晴らしい音楽だと思う。
ネオソウル系の新人ユニット、サンプル・カルチュア(Sample Kulture)のデビューアルバム『Upstairs Headroom』が俄かに注目を集めている。ジャジーなキーボード/ピアノに、安定感のある女性ヴォーカル、タイトだが遊びのあるドラムとベースのグルーヴ、適度なエレクトロニック、そしてオリジナル楽曲の圧倒的クオリティ。間違いなく次世代の音楽シーンを担うユニットの登場だ。
2015年、ブラジルの人気勝ち抜き歌番組で優勝し、以降MPBやボサノヴァなど日本でも馴染みの深いブラジル音楽を武器にその天性の歌声を披露し続けているペルナンブーコ州レシフェ出身の歌手、アイルトン・モンタホヨス(Ayrton Montarroyos)の2020年新譜はボサノヴァの神様ジョアン・ジルベルトが愛した古き良きサンバ歌曲集。
ウルフ・ワケニウス(Ulf Wakenius, g)、ラーシュ・ダニエルソン(Lars Danielsson, b ,cello)、マグヌス・オストロム(Magnus Öström, ds)という強力トリオ編成の新譜『Taste of Honey』は、ポール・マッカートニーの名曲の数々を中心にカヴァーした注目作だ。
ライヴの熱気はライヴでしか味わえない──。ニューオーリンズ出身のトランペッター、クリスチャン・スコット(Christian Scott)の新作『Axiom』は、新型コロナ渦で休業を余儀なくされたブルーノート・ニューヨークで行われた彼らの休業前最後の演奏を収録したライヴアルバムだ。