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アフリカ音楽

  • 2024-06-23
  • 2024-06-23

モルナに魅せられたインド系ジャズシンガー、カヴィータ・シャー『Cape Verdean Blues』

インド系アメリカ人のシンガー、カヴィータ・シャー(Kavita Shah)がカーボベルデのサンヴィセンテ島に計7年間滞在して制作した『Cape Verdean Blues』。カーボベルデの伝統的な大衆音楽モルナに魅せられ、2014年のアルバム『Visions』でセザリア・エヴォラ(Cesária Évora, 1941 - 2011)の「Sodade」を歌った彼女が本格的にカーボベルデ音楽に取り組んだ作品で、同国の文化、とりわけセザリア・エヴォラという偉大な歌手への心からのリスペクトを感じさせる素晴らしいアルバムに仕上がっている。

  • 2024-06-10
  • 2024-06-10

ピアニスト/祈祷師ンドゥドゥーゾ・マカティニ、豊穣の女神に捧げる新作『uNomkhubulwane』

2020年に南アフリカ出身者として初めてブルーノート・レコードと契約を交わしたピアニスト/作曲家、ンドゥドゥーゾ・マカティニ(Nduduzo Makhathini)。以来国際的な知名度を高め、その南アフリカの民族的な響きと豊かな抒情性で注目を浴び続ける彼が早くも同レーベルからの3作目となるアルバム『uNomkhubulwane』をリリースした。

  • 2024-06-03
  • 2024-06-03

ソウルフルで壮大な音楽観が身体に魂に反響する。南アフリカの新世代SSW、ゾイ・モディーガ新作

すべてを抱擁するような、あたたかく美しい声と音楽だ。南アフリカのマルチ奏者/シンガーソングライターのゾイ・モディーガ(Zoë Modiga)の3rdアルバム『nomthandazo』。今作でもアコースティックとエレクトロニックのバランスの取れた洗練されたサウンドと、何よりも包容力のあるヴォーカルが彼女のスケールの大きさを物語っている。

  • 2024-03-28
  • 2024-03-28

新時代のジャズを探求する南アフリカのバンド Kujenga、セプテット編成の新譜『In the Wake』

南アフリカ・ケープタウンを拠点とする7人編成のジャズバンド、クジェンガ(Kujenga)。スワヒリ語で“構築する”を意味するバンド名を持つ彼らの2枚目のアルバム『In the Wake』がリリースされた。トランペット、トロンボーン、テナーサックスの3管や電化ギター、ベースなどよくあるジャズ編成ではあるものの、アフリカ南部のアイデンティティを感じさせる力強いサウンドがとても素晴らしいアルバムだ。

  • 2024-03-22
  • 2024-06-22

大洋を吹き、人々の営みを運ぶ風。現代的モルナの歌姫ナンシー・ヴィエイラ 新譜『Gente』

カーボベルデの島々を囲う大洋のように優しく深い歌声が魅力的な歌手ナンシー・ヴィエイラ(Nancy Vieira)。彼女の新作『Gente』(人々)は、カーボベルデの大衆音楽であるモルナを軸に、ブラジルのサンバ、ポルトガルのファド、カリブ海の音楽やジャズを混ぜ熟成させたような極上の滋味深い音楽に仕上がっている。「カーボベルデってどこ?モルナってどんな音楽?」…そういう方にこそ、ぜひ聴いてもらいたい。

  • 2024-03-12
  • 2024-03-12

グナワとジャズ、幸せな土埃の匂い…。イスラエルのゲンブリ奏者シャイ・ハザン新作『Wusul』

前作『Reclusive Rituals』でグナワやジャズ、ヒップホップの高度な融合を見せたイスラエルのゲンブリ奏者シャイ・ハザン(Shay Hazan)が新作『Wusul』をリリースした。アルバムタイトルはアラビア語表記で「وصول」、"到着"を意味する。中米から日本までの広範囲にわたる旅の中で接した異文化から大きなインスピレーションを得ており、アルバムには東京世田谷・下北沢をテーマにした(7)「Shimo Kitazawa」をはじめとした豊かな楽曲群が収録されている。

  • 2024-01-25
  • 2024-09-23

カメルーン系フランス人ラッパー James BKS、自身のルーツ“アフリカ”を探求する2部作

カメルーン系フランス人のラッパー/プロデューサー、ジェイムス・BKS(James BKS)のデビューアルバムである二部作『Wolves of Africa』は、アフリカン・ディアスポラである彼が多くのミュージシャンを迎えてそのルーツを探ろうとするアフリカ系ヒップホップの傑作だ。2022年にリリースされた『Part 1/2』、そして2023年リリースの第二弾『2/2』ともに素晴らしい内容で、ここでまとめて紹介したい。

  • 2024-01-18
  • 2024-01-18

モロッコ出身の巨匠ドラマー モクタル・サンバ、音楽の豊かな多様性への賛歌『Safar』

モロッコとセネガルにルーツを持ち、フランスで活動するドラマー、モクタル・サンバ(Mokhtar Samba)の新作『Safar』。キャリアの初期でエディ・ルイスに見出され、ジャコ・パストリアスのサポートを行い、その後スアド・マッシ、サリフ・ケイタ、ユッスー・ンドゥール、カルリーニョス・ブラウン、カルロス・サンタナ、ジョー・ザヴィヌルら多くの世界的音楽家とプレイしてきた1960年生まれの彼が今もなお音楽観をアップデートし続け、最先端でいることを証明する傑作だ。

  • 2023-12-20
  • 2023-12-19

ウブントゥの精神を体現する、南アフリカのジャズギター奏者ンコシ・ゾンドのピースフルなデビュー作『Bophelo Batho Pele』

南アフリカのギタリスト、ンコシ・ゾンド(Nkosi Zondo)のソロデビュー作『Bophelo Batho Pele』は、どこまでも素直で寛大で、愛の塊のような音楽だ。1986年に南アフリカ最大のタウンシップであるヨハネスブルグ市ソウェトの貧しい家庭に生まれた彼は2006年にファンダ・コミュニティ・カレッジ(Funda Community College)を卒業後、長い間、セッション・ミュージシャンとしてそれほど目立たずに活動してきた。

  • 2023-11-10
  • 2023-11-10

バリトンサックス、ベース、パーカッションの魅惑の地中海ジャズ・トリオ、Ava Trio

トルコ出身のベーシスト、エサット・エキンジョール(Esat Ekincioğlu)とイタリア出身のサックス奏者ジュゼッペ・ドロンゾ(Giuseppe Doronzo)、そしてスイス出身のパーカッション奏者ピノ・バシーレ(Pino Basile)によるアヴァン地中海ジャズ・トリオ、Ava Trio。ジャズのフォーマットに則りながら南欧、中東、北アフリカをぐるっと一周するような新鮮な音楽体験は唯一無二だ。

  • 2023-10-20
  • 2023-10-19

カーボベルデの歌姫ルーラ、色鮮やかな伝統と革新の新譜『MULTICOLOR』

カーボベルデの両親のもと、ポルトガル・リスボンに生まれたシンガーソングライター、ルーラ(Lura)。モルナやフナナ、バトゥーキといったカーボベルデの伝統音楽をベースにした彼女の音楽は同国の伝説的歌手の後継と期待され“ポスト・セザリア・エヴォラ”と称賛されてきたが、2023年の新作『MULTICOLOR』ではそうした伝統音楽のソダーデ(郷愁)を感じさせるエッセンスを残しつつ、現代的なサウンドへと進化を遂げた最先端のカーボベルデ音楽を聴かせてくれるものに仕上がっている。

  • 2023-10-17
  • 2023-10-17

躍動するグルーヴ、レユニオン音楽を現代にアップデートする女性SSWオリアーヌ・ラカイユ『iViV』

フランスのゾレオール(フランス人とクレオール人)のシンガーソングライター/打楽器/ウクレレ奏者、オリアーヌ・ラカイユ(Oriane Lacaille)の初のフルレンス・アルバム『iViV』がリリースされた。レユニオンのマロヤやセガといった伝統音楽をベースに、洗練された独自の創作性で築く音楽と言葉の冒険の世界が広がる。

  • 2023-10-09
  • 2023-10-09

欧州ジャズとアフリカ音楽の見事な融合。African Jazz Roots『Seetu』

欧州を代表するプログレバンド Magmaで活躍したドラマー/ピアニスト、シモン・グーベル(Simon Goubert)とセネガルのグリオの系譜のコラ奏者アブライエ・シソコ(Ablaye Cissoko)の二人によるプロジェクトが、これまでも強力なサポートを受けてきたピアニストのソフィア・ドマンシッチ(Sophia Domancich)そしてコントラバス奏者のジャン=フィリップ・ヴェレ(Jean-Philippe Viret)らを正式にメンバーとして迎え、バンド名:アフリカン・ジャズ・ルーツ(African Jazz Roots)として始動。