- 2021-12-31
- 2022-06-18
【連載】ネイティブ・タンの衝撃~①「ビート狂い」が世に送り出した、ストリート目線の“JAZZ”
本特集で真っ先に取り上げたいのが、このビートナッツ(Beatnuts)の歴史的クラシック『Street Level』(1994)。元々はラッパーではなくプロデューサーチームだったビートナッツが満を持して放った1stアルバムは、そのラップスキルはもちろんのこと、トラック使いも驚きに満ちたものだった。
本特集で真っ先に取り上げたいのが、このビートナッツ(Beatnuts)の歴史的クラシック『Street Level』(1994)。元々はラッパーではなくプロデューサーチームだったビートナッツが満を持して放った1stアルバムは、そのラップスキルはもちろんのこと、トラック使いも驚きに満ちたものだった。
米国のサックス奏者/作曲家デヴィッド・ビニー(David Binney)の2021年作『Aerial 2』は、ゲストにマーク・ジュリアナやアントニオ・ロウレイロといった現代ジャズを代表するミュージシャンたちを迎え、シンセを多用した繊細で広がりのある恍惚のサウンドが展開される。
フルート、チェロ、ドラムス/パーカッションという珍しい編成の米国シカゴのトリオ、アーティファクツ(Artifacts)の2ndアルバムとなる2021年新譜『…And then there's this』は、ジャズの遺産を継承しつつ音楽の無限の可能性へチャレンジをしている。
員で、シカゴのジャズシーンでも突出した存在感を示すコルネット奏者/シンガー/作曲家ベン・ラマー・ゲイ(Ben LaMar Gay)のソロ第二作目となる新譜『Open Arms to Open Us』は、世界中の音楽ファンに彼のその強烈に個性的な音楽を知らしめるための強力な武器となるだろう。
アメリカ合衆国フロリダ州のピアニスト/作曲家デイヴ・メーダー(Dave Meder)の2ndアルバム『Unamuno Songs and Stories』。ピアノトリオを中心に、数曲でトランペットのフィリップ・ディザック(Philip Dizack)、サックスのミゲル・ゼノン(Miguel Zenón)が参加した注目作品だ。
ジャズクラブ「バードランド」の名物司会者ピー・ウィー・マーケットの有名なMCで始まる(1)「A Slice Of The Top」を聴けば、この作品がジャズの歴史とともに歩んできたブルーノート・レコーズが積み重ねてきた大いなる遺産と、アメリカの音楽文化へのリスペクトであることがすぐに感じられて胸が熱くなる。
米国のベテラン・ピアニスト/作曲家、ピーター・マドセン(Peter Madsen)の新譜『Where There Was No Path』はなんとギタリスト6名を擁するなんともユニークな9人編成バンド“Six on Six Guitar Ensemble”!
今年のベスト・クリスマス・アルバム最有力候補が登場した。ノラ・ジョーンズ(Norah Jones)の新譜は初のクリスマス曲集。6曲ほどの自作/共作曲のほか、誰もが知る名曲も収録。デビュー以来変わらない優しく温かく包み込むような歌声とピアノを中心としたアコースティック・サウンドで聴く極上のクリスマス曲集となっている。
フロリダ州マイアミを拠点とする4人組の気鋭ジャズバンド、エレクトリック・キフ(Electric Kif)の新譜『Dreamlike』は、グルーヴィーでフィーリング満点の音響派ジャズだ。ゲストにはアーロン・パークス(Aaron Parks)も参加。
大世帯バンド、スナーキー・パピー(Snarky Puppy)を率いるベーシスト/マルチ奏者/作曲家のマイケル・リーグ(Michael League)の初ソロ作『So Many Me』は、そのタイトル通り全ての楽器やヴォーカルをマイケル・リーグ自身が担う、驚くほど内向きで、それでいてマーブル模様のように豊かな音が散りばめられたアルバムだ。
グラミー賞受賞作曲家/歌手のキャロライン・ショウ(Caroline Shaw)と、ブルックリンを拠点に活動する打楽器集団ソー・パーカッション(Sō Percussion)の共演作『Let the Soil Play Its Simple Part』はクラシックや現代音楽に分類されてはいるが、その範疇にとどまらない驚くべき作品だ。
イスラエル出身、ニューヨークで活動するピアニスト/作曲家のサーシー・シャローム(Sasi Shalom)の2021年新譜『Nedyaj』。これはかなり面白い作品だ。30年におよぶ長い活動歴を誇りながらもほぼ無名の音楽家による、現代のイスラエル製ニューヨーク・ジャズの的を射た優れた作品であることは間違いない。
シカゴ出身のヴォーカリスト、サシャル・ヴァサンダーニ(Sachal Vasandani)とフランス生まれのピアニストのロメイン・コリン(Romain Collin)、ともに現在はニューヨークで活躍する二人がコロナ禍で作り上げた“声とピアノ”の傑作『Midnight Shelter』。
米国のピアニスト、マーク・コープランド(Marc Copland)が2017年に逝去したギタリストの盟友“ジョンアバ”ことジョン・アバークロンビー(John Abercrombie)をトリビュートしたアルバム『John』は、マーク・コープランドらしい個性的な感性で綴られる豊かなハーモニーがこの上なく美しいソロ・ピアノ作品だ。