イスラエル発、新人クラリネット奏者&ピアニストのデビュー!超絶品デュオ『Allusions』

Hillai Govreen & Nitsan Kolko - Allusions

Hillai Govreen & Nitsan Kolko、素晴らしいデビュー作

イスラエル出身のクラリネット奏者ヒライ・ゴヴリーン(Hillai Govreen) と、ピアニストのニットサン・コルコ(Nitsan Kolko)のデュオ作『Allusions』。若い二人にとってのデビュー・アルバムだが、古代の寓話にインスパイアされた詩的なオリジナルの楽曲群、緻密なアレンジ、高度なテクニックに裏付けられた抒情的な演奏などはとても新人とは思えない質の高さを誇っており、聴けば聴くほど虜になる素晴らしい作品だ。

テーマの美しさもさることながら、とにかく表現力や即興演奏のセンスが抜群で、それぞれのソロ、二人の掛け合いなどアドリブパートが最高に面白い。美しく心理的な安心感のある演奏が根底にあり、時折はっとするような新鮮なフレーズが現れ、全体として適度な刺激がありずっと聴いていたくなるような音楽だ。
収録曲はジェローム・カーン(Jerome Kern)作曲の(6)「Long Ago and Far Away」を除き、全曲がヒライ・ゴヴリーンとニットサン・コルコの共作となっている。

中東的な11拍子の抒情詩(4)「The Cave」

現時点ではほとんど無名の二人だが、間違いなく伝統を受け継ぎつつ常に進化をするジャズのこれからを担う中心人物となっていくだろう。個人的にはヒライ・ゴヴリーンは次代のアナット・コーエン、そしてニットサン・コルコは次代のシャイ・マエストロになり得ると感じている。

今後の作品もわくわくしながら待っていたい。そんな嬉しい出会いのアルバムである。

Hillai Govreen プロフィール

クラリネットのヒライ・ゴヴリーンは6歳でクラシックピアノを弾き始め、12歳のときにクラリネットを手に取った。若くしてイスラエル交響楽団の首席クラリネット奏者を務めるなど才能を開花させ、高校時代を通じ4年連続でアメリカ-イスラエル文化財団から奨学金を得ている。2020年にニュースクールフォージャズとコンテンポラリーミュージックを優等で卒業し、現在はニューヨークとテルアビブを拠点にクラリネット/サックス奏者、作編曲家として活動している。
クラリネット、サックスは台湾メーカーのP.モーリア(P.Mauriat)を愛用。

Nitsan Kolko プロフィール

ピアニストのニットサン・コルコは1997年生まれ。現在はニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動。
アメリカ-イスラエル文化財団の奨学金を得て渡米し、サム・イエール、グレン・ザレスキ、シャイ・マエストロなどの指導の下ニュースクールを優等で卒業している。

(6)「Long Ago and Far Away」のティーザー動画。

Hillai Govreen – clarinet
Nitsan Kolko – piano

Hillai Govreen & Nitsan Kolko - Allusions
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