イタリアン・ジャズの美の極致。クラリネットや女性Voも素敵な至高のカルテット作

Nicola Angelucci - Changes

イタリアのドラマー、ニコラ・アンジェルッチ『Changes』

イタリアのドラマー/作曲家ニコラ・アンジェルッチ(Nicola Angelucci)の2021年作『Changes』は、良作が連発される近年のヨーロッパ・ジャズ作品の中でも特におすすめしたいアルバムだ。

カルテットのメンバーは現代のジャズクラリネットを代表するガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)と、ピアノとヴォーカルで才を発揮するドイツ出身のオリヴィア・トルンマー(Olivia Trummer)、そしてイタリアを代表するベーシストのルカ・ブルガレッリ(Luca Bulgarelli)。ドラマーのリーダー作ではあるものの、多くの曲で専任ヴォーカリスト顔負けのナチュラルな美声を聴かせるオリヴィアだったり、自由に“踊り歌う”クラリネットを吹くミラバッシが主役かと思うほどの叙情性の豊かな人間味溢れる演奏がぎっしりと詰まっている。

収録曲は全曲がニコラ・アンジェルッチのオリジナル。解釈の幅を持たせた楽曲を提供し、自由にアドリブさせつつ歌わせつつ、自身はリズム面で徹底的にサポートする姿は頼れる“縁の下の力持ち”。空間的な演出も多いドラミングは音楽が喚起する想像を広がらせる。

(2)「Tempo libero」のオリヴィア・トルンマーとのデュオ演奏動画。オリヴィアのスキャットは現代ジャズ的で美しい。

Nicola Angelucci – drums
Gabriele Mirabassi – clarinet
Olivia Trummer – piano, vocal
Luca Bulgarelli – contrabass

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