- 2022-07-05
- 2022-07-02
ドイツの才女オリヴィア・トルンマー、カート・ローゼンウィンケルらを迎えた傑作新譜
ドイツ出身のピアニスト/ヴォーカリスト、オリヴィア・トルンマー(Olivia Trummer)の2022年新譜『For You』。冒頭、ウーリッツァーピアノがレトロお洒落な風情の(1)「Thirsty in the Bathtub」から傑作を確信する素晴らしい一枚だ。ギタリストのカート・ローゼンウィンケル、トランペッターのファブリツィオ・ボッソも参加。
ドイツ出身のピアニスト/ヴォーカリスト、オリヴィア・トルンマー(Olivia Trummer)の2022年新譜『For You』。冒頭、ウーリッツァーピアノがレトロお洒落な風情の(1)「Thirsty in the Bathtub」から傑作を確信する素晴らしい一枚だ。ギタリストのカート・ローゼンウィンケル、トランペッターのファブリツィオ・ボッソも参加。
ベルリンを拠点に活動するピアニスト/トランペッター/作曲家のStudnitzky | KY ことセバスチャン・スタディニツキー(Sebastian Studnitzky)の新譜 『Nocturnal』は、数曲でパーカッション奏者を迎えていることを除き、全てのパートを彼一人で作り上げた内省的なジャズ/現代音楽作品だ。
イタリアのクラリネット奏者ガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)とアコーディオン奏者のシモーネ・ザンキーニ(Simone Zanchini)による初デュオ作品『Il Gatto E La Volpe』は、リード楽器同士の繊細で豊かな音楽を存分に味わえる傑作だ。それぞれの楽器で世界的なマエストロとして知られる二人の演奏はどこまでも美しい。
ルーマニアにルーツを持ち、イタリア/ドイツ国籍、現在はスイスを拠点に活動するSSW、フランチェスカ・ガザ(Francesca Gaza)の3枚目のアルバム『Sfiorire』がリリースされた。プロデューサーはイタリアを代表するトランペット奏者のパオロ・フレス(Paolo Fresu)。クラシック、現代音楽、ジャズ、エレクトロ・ミュージックなど幅広い影響を受けた芸術性の高い音楽で、オクテット編成の繊細かつ時に大胆なアンサンブルも素晴らしい。
フランスの気鋭トランペッター、アントワーヌ・ベルジュー(Antoine Berjeaut)が自身の新譜『Chromesthesia』をリリースした。各プレイヤーもアンサンブルも複雑なことをやっていながら、アルバム全体の温度感は低め。有機的なリズムなのに、どこか無機質的な印象も受ける。この不思議な感覚もフランスの前衛ジャズらしい。
マケドニアにルーツを持ち、独学でベースやヴィオラ、マンドリン、パーカッション、ヒューマンビートボックスなどをマスターしたフランスの音楽家ストラショ・テメルコフスキー(Stracho Temelkovski)のデビュー作『The Sound Braka』。40歳を越えてのデビューアルバムは、今まで広く明らかにされていなかったその卓越した才能を世界に知らしめる驚異的なアルバムだ。
フランスを代表するジャズ・クラリネット奏者ルイ・スクラヴィス(Louis Sclavis)が、チェロ2台とパーカッションという意欲的なカルテットで録音した2022年新譜『Les Cadences du Monde』。前衛的な室内楽といった形容が相応しい、美しく芸術的な音楽だ。
ピアノ奏者ジョヴァンニ・ミラバッシ(Giovanni Mirabassi)とヴィブラフォン奏者クリストス・ラファリデス(Christos Rafalides)のデュオ作品『Silver Lining』。アルバムタイトルのシルヴァーライニングとは空を覆う暗雲の縁の、裏側から太陽の光があたって銀色に輝く部分を差し、比喩的には“困難な状況下での希望の光”といった意味を持つが、ピアノとヴィブラフォンのみで演奏される彼らの音楽はまさしくそんな状況を的確に表している。
作曲とヴォーカルを担うロレダナ・グリマウド(Loredana Grimaudo)とDJ&プロデューサーのロベルト・コスタ(Roberto Costa)率いるイタリア・シチリア島発のスウィングロワーズ(Swingrowers)の2021年末リリースの新譜『Hybrid』は、1920年代のスウィングジャズと近年のEDMの融合であるエレクトロ・スウィングのシーンの中でもとりわけクオリティの高い作品だ。
70歳を越えた今もなお美しい新曲を書き続け、膨大なディスコグラフィをすごい勢いで拡張し続けるヨーロッパ随一の巨匠ピアニスト/作曲家エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)のピアノトリオによる新譜『Something Tomorrow』。美しく抒情的な楽曲群、その一方で鋭くグルーヴする演奏も聴かせるなどピエラヌンツィの音楽の真髄を捉えた作品になっている。
オーストリア生まれのピアニスト、ダヴィッド・ヘルボックと、フランス生まれYouTube育ち(?)のジャズ・ヴォーカリスト、カミーユ・ベルトーのデュオアルバム『Playground』。一見するとピアノと女性ヴォーカルというよくあるデュオのフォーマットだが、そこはユニークな個性と経歴を持つこの二人だからこそ成し得た、非常に特色のある作品に仕上がっている。
イタリア・ナポリのディスコファンクユニット、ニュー・ジェネア(Nu Genea)の4年ぶり新譜『Bar Mediterraneo』。シンセやベース、ギターのカッティングが効いたディスコ・ファンクを基幹に、南イタリアやアフリカ、中東、南ヨーロッパのさまざまな民族音楽が組み合わさり誕生したサウンドは懐かしさもあり、何よりも心を躍らせる。
スペイン・カタルーニャのSSW、リア・サンパイ(Lia Sampai)がギタリスト/アレンジャーのアドリア・パジェス(Adrià Pagès)とともに作った2nd『Amagatalls de Llum』が素晴らしい。カタルーニャの歌手特有の繊細で圧倒的な歌唱表現力と、ガットギターの柔らかな響きが相まってなんとも深みのある味わいの音楽に。
イタリアのベーシスト/作曲家ヤコポ・フェラッツァ(Jacopo Ferrazza)の新譜『Fantàsia』は、一般的なピアノトリオに加え女性ヴォーカルやチェロ、ライヴ・エレクトロニクスも加えたスケールの大きな作品だ。