- 2023-08-25
- 2023-08-25
ブエノスアイレスの新星ギタリスト、イヴォ・マッツェオ。ジャズへの深い愛情を湛えたデビュー作
アルゼンチン・ブエノスアイレスのギタリスト/作曲家イヴォ・マッツェオ(Ivo Mazzeo)のデビュー作『Dualidad』。アルゼンチンを代表するピアニスト、エルナン・ハシント(Hernán Jacinto)の新トリオをバックにストレートアヘッドなフォービートから南米らしく洗練された歌心を聴かせるものまで、優れたギタージャズを展開する好盤だ。
アルゼンチン・ブエノスアイレスのギタリスト/作曲家イヴォ・マッツェオ(Ivo Mazzeo)のデビュー作『Dualidad』。アルゼンチンを代表するピアニスト、エルナン・ハシント(Hernán Jacinto)の新トリオをバックにストレートアヘッドなフォービートから南米らしく洗練された歌心を聴かせるものまで、優れたギタージャズを展開する好盤だ。
フランスの新世代ドラマー、ピエール・モンジャール(Pierre Mangeard)のデビュー作『Lemedouai』はなかなかに強烈だ。ファンキーでソリッドなドラミング、ヒップホップから強い影響を受けたMC。クインテット編成のバンドはジャジーで洒脱。エネルギーに満ちた陽気で楽しいショウは聴いていて気持ちが良い。
ブラジルが生んだ偉大な作曲家/ピアニスト/ギタリスト、エグベルト・ジスモンチ(Egberto Gismonti)。最高に美しい曲を書き、ピアノと多弦クラシックギターを圧倒的なテクニックで弾きまくり、誰も真似のできない個性を持つ世界最高のアーティストのひとり。そんな彼の作品の中でも、特にその異才が際立つアルバムが1986年の(ほぼ)ソロピアノのアルバム『Alma』だ。
パンデミックが最高潮に達した頃、ともにニューヨーク・マンハッタンに住む二人のピアニスト、エイタン・ケネル(Eitan Kenner)とナタリー・テネンバウム(Natalie Tenenbaum)はInstagramを通じてお互いの活動を知り、2020年8月に交際を開始した。ジャズ/プログレ畑のエイタンと、クラシック畑のナタリーだったが、二人はすぐにイスラエル・テルアビブの同じ高校の出身だということに気づき、それだけでなく音楽や黒人教会への同じ情熱を持っていることを知った。
トルコ出身・ドイツ在住のピアニスト、エダ・アンド(Eda And)。彼女のデビュー作『Augmented Life』(2018年)は、そのタイトル“拡張された人生”が示すとおり、トルコの民族音楽や西洋のクラシック音楽を大胆に取り入れつつもジャズの魅力を損なわない優れた作品だ。全7曲中、フレデリック・ショパンの「幻想即興曲」を下敷きに彼女がアレンジした(5)「Jazz Fantasie」を除くすべてがエダ・アンドの作曲。
ジョージア州アトランタ出身、ニューヨークで活動するピアニストのジョー・アルターマン(Joe Alterman)による初のソロピアノ作品『Solo Joe: Songs You Know』は、オーソドックスだが、だからこそ心地良い音が詰まった絶品のアルバムだ。全15曲はどれもが英語圏の有名な歌のカヴァーで、聴いたことがある曲も多いはず。
米国のトランペット奏者アンブローズ・アキンムシーレ(Ambrose Akinmusire)が自身のレーベルからリリースした新作『Beauty is Enough』は、現代ジャズ最高峰のトランペッターの“独り言”、つまり完全なソロ・トランペットのアルバムだ。特殊な奏法も駆使しつつ瞑想的に奏でられる全16曲は、トランペットという楽器が持つ無限の魅力に気付かせてくれる。
アラブ音楽やアンダルシア音楽に精通するモロッコ出身のウード奏者/作曲家モハメド・アハダフ(Mohamed Ahaddaf)の通算4枚目のアルバム『Ana W'inta』がリリースされた。2019年に加入した中東や北アフリカ音楽を専門とするオランダ・アムステルダム拠点のマルムーシャ・オーケストラ(Marmoucha Orchestra)とともに作り上げた作品で、15人ほどの豊かなアンサンブルで個性的なアラビック・ジャズを聴かせてくれる興味深い作品だ。
ニューヨークのサックス奏者、レイクシア・ベンジャミン(Lakecia Benjamin)の2023年1月リリースの新譜『Phoenix』。プロデューサーにテリ・リン・キャリントン(Terri Lyne Carrington)を迎え、さらにジョージア・アン・マルドロウ(Georgia Anne Muldrow)やダイアン・リーヴス(Dianne Reeves)といったゲストも参加した渾身の作品だ。
チリの打楽器奏者ルイス・バルエト(Luis Barrueto)、ブラジルのフルート/クラリネット奏者アリーネ・ゴンサウヴェス(Aline Gonçalves)、そしてペルーのギタリストのセルヒオ・バルデオス(Sergio Valdeos)による潤いのあるアコースティック・アンサンブル『Dímelo』。トリオによって生み出される音は複雑なアレンジと演奏をシンプルに届けてくれる。
現代の南アフリカのジャズシーンにおいて既に最も重要な鍵盤奏者として位置付けられているボカニ・ダイアー(Bokani Dyer)。彼の出身である南部ソト語で“社会”、“国家”を表す「Sechaba」という言葉をタイトルに冠した新作『Radio Sechaba』で、南アフリカとはなにか、という社会的なテーマに対し多様なアプローチで解釈を示してゆく。
アンダルシア、北アフリカ、中東といった地中海を取り囲む地域の豊かな伝統音楽と西洋のクラシック音楽がジャズという言語のもと、最高のレベルで出会った作品と言っても過言ではないだろう。イスラエル出身、オランダ・アムステルダムを拠点に活動するアヴィシャイ・ダラシュ(Avishai Darash)が、彼が芸術監督を務めるマルムーシャ・オーケストラ(Marmoucha Orchestra)を率いて録音したアルバム『Andalusian Love Song』。それぞれ出自の異なる15名の個性的な音楽家たちによる祝祭の饗宴。
Funk、Jazz、HipHop、R&B、アフロビート…様々な音楽をジャンルレスに横断し、その独特のグルーヴで唯一無二の存在感を放つマルチアーティスト/ベーシスト、ミシェル・ンデゲオチェロ(Meshell Ndegeocello)が今年ブルーノートから新作を発表した。本稿では多様なンデゲオチェロの作品群を改めてフィーチャー。デビュー30周年を迎える彼女のキャリアを振り返るとともに、これから彼女の音楽に触れる人は是非自分だけのお気に入りの一枚を見つけて欲しい
ワールドワイドに音楽を吸収し、現代ジャズ界で活躍する二人の音楽家──アルメニア出身のピアニスト/作曲家ヴァルダン・オヴセピアン(Vardan Ovsepian)と、韓国出身の歌手ソン・イ・ジョン(Song Yi Jeon)によるデュオ作『Lawless Heart』が届いた。最小限の編成ながら、リズムとハーモニーを高いレベルで追求する二人による圧巻の表現力と、その限りなく透明な美しさに心を動かさせる作品だ。