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サンバ

  • 2024-08-09
  • 2024-08-10

生粋の天才サンビスタ、ニルジ・カルヴァーリョ 音楽や人生への限りない愛に満ちた久々の新作

ブラジルの天才音楽家ニルジ・カルヴァーリョ(Nilze Carvalho)。芸歴45年を迎えた彼女が久々の新譜『Nos Combates da Vida』をリリースした。ほとんどの曲でヴォーカルとカヴァキーニョを弾き、生粋のサンビスタとしての強かな生き様を静かに見せてくれる素晴らしい作品に仕上がっている。呼吸をするように楽器を弾き、声だけでなく体中で音楽を表現する。その姿はあまりに自然で、まるで体の中から音楽が溢れ出しているかのように思える。

  • 2024-08-01
  • 2024-08-01

ホジェリオ・タヴァレス、優美なチェンバー・ジャズで歌うシコ・ブアルキ作品集

イタリアを代表するジャズ・レーベルであるEGEAより、ブラジル出身でイタリアを拠点に活動するシンガー、ホジェリオ・タヴァレス(Rogerio Tavares)の新譜『Assentamento』がリリースされた。本作はブラジルを代表する音楽家であるシコ・ブアルキ(Chico Buarque, 1944 - )の楽曲のカヴァー集となっており、ブラジルが誇る珠玉のメロディーと、イタリアが誇る室内楽ジャズの幸せな融合だ。

  • 2024-06-02
  • 2024-06-02

どうしようもなくクレイジーな異端サンバジャズ。鬼才アントニオ・ネヴィス『Deixa Com a Gente』

ブラジルのトロンボーン/ドラムス奏者アントニオ・ネヴィス(Antônio Neves)が新作『Deixa Com a Gente』をリリースした。ある種の狂気やカオスを感じさせた前作『A Pegada Agora É Essa (The Sway Now)』の要素もほのかに残しつつ、全体的にはサンバやショーロの感覚が大幅に強化された作品となった。

  • 2024-04-23
  • 2024-04-23

リオのSSWベルナルド・ヂニス、詩人パウロ・セザール・ピニェイロと共作の穏やかな歌曲集

ブラジル・リオデジャネイロのSSW、ベルナルド・ヂニス(Bernardo Diniz)が初のソロ名義のアルバムとなる『Saída de Casa』をリリースした。これまでにイアラ・フェレイラ(Iara Ferreira)との『Bené e Iaiá』(2015年)、ロナウド・ゴンサウヴェス(Ronaldo Gonçalves)との『O Samba Vai Durar』(2017年)とデュオ名義で作品をリリースしているが、今作はブラジルを代表する詩人パウロ・セザール・ピニェイロ(Paulo Cesar Pinheiro)との共作で10曲のオリジナルを収録。

  • 2024-02-20
  • 2024-02-19

人気サンビスタ・ソンブリーニャ、早逝の社会派SSWゴンザギーニャへのトリビュート作

人気パゴーヂ・バンド、フンド・ヂ・キンタウ(Fundo de Quintal)の初期メンバーのひとりであり、絶大な人気を誇る歌手/作曲家/弦楽器奏者ソンブリーニャ(Sombrinha)の新譜『Viver Gonzaguinha』は、その名の通りブラジル音楽を代表するSSWゴンザギーニャ(Gonzaguinha, 1945 - 1991)への愛情溢れるトリビュート作品だ。

  • 2024-01-22
  • 2024-01-22

プリミティヴな“サウダーヂ”を体現するベルリンの多国籍バンド、A Panda do Sol『Homenagem』

フランス、ブラジル、ポルトガル、コロンビア、ドイツ出身の男女で構成され、ベルリンを拠点に活動するブラジル音楽グループ、ア・パンダ・ド・ソル(A Panda do Sol)はブラジル外に在りながらエモーショナルなサウダーヂ感に溢れた素晴らしいサンバを奏でるバンドだ。ギタリスト/SSWのフェリックス・ユエ(Félix Huet)を中心に2016年に結成された彼らの現時点の最新作『Homenagem』(2022年)は、ブラジルでサンバという素晴らしい音楽を築き上げてきた作曲家たちへの深い愛情が伝わる温かな作品となっている。

  • 2023-11-26
  • 2023-11-26

ファビアーナ・コッツァ、ネイ・ロペスの新曲を歌う! サンバの伝統美が満載の新譜『Urucungo』

ブラジルを代表するサンバ歌手ファビアーナ・コッツァ(Fabiana Cozza)が、同じく伝説的サンビスタで今年80歳になるリオデジャネイロ出身の作曲家ネイ・ロペス(Nei Lopes)の新曲を歌ったアルバム『Urucungo』をリリースした。アルバムには7弦ギタリストのジアン・コヘアやバンドリン奏者エンリケ・アラウージョといった現在のブラジル音楽シーンを代表する若手のほか、ゲストでイレッシやギンガなども参加し正統派のサンバ・アルバムとして圧倒的なクオリティの作品に仕上がっている。

  • 2023-11-19
  • 2023-11-19

詩人ヴィニシウス・ヂ・モライスが築いた世界の軌跡を辿る。孫娘マリアナ・ヂ・モライス新譜『Vinicius de Mariana』

偉大な詩人ヴィニシウス・ヂ・モライスを祖父に持つブラジルの歌手マリアナ・ヂ・モライス(Mariana de Moraes)が自ら選曲したヴィニシウス作品集『Vinicius de Mariana』がリリースされた。祖父の詩と、バーデン・パウエル、エドゥ・ロボ、シコ・ブアルキ、カルロス・リラ、そしてジョビンやピシンギーニャといった作曲家たちによる素晴らしい楽曲たちを生前のジョアン・ドナートらによる豊かなアレンジで新たに蘇らせている。

  • 2023-08-26
  • 2023-08-26

ベベウ・ジルベルトが亡き父ジョアンに捧げる無限の愛情。新作の題は『João』、父が愛したサンバ集

ジョアン・ジルベルト(João Gilberto, 1931 - 2019)とミウシャ(Miúcha, 1937 - 2018)の間に生まれた歌手ベベウ・ジルベルト(Bebel Gilberto)が、ついに父が愛したサンバを歌った。1966年生まれの彼女は最初のアルバムを録音して以降、一度も父がレパートリーにしていた曲を歌ったことがなかったという彼女の新作『João』は、その明瞭なタイトルの通り、レジェンドである父親へのオマージュだ。

  • 2023-05-21
  • 2023-05-20

サンバやショーロの美しい結晶。クラウヂオ・ジョルジ&ギンガ、燻銀の初デュオ作

クラウヂオ・ジョルジ(Cláudio Jorge)とギンガ(Guinga)。ブラジル音楽界における二人の個性的な実力者によるデュオ・アルバム『Farinha do Mesmo Saco』が登場した。ともにリオデジャネイロ出身、年齢もほぼ同じ二人は50年ほど前、ジョアン・ノゲイラのアンサンブルで知り合ったが、その共演はごく短いもので、以来二人が切望していた再会と共演がついに叶った形の作品だ。

  • 2023-05-03
  • 2023-05-03

ジョアン・ジルベルト 1998年のライヴ音源が2枚組でリリース!ボサノヴァの真髄に触れる2時間

ボサノヴァの創始者であり、サンバの再発明者。ブラジルが生んだ“神様”ジョアン・ジルベルト(João Gilberto)の未発表ライヴ音源を2枚組アルバムにまとめた『Relicário: João Gilberto (Live at Sesc 1998) 』がリリースされた。延々とリピート再生し、空間が彼の歌とギターで満たされると、あらためて彼の音楽は彼以外の何者にも真似することのできない唯一無二のものなのだと強く思う。

  • 2023-04-03
  • 2023-04-02

鬼才SSWアドリアーナ・カルカニョット、孤高の深淵と美学を感じさせる新作『Errante』

ブラジルを代表する鬼才SSW、アドリアーナ・カルカニョット(Adriana Calcanhotto)の新譜『Errante』がリリースされた。人生や社会について鋭い視点で切り込むシリアスな作品が続いていた彼女だが、今作のジャケットには笑顔の写真が。だが、アルバムのタイトルは“徘徊”あるいは“放浪”の意味で、やはり今作も一筋縄ではいかない作品に仕上がっている。

  • 2023-03-24
  • 2023-03-24

カエターノやBala Desejoも参加!北東部音楽フレーヴォを世界に発信する一大プロジェクト

ブラジル北東部に根付く音楽とダンス、フレーヴォを“一地域のお祭りの音楽に留めず、世界に発信したい”と始まったプロジェクト、Frevo do Mundo が満を持して復活。カエターノ・ヴェローゾやCéu、Bala Desejoなどブラジルを代表する音楽家たちが参加し血湧き肉躍るカルナヴァルを展開!

  • 2023-03-20
  • 2024-07-07

イスラエル発の極上ショーロ! ブラジルから最高の音楽家も参加したChorolêの新作

フルート/アコーディオン奏者/作編曲家サリット・ラハヴ(Salit Lahav)率いるイスラエルのショーロ・アンサンブル、ショローレ(Chorolê)の新作『Encontros』。ほとんどはブラジルのショーロのカヴァーで、ショーロとしてはオーソドックスな編成に、即興ではジャズのアプローチをしっかりと持ち込んだ極上のアルバムになっている。