- 2020-08-10
- 2020-08-10
公民権運動からBLM運動へと続く米国の“伝統的”社会への想いを発露させた、新世代サックス奏者デビュー作
米国の新鋭アルトサックス奏者、イマニュエル・ウィルキンス(Immanuel Wilkins)が自身初リーダー作となる『Omega』をブルーノートからリリースした。この作品は20世紀の公民権運動から、今まさに社会問題になっているBlack Lives Matter運動へと連なる米国社会の複雑な問題に対するこの若きサックス奏者の感情の吐露だ。
米国の新鋭アルトサックス奏者、イマニュエル・ウィルキンス(Immanuel Wilkins)が自身初リーダー作となる『Omega』をブルーノートからリリースした。この作品は20世紀の公民権運動から、今まさに社会問題になっているBlack Lives Matter運動へと連なる米国社会の複雑な問題に対するこの若きサックス奏者の感情の吐露だ。
フランスのサックス/フルート奏者ソフィー・アルール(Sophie Alour)の2020年新譜『Joy』は、エジプトのウード奏者モハメド・アボゼクリ(Mohamed Abozekry)を迎えて創作した良質エキゾ・ジャズ。
ダニ&デボラ・グルジェル・クアルテート(DDG4)での活躍や、若く優れた音楽家を支援するプロジェクトなど、ブラジル・サンパウロのジャズ周辺の現行音楽シーンの中心人物であるダニ・グルジェル(Dani Gurgel)の新しいプロジェクト「São Paulo Panic」。ジャズという共通言語のもと、国籍を超え集まった猛者たちの素晴らしくクリエイティヴな作品。
これは現在に至るまで、私の音楽観の原点のようになっているアルバムのひとつ。キース・ジャレット(Keith Jarrett)が北欧のミュージシャンとのカルテットで1978年に発表した『My Song』。
エルメート・パスコアールの愛弟子イチベレ・ズヴァルギ(Itibere Zwarg)のグループ出身、現在は複数のプロジェクトに参加しブラジル器楽シーンの要となっている木管楽器奏者、ジョアナ・ケイロス(Joana Queiros)の新譜『Tempo Sem Tempo』。コロナ禍の自粛生活の中でより自身の感覚が研ぎ澄まされたという彼女の深い内面世界を写し出したようなスピリチュアルな音楽。
ポーランドのピアニスト、マルチン・ボシレフスキ(Marcin Wasilewski)の音楽に20年ぶりに再会した。これは少々個人的な音楽の記憶。
ジョシュア・レッドマン、ブラッド・メルドー、クリスチャン・マクブライド、そしてブライアン・ブレイドという伝説級メンバーによる新録『RoundAgain』がリリースされた。四半世紀ぶりの最強カルテットに時の流れの残酷さ(頭髪的な意味で)といつまでも色褪せない音楽の喜びをみた。
ロシアを代表するビッグバンド「Igor Butman Moscow Jazz Orchestra」のソリストでもある、注目の若手サックス奏者アザト・バヤジトフ(Azat Bayazitov)が2作目となるアルバム『The Doors Are Open』をリリースした。
アサヒビールのポスターを背景に、箸で寿司をつまむ5人がアルバムジャケットに描かれている。彼らの名はホルスト・ハンセン・トリオ(Horst Hansen Trio)。1960年代のドイツで活躍したホルスト・ハンセンという名の伝説的トランペッターが創立したトリオの遺志を受け継いで活動するバンドに対して、「5人なのになんでトリオやねん!」とツッコむのは今さらナンセンスかもしれない。
フランスのサックス奏者、ステファン・スピラ(Stéphane Spira)と、イタリア出身でパリを拠点とする人気ピアニスト、ジョヴァンニ・ミラバッシ(Giovanni Mirabassi)が2009年のデュオ作『Spirabassi』以来の共演を果たした。特筆すべきは後半の4曲だ。
「不可逆的なもつれ」という哲学的なバンド名を持つ、即興集団イリヴァーシブル・エンタングルメンツ(Irreversible Entanglements)の新譜『Who Sent You?』。これは間違いなくかっこいい!
『Love Is Everywhere』はフランスのサックス奏者、ローラン・バルデーヌ(Laurent Bardainne)の新プロジェクト、Tigre d'Eau Douce のデビュー作。各々が派手なソロをとるでもなくグルーヴに徹したバックバンドにのせて、ブリブリと吹きまくるローラン・バルデーヌのサックスはコルトレーンやサン・ラの音楽のようにスピリチュアルだ。
アゼルバイジャンを代表するジャズミュージシャン、レイン・スルタノフ(Rain Sultanov)、イスファール・サラブスキ(Isfar Sarabski)とスウェーデン出身のニルス・オルメダル(Nils Olmedal, b)のトリオによる新譜『Influence』は、北欧的な静けさと美しさを内々に讃えた極めて抒情的なジャズ作品だ。
ウォルター・スミス3世(Walter Smith III)の新譜『In Common 2』は、2018年の前作『In Common』の続編。新たにミカ・トーマス(Micah Thomas, p)、リンダ・オー(Linda Oh, b)、ネイト・スミス(Nate Smith, ds)が加わっている。クソジャケだが、中身は最高に現代的なジャズである。