- 2024-02-10
- 2024-02-10
現代最高峰のクレオール・ジャズ。グレゴリー・プリヴァ、不死鳥の伝説にインスパイアされた新作
並外れたジャズピアニストであり、カリブ海のクレオール文化の伝道師でもあるグレゴリー・プリヴァ(Grégory Privat)。現代ジャズのシーンにおいても唯一無二の存在感を発揮する彼の新作『Phoenix』は、彼の音楽的創造性の集大成であり、おそらくはキャリアハイの作品なのではないだろうか。
並外れたジャズピアニストであり、カリブ海のクレオール文化の伝道師でもあるグレゴリー・プリヴァ(Grégory Privat)。現代ジャズのシーンにおいても唯一無二の存在感を発揮する彼の新作『Phoenix』は、彼の音楽的創造性の集大成であり、おそらくはキャリアハイの作品なのではないだろうか。
ペルナンブーコ州の田舎町サン・ベント・ド・ウナ(São Bento do Una)で1946年に生まれ、幼い頃に家族で州都レシーフェに引っ越したアルセウ・ヴァレンサ(Alceu Valença)は、幼少期に家の前を通りレシーフェの中心部に向かうカルナヴァルのブロコをよく記憶している。彼の家の右側にはフレーヴォの巨匠ネルソン・フェレイラがおり、左側にはペルナンブーコを代表する詩人カルロス・ペナ・フィーリョが住んでいた。
シベリアの先住民族チュリム族の人々らによって構成され、彼らの伝統楽器と歌唱法を西洋音楽やEDMと結びつけた注目のグループ、オティケン(Otyken)。2023年の新譜『Phenomenon』は、彼らが守ろうとする伝統文化を、世界の人々が最も興味を持つであろう形で発信した稀有な作品だ。
フランス、ブラジル、ポルトガル、コロンビア、ドイツ出身の男女で構成され、ベルリンを拠点に活動するブラジル音楽グループ、ア・パンダ・ド・ソル(A Panda do Sol)はブラジル外に在りながらエモーショナルなサウダーヂ感に溢れた素晴らしいサンバを奏でるバンドだ。ギタリスト/SSWのフェリックス・ユエ(Félix Huet)を中心に2016年に結成された彼らの現時点の最新作『Homenagem』(2022年)は、ブラジルでサンバという素晴らしい音楽を築き上げてきた作曲家たちへの深い愛情が伝わる温かな作品となっている。
ユーロビジョン・ソングコンテストの最高得点記録保持者として著名なポルトガル出身のSSW、サルヴァドール・ソブラル(Salvador Sobral)の4枚目のアルバム『TIMBRE』は、彼の持ち味である柔和な歌声がジャズの影響を受けた美しいサウンドに馴染む、とても良質な音楽作品だ。
1994年カタルーニャ生まれのシンガーソングライター/ギタリストのラウ・ノア(Lau Noah)が世界中のトップミュージシャンとのコラボレーションを収録した新譜『A Dos』をリリースした。世代も国籍も違うゲストたち──ジェイコブ・コリアー、ホルヘ・ドレクスレル、シルビア・ペレス・クルス、クリス・シーレ、セシル・マクロリン・サルヴァント、サルヴァドール・ソブラルなどが参加した美しい傑作。
1990年代後半に結成され、スパニッシュ・ミクスチャーのムーヴメントを牽引したバンド、アンパラノイア(Amparanoia)。2008年に一度は解散したが、2017年に再結成。2枚のアルバムをリリースし、そして結成25周年を迎える2022年にはスタジオでブラスバンドのアルティスタス・デル・グレミオ(Artistas del Gremio)と初めて出会った。
ジプシー音楽(ロマ音楽)を揺るぎない軸とし、ヒップホップやレゲエ、フラメンコ、ジャズなどを独自の感性でミックスしカルトな人気を得てきたフランスのバンド、ラ・キャラバン・パス(La Caravane Passe)が結成20周年という節目の2023年にリリースした新譜『Hôtel Karavan』は、彼らの集大成ともいうべき必携の作品だ。
ブラジル・ミナスの3人の男性シンガーソングライター、ナナン(Nãnan)、ルイスガ(Luizga)そして グスタヴィート(Gustavito)が共演した2023年作『O Destino do Clã』。3人の美しいハーモニー、ナイロン弦ギターとゆったりとグルーヴを生むベース、空間を演出するパーカッションによる極上のアンサンブル。
スペイン・バルセロナのシンガーソングライター/歌手アルバ・カルモナ(Alba Carmona)。伝統的なフラメンコ歌手としての教育を受け、人気歌手シルビア・ペレス・クルス(Sílvia Pérez Cruz)が初期のキャリアを築いたヴォーカル・グループであるラス・ミガス(Las Migas)にシルビア脱退後の2011年に加入し2018年まで在籍した彼女のソロとしては2ndアルバムとなる『Cantora』は、フラメンコを基調とした超良質な作品だ。
アルゼンチン・ブエノスアイレスを拠点とするネオソウル・バンド、NAFTAの2ndアルバム『NAFTA II』が良い。ファンクを基調とした重いグルーヴに男女ヴォーカル、ジャジーな鍵盤や木管、サウンドを随所で彩る見事なアレンジのストリングス。スペイン語で歌われることを除けば所謂“南米らしさ”はほとんどないが、世界を見渡してもこれほど良質なソウル系のバンドはなかなかいない。
バルセロナの女性二人組ユニット、アラル(ARAR)のデビュー作『Arar』は、ガットギターとサックスを中心とした温かみのあるサウンドに、二人によるコーラスが優しく溶け込むとても穏やかで素敵な作品だ。グループ名でありアルバム・タイトルでもあるararとは、カタルーニャ語で“耕す”、つまり種を蒔くために大地を掘り返し、豊かな作物が実る土壌をつくることを意味する。
アルゼンチンの気鋭作曲家/歌手ソエマ・モンテネグロ(Soema Montenegro)は、4年ぶりのスタジオ・アルバムとなる新作『CIRCULO RADIANTE』で、“詩人のシャーマン”と形容される独特の感性を驚くべき完成度の高さで披露する。南米のジャングルなどの自然から得たインスピレーションと、人間が持つ叡智と技術の結晶が融合した個性的な音楽に魅了される素晴らしいアルバムだ。
音楽への情熱や、その才能は親から子へと代々受け継がれていくものらしい。YouTubeの投稿から一躍人気歌手となったフランスのカミーユ・ベルトー(Camille Bertault)の音楽への情熱は、音響技師であり、クラシックを学びジャズを愛好したアマチュアのピアニストである父ポール・ベルトー(Paul Bertault)による幼少期からの指導によって育まれていった。