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ヴォーカル

  • 2022-10-31
  • 2022-10-30

北欧のサックス/SSW新星、ヨハンナ・リネア・ヤコブソンのデビュー作『Alone Together』

1991年デンマーク生まれ、現在はスウェーデンを拠点に活動するサックス奏者/作曲家/歌手のヨハンナ・リネア・ヤコブソン(Johanna Linnea Jakobsson)のデビュー作『Alone Together』。自身のオリジナルのほか、(1)「Alone Together」や(6)「Stolen Moments」といった不朽の名曲のカヴァーを、儚げでしっとりとしたヴォーカルと思慮深く美しいアルトサックスで丁寧に描き上げた素敵な作品となっている。

  • 2022-10-30
  • 2022-10-28

ソマリアにルーツを持つUK新星SSWサーラ・グー。豊かな文化的感性が生み出す注目の新作

ドイツ人でクリスチャンで白人の母と、ソマリア人でムスリムで黒人の父との間にベルリンで生まれ、現在はUKで活動するシンガーソングライター、サーラ・グー(Sahra Gure)が素晴らしい。2022年に2作目となる新作EP『Stolen Moments』をリリース。新作ではサウンドもソングライティングもますます洗練されており、R&Bやネオソウル、ジャズの混淆であり適度にキャッチー&ポップな感性は、あらためて新世代の最注目音楽家であることを知らしめる。

  • 2022-10-29
  • 2022-10-28

ハファエル・ドゥトラ、ミナス発ブラジリアン・ロックの“今”を端的に示す待望の新作『Agora』

2014年のデビュー作『Oásis de Vidro』が高く評価されたブラジル・ミナスジェライスのSSWハファエル・ドゥトラ(Rafael Dutra)が待望の新作『Agora』をリリースした。今作もハファエル・マルチニ、ユリ・ヴェラスコ、ガブリエル・ブルース、ペドロ・ドゥランエスといった現代ミナス音楽のキーマンたちを迎え、衝撃をもって受け入れられた前作にも負けず劣らずのミナス発の特徴的なロックを聴かせてくれる注目作となっている。

  • 2022-10-27
  • 2022-10-26

トゥリッパ・ルイス、アナログテープで再現するブラジリアン・サイケポップ要注目作

米英のロックやファンク、ポップスと、ブラジルの伝統的な音楽文化を巧みに融合させたその豊かな音楽性をして“Pop Florestal(森のポップ)”を体現するブラジル・サンパウロのSSW、トゥリッパ・ルイス(Tulipa Ruiz)の2022年新譜『Habilidades Extraordinárias』。トロピカリアのサイケロックやノルデスチ音楽、ファンキ・カリオカなど多様なブラジルの音楽を飲み込んだ好盤だ。

  • 2022-10-26
  • 2022-10-25

チェコで活躍する新鋭SSW、アリソン・ウィーラー、ストーリー・テラーの魅力に満ちたデビュー作

米国カリフォルニア州出身で、現在はチェコ共和国で活動するSSW、アリソン・ウィーラー(Allison Wheeler)がデビュー作 『Winterspring』をリリースした。プラハの一流ミュージシャンを迎えた抒情的なジャズ・サウンドと、ポップスにも通じる素直で透明感のあるヴォーカルが魅力的な一枚だ。

  • 2022-10-16
  • 2023-08-21

社会を深く憂う現代のフラワーチャイルド。ノルデスチの人気SSWシコ・セーザル新譜『Vestido de Amor』

ブラジルの北東部音楽を代表するシンガーソングライター(SSW)、シコ・セーザル(Chico César)が新作『Vestido de Amor』をリリースした。2019年の『O Amor É um Ato Revolucionário』以来となる10枚目のアルバムで、今作も随所に北東部(ノルデスチ)音楽に由来するリズムと熱情に溢れ、文化を愛するアーティストらしい精神性に満ちたブラジリアン・ロックの傑作に仕上がっている。

  • 2022-10-09
  • 2025-01-25

急速に混ざりゆく世界の今を描く。話題の中東サイケロック、Al-Qasar デビュー作『Who Are We?』

フランス・パリで結成された“アラビアン・ファズ”バンド、アル・カサール(Al-Qasar)のデビュー作『Who Are We?』が最高に面白い。バンドリーダー/作曲家でエレクトリック・サズやギター、鍵盤を担当するトマ・アタル・ベリエ(Thomas Attar Bellier)はロサンゼルス、パリ、ニューヨーク、リスボンといった国際都市に住んできた経験から、多様な人々に調和する音楽をつくりたいと願っていた……

  • 2022-10-07
  • 2023-06-14

ジャズ、ボサノヴァ、クラシックそして稀代のポップセンスを持ち合わせた新世代SSW、レイヴェイ

アイスランドのSSW、レイヴェイ(Laufey)のフルレンス・デビューアルバム『Everything I Know About Love』が素晴らしい。アイスランド人の父と中国人の母の間に1999年に生まれ、ピアノとギター、チェロを弾き、米国バークリー音楽大学で学んだという彼女のこの作品は、個人的にはグラミー賞で7冠を達成したあのノラ・ジョーンズのデビュー作のときと同種の衝撃と感動を覚えた。

  • 2022-10-03
  • 2022-10-02

2022年を象徴する一枚。ウクライナ情勢への憂いと怒りに満ちたゴーゴル・ボルデロ新譜

ウクライナ難民として米国に渡ったユージーン・フッツ(Eugene Hütz)が率いる“ジプシーパンク・バンド”のゴーゴル・ボルデロ(Gogol Bordello)が5年ぶりの新譜『SOLIDARITINE』をリリース。バンド史上もっとも強い“怒り”をもって、この絶望的な世界に抗い続ける姿勢を見せている。状況がそうさせているのか、今作はかなり切迫感があり……強烈だ。

  • 2022-10-02
  • 2022-10-02

グリオにルーツを持つ初の女性コラ奏者ソナ・ジョバルテ、11年ぶり新作は音楽の深淵を感じさせる傑作

西アフリカ、セネガルに囲まれたアフリカ大陸最小の国ガンビア共和国にルーツを持つコラ奏者/SSWのソナ・ジョバルテ(Sona Jobarteh)が、自身名義のファーストアルバムである前作『Fasiya』(2011年)以来となる待望の新譜 『Badinyaa Kumoo』をリリースした。初の女性コラ奏者であり、伝統的なグリオの文化を伝え続けるソナ・ジョバルテにしか為し得ない、彼女の“レジェンド”の評価を確立する傑作と言っても過言ではない。