- 2022-06-22
- 2024-06-12
ブラジル音楽の歴史の伝道師、SSWミルラ・ヒオマールのデビュー作『Afrobrasileira』
ブラジル出身のシンガーソングライター、ミルラ・ヒオマール(Mirla Riomar)のデビュー作『Afrobrasileira』は、ブラジルに住んでいた/あるいは連れてこられた人々が歴史的に育んできた豊かな音楽文化を現代に伝え、未来へと繋いでいく素晴らしい作品だ。
ブラジル出身のシンガーソングライター、ミルラ・ヒオマール(Mirla Riomar)のデビュー作『Afrobrasileira』は、ブラジルに住んでいた/あるいは連れてこられた人々が歴史的に育んできた豊かな音楽文化を現代に伝え、未来へと繋いでいく素晴らしい作品だ。
イスラエルの特異すぎるバンド、ウジ・ナボン・レガシー(The Uzi Navon Legacy)の新譜『לכל החיים (The Experiences)』が登場した。アルバムタイトルはヘブライ語で“生涯”の意味。もう本当に、変な方向へのこだわりの具合では現在活動中のバンドでは世界随一ではないだろうか。
2022年リリースのEP『Orient Express』でシネン・エイディネル(Sinem Aydıner)というトルコ出身のSSWの音楽を初めて聴いたが、ジャズやフュージョン、ファンクといったブラック・ミュージックと中東地域特有の奇数系変拍子のセンスの良い混合具合で一瞬で好きになってしまった。
ラテンアメリカの音楽を得意とするトルコ出身のギタリスト/SSWアルペル・トゥヅュー(Alper Tuzcu)が、ヴォーカリストのニコ・クワン(Nicoh Kwan)とエレナ・ベウトラン(Helena Beltrão)をフィーチュアして制作した新作EP『Raíz』をリリース。
キューバ出身のチェリスト/SSW、アナ・カルラ・マサ(Ana Carla Maza)の『Bahia』は、生まれ故郷であるハバナやチェロを学んだフランスなどへの想いを、自身のチェロと声のみで演じられる豊かな音楽作品だ。キューバのソンなどのラテン音楽、南米音楽、ヨーロッパの大衆音楽、クラシック、ジャズなどを幅広く吸収した感性による弾き語りはシンプルだがエレガントで躍動感に満ち、芯の強さを感じさせる。
カーボベルデのSSW、ジェニフェル・ソリダーデ(Jenifer Solidade) の新作EP『Tanha』は、大西洋の島国らしい潮風と、同国の歴史的経緯からくるソダーデ(郷愁)が絶妙にミックスされた良作だ。プロデュースはセザリア・エヴォラをはじめ同国を代表する数々のアーティストと仕事をしてきたカーボベルデ屈指のプロデューサー、エルナニ・アルメイダ(Hernani Almeida)。
作曲とヴォーカルを担うロレダナ・グリマウド(Loredana Grimaudo)とDJ&プロデューサーのロベルト・コスタ(Roberto Costa)率いるイタリア・シチリア島発のスウィングロワーズ(Swingrowers)の2021年末リリースの新譜『Hybrid』は、1920年代のスウィングジャズと近年のEDMの融合であるエレクトロ・スウィングのシーンの中でもとりわけクオリティの高い作品だ。
オーストリア生まれのピアニスト、ダヴィッド・ヘルボックと、フランス生まれYouTube育ち(?)のジャズ・ヴォーカリスト、カミーユ・ベルトーのデュオアルバム『Playground』。一見するとピアノと女性ヴォーカルというよくあるデュオのフォーマットだが、そこはユニークな個性と経歴を持つこの二人だからこそ成し得た、非常に特色のある作品に仕上がっている。
2021年にアルバム『Elif Sanchez』でデビューしたばかりのトルコ出身のヴォーカリスト/オーボエ奏者エリフ・サンチェスの新作『Mi Voz』が早くも届いた。中東・東欧のフォークミュージックをベースにした前作からすると、今作は驚くほどスペインのフランメンコに寄せられており大きく音楽的な変貌を遂げている。
ジャズ・ハーモニカの新鋭として知られるイスラエル出身ヨタム・ベン=オール(Yotam Ben-Or)の新譜『Deliberations』は、驚いたことにハーモニカ奏者というよりもシンガーソングライターとしての才能を世の中に知らしめる作品だった。
兄妹バンド、アブラハム・レユニオン(Abraham Réunion)でピアノやコーラスを担当していたグアドループ出身のクレリア・アブラハム(Clélya Abraham)がソロデビュー作『La source』をリリースした。明るい音色と確かなテクニックのピアノのほか、数曲でヴォイスも聴かせる。
ドイツ・ベルリンの7人組バンド、Jembaa Grooveのデビュー作『Susuma』が、かなり良い。西アフリカの音楽、ソウル、ファンク、ジャズなどが融合した音楽性が魅力的なJembaa Grooveは、2020年末にガーナ生まれ・ナイジェリア育ちのシンガー/パーカッション奏者のエリック・オウス(Eric Owusu)と、ベルリンのベーシスト/作曲家のヤニック・ノルティング(Yannick Nolting)が出会って生まれた。
オーストラリア出身のギタリスト、クエンティン・アンガス(Quentin Angus)の新作 『The State of Things』は、マイケル・メイヨー(Michael Mayo, vo)やネイト・スミス(Nate Smith, ds)といったNYを代表するミュージシャンを起用した現代的で良質なジャズだ。
イタリア・ナポリのディスコファンクユニット、ニュー・ジェネア(Nu Genea)の4年ぶり新譜『Bar Mediterraneo』。シンセやベース、ギターのカッティングが効いたディスコ・ファンクを基幹に、南イタリアやアフリカ、中東、南ヨーロッパのさまざまな民族音楽が組み合わさり誕生したサウンドは懐かしさもあり、何よりも心を躍らせる。