スペインの新星、エリア・バスティーダ『The Magic Sound of the Violin』
アンドレア・モティス(Andrea Motis, tr)、リタ・パイエス(Rita Payés, tb)など多数の優れた若手ジャズミュージシャンを輩出するジョアン・チャモロ(Joan Chamorro)主宰のサン・アンドリュー・ジャズバンド(Sant Andreu Jazz Band)から、素敵なヴァイオリン奏者が現れた。
彼女の名はエリア・バスティーダ(Elia Bastida)。ジョアン・チャモロとの共同名義の2019年作『The Magic Sound of the Violin』では、クラシックの確かなテクニックとジャズの即興性、スウィングの陽気さが組み合わさった楽しく美しい音楽を聴かせてくれる。
アルバムにはガーシュウィンの(1)「Someone to Watch Over Me」、セロニアス・モンクの(4)「Reflections」に(14)「Round Midnight」、ファッツ・ウォーラーの(10)「Jitterbug Waltz」といったジャズの名曲から、ジョビンのボサノヴァ(9)「Eu Sei que Vou te Amar」、さらにフランスのリシャール・ガリアーノ作(13)「Beriwaltz」など、世界各地の様々な楽曲がセレクトされ全19曲もの演奏が収録されている。
メンバーはヴァイオリンのエリア・バスティーダ、ベースのジョアン・チャモロ、ギターのジョゼップ・トレイバー(Josep Traver)+ドラムスが基本編成。数曲でアンドレア・モティスの実妹でギタリストのカルラ・モティス(Carla Motis)、ベテランサックス奏者のスコット・ハミルトン(Scott Hamilton)らが参加。
伝統を踏襲しつつも、瑞々しい感性で演奏される優雅なヴァイオリンの演奏を楽しめる極上のジャズだ。
Elia Bastida – violin
Joan Chamorro – bass, bass clarinet (8)
Josep Traver – guitar
Carla Motis – guitar (3,11,14,15,18)
Guillermo Soler – drums (2,3,4,7,11,14,16,18)
David Xirgu – drums (6,9,10)
Scott Hamilton – tenor saxophone (6,9,10,12,17)