クセになりそうな最狂音楽、BEMET
イスラエルのプロデューサー/作曲家/鍵盤奏者ホッド・モショノヴ(Hod Moshonov)の別名ユニット、BEMETは相当にクレイジーだ。
EDM、エレクトロポップ、バイレファンキ、レゲトン、インド音楽、アラビア音楽、ドラムンベース、ジャズ、ロックなどの影響がごちゃ混ぜになったジャンル特定不能なサウンドは聴く者を瞬く間に未知の世界に引き摺り込む。
いくつかのMVがYouTubeに公開されているが、どれも恐るべきインパクトとクオリティだ。
ぜひここで紹介するいくつかの動画で、ブラックホール並みの吸引力を持つBEMETのサウンドに触れていただきたい。
十代でその才能を発揮、ジャズピアニストとしても高く評価されるホッド・モショノヴ
ホッド・モショノヴ(Hod Moshonov)は1989年、イスラエル生まれ。5歳でジャズピアノを始め、13歳で最初のジャズ・ピアノトリオ“Hod Moshonov Trio”を結成し、14歳で世界ツアーを行った。
その後奨学金を得てバークリー音楽大学に留学。2011年のジャズの登竜門とも言われるセロニアス・モンク国際ジャズコンペティションでのパフォーマンスがニューヨーク・タイムズ紙に取り上げられるなど注目されている。
2014年にイエメン・ブルース(Yemen Blues)の大ヒット2ndアルバム『Insaniya(人間性)』を巨匠ビル・ラズウェル(Bill Laswell)とともに制作。その後自らのステージネームをBEMETに変え、イスラエル在住のブラジル系歌手/プロデューサー、MC Tommyとともにブラジル音楽に傾倒した4枚のシングルを発表。イスラエル、ブラジル、インドといった地域で人気を博すようになった。
2015年に唯一のアルバム『The Chase After Tomorrow』を発表しているが、彼の快進撃はむしろその後発表された前述のMC Tommy との諸作以降だろう。
この記事でもそれらの楽曲をミュージック・ヴィデオで紹介しているので、ぜひご覧いただきたい。
音楽理論やジャズに精通しながらも、ここまで突き抜けたクレイジーな個性を醸す音楽家は他になかなか見当たらない。
BEMETことホッド・モショノヴ。これからも要注目の音楽家だ。