トルコの注目のピアニスト、チャグリ・セルテル 初のソロピアノで魅せた内なる宇宙

Çağrı Sertel - Kuytu

チャグリ・セルテル 初のソロピアノ作品

トルコの現代ジャズを代表するピアニスト/作曲家のチャグリ・セルテル(Çağrı Sertel)新譜『Kuytu』はピアノの機構音も生々しく収録したアンビエントなソロピアノ。エレクトロ・ジャズバンド Sonic Boom での活動や、自身のエレクトロ・ジャズ路線のアルバムの制作も並行して進めている彼が魅せるアンビエントな世界観が心地いい、わずか16分間の音楽紀行だ。

収録曲はチャグリ・セルテルのオリジナルで、いずれも2〜3分以内の小品。度々“宇宙”を自身の音楽のテーマに据える彼らしいスピリチュアルな演奏が繰り広げられる。ピアノのタッチは優しいが音色は明るく、感情の昂りもなく淡々と内省的に演奏される。冬の世界で花咲く春を静かにじっと待っているような感覚。

(3)「Sisli Puslu」

1983年生まれのチャグリ・セルテルはトルコ・イスタンブールを拠点に活動する鍵盤奏者/作曲家/プロデューサー。
ピアノは12歳からはじめ、エレクトロニクスやロック、さらには中東音楽のエッセンスを取り入れたアグレッシヴなスタイルを武器に2010年にアルバム『Newborn』でデビュー、2017年に2nd『Instant』をリリース。近年はソニックブーム(Sonic Boom)というバンドも立ち上げ、数枚のシングルをリリースしている。

チャグリ・セルテルは今回のソロ作に続いて、今後数ヶ月以内にバンドでのアルバムリリースも予定しているという。近年優れた若手音楽家が多数現れ活況を見せるイスタンブールのジャズシーンの中でも中心的な存在感を放つ注目のアーティストだ。

(5)「Kara Günler」

Çağrı Sertel – piano

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