フルート、ギター、パーカッションの南米トリオ作
チリの打楽器奏者ルイス・バルエト(Luis Barrueto)、ブラジルのフルート/クラリネット奏者アリーネ・ゴンサウヴェス(Aline Gonçalves)、そしてペルーのギタリストのセルヒオ・バルデオス(Sergio Valdeos)による潤いのあるアコースティック・アンサンブル『Dímelo』。
収録曲はセルヒオ・バルデオスのオリジナルが4曲、中南米の様々な作曲家による楽曲のカヴァーが4曲、ラストの(9)「Papel de plata」は作者不詳の伝統曲だ。
フルート or クラリネット、ギター、パーカッションというトリオによって生み出される音は複雑なアレンジと演奏をシンプルに届けてくれる。全編にわたって野生味が感じられるが、同時に洗練されており素晴らしい。それぞれの曲が少しずつジャンルが違い、南米音楽の豊かさを感じられる。
アルゼンチンの作曲家カルロス・アギーレ(Carlos Aguirre)のカヴァー(7)「Milonga gris」のリラックスしたアンサンブルは必聴だ。
3人のプロフィール
ブラジルを代表するジャズ集団イチベレ・オルケストラ・ファミリア(Itiberê Orquestra Família)の創設メンバーのひとりとして知られるフルート/クラリネット奏者/作編曲家のアリーネ・ゴンサウヴェス(Aline Gonçalves)。イチベレ・オルケストラでは最初の2枚のアルバムをレコーディングし、2002年にはエルメート・パスコアール(Hermeto Pascoal)のアルバム『Mundo Verde Esperanza』のレコーディングにも参加した。
2005年から2007年にかけてチリに在住し、そこでラテンアメリカ音楽との深い交流を深め、ビオレータ・パラ曲集『Verdevioleta – Creaciones Sobre Música de Violeta Parra』を制作。2008年にブラジルに帰国以来、器楽奏者および編曲家として活躍している。
ギタリスト/作編曲家のセルヒオ・バルデオス(Sergio Valdeos)はペルーを代表するギタリストで、2001年から2009年までスサーナ・バカ(Susana Baca)と活動していたことで知られる。
ペルーでカルロス・ハイレ(Carlos Hayre)に師事し、その後ブラジルのリオデジャネイロ連邦大学(UFRJ)でギターを学んだ。
ブラジルのシンガーソングライター、ヘナート・ブラス(Renato Braz)の2015年作『Canela』では、世界屈指のギター四重奏団であるクアルテート・マオガニ(Quarteto Maogani)の新メンバーとして南米の数々の名曲を演奏している。
ドラマー/パーカッション奏者/作編曲家のルイス・バルエト(Luis Barrueto)はチリの音楽学校Escuela Moderna de Música で作曲と編曲を修め、チリ大学でクラシック・パーカッションを学び、Liceo Experimental Artistico B ではピアノ、ギター、打楽器を学んだ。
これまでにエリザベス・モリス(Elizabeth Morris)、バスティ・ミシェル(Vasti Michel)、フェドリコ・ウルフ(Fedrico Wolf)、フランセスカ・アンカローラ(Francesca Ancarola)、マックス・ベルー(Max Berrú)、ダニエラ・コネヘロ(Daniela Conejero)、アントニオ・レストゥッチ(Antonio Restucci)など母国の偉大な音楽家たちと共演。1996年から2015年まで、ユニークなグループVejaraのメンバーとして5枚のアルバムをレコーディングし、チリ、アルゼンチン、キューバ、スウェーデン、フランス、スペイン、ノルウェーをツアーした。作曲の分野では、2008年からチリの俳優で劇作家のネルソン・バエス(Nelson Baez)と仕事をし、彼の戯曲のいくつかを作曲した。
Luis Barrueto – percussion, voice
Aline Gonçalves – flute, clarinet, voice
Sergio Valdeos – guitar