チュニジア出身の天才若手ピアニスト、ワジディ・リアヒ待望の2nd!チュニジアからベルギーに至る驚くべき音楽の旅

Wajdi Riahi Trio - Essia

ワジディ・リアヒ、待望の2ndアルバム『Essia』

1995年チュニジア生まれのピアニスト、ワジディ・リアヒ(Wajdi Riahi)の名はきっと覚えておくべきだ。多様性がますます拡張され、高度な演奏技術と芸術性を兼ね備えた現在のヨーロッパのジャズシーンの中でも、ここ数年のうちに現れた彼とその周辺の音楽家たちは突出しているように感じる。
そのワジディ・リアヒと、フランス出身のベース奏者バシーレ・ラオラ(Basile Rahola)、そしてベルギー出身のドラムス奏者ピエール・ハーティ(Pierre Hurty)のトリオによる2022年作『Mhamdeya』は紛うことなき大傑作だった。北アフリカのアラブ音楽圏の要素、ヨーロッパの洗練されたジャズが3人の高度なテクニックによって最高のインタープレイで魅せるジャズはこの世のものとは思えないほど美しく、どこかノスタルジーも感じさせながらも未知の、新鮮な音楽体験を与えてくれるアルバムだった──。

そんな彼らが、また戻ってきた。

2023年12月1日にリリースされたワジディ・リアヒの第二作目となる『Essia』には、トリオのメンバーを変えずに新たに録音された11曲が収録されている。アルバムのタイトルはワジディ・リアヒを音楽の道に導いた彼の母の名前だ。ワジディ・リアヒは6歳の頃から、チュニジアの首都チュニスの歴史的な旧市街の中心地メディナにある音楽院に通っていた。アルバムは活気ある雑踏に始まり、徐々に明瞭になってゆくピアノの音が彼の音楽家としての歩みを端的に表現する素晴らしいオープニング(1)「Opening」で幕を開く。

いくつかの曲では、ワジディ・リアヒのヴォーカルも聴くことができる。彼にとって歌はピアノと同様に音楽の探求の対象で、もっとも自然に自分を表現できる手段なのだという。彼の独特のピアノ以上に、やはり歌による表現は彼の北アフリカのルーツを強く意識させる。

抒情的な(4)「Inel Blues」は彼らの最初の真骨頂。8分半におよぶ楽曲の中で様々な表情を見せ、3人の絡み合いの魔術的な美しさがよく現れている曲となっている。

(8)「Hymn to Stambeli」も象徴的だ。スタンベリ(stambeli)とはモロッコのグナワ(gnawa)にも通じるチュニジアのトランス性のある伝統的な音楽で、ここでも金属製カスタネットのリズムが生み出す複雑で有機的なグルーヴの上でジャズの即興が躍動する素晴らしいセッションが繰り広げられる。

(8)「Hymn to Stambeli」のEPK

口笛による悲しげなメロディーが演奏される(5)「Nawres」はワジディ・リアヒの姉、そしてラストの(11)「Essia」は彼の母に捧げられたものだ。

Wajdi Riahi プロフィール

ワジディ・リアヒは1995年チュニジア生まれ。幼少時よりクラシックとアラビア音楽を学んだ。
2015年からチュニジアにおけるジャズの振興と発展を目的とした非営利団体であるジャズ・クラブ・ドゥ・チュニス(Jazz Club de Tunis)のメンバーとしての活動を経て、その後ベルギーに留学。ブリュッセルの王立音楽院でエリック・レニーニ(Éric Legnini)に師事した。

自身がピアニストとして在籍するバズ・トリオ(Baz Trio)の『L’homme bleu』(2020年)、アレフ・クインテット(Aleph Quintet)での『Shapes of Silence』(2022年)でも彼の個性的な演奏を聴くことができる。

(6)「Road to…」のEPK

Wajdi Riahi – piano, keyboards, vocal
Basile Rahola – bass
Pierre Hurty – drums

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