センス溢れる極上シンセポップ、トゥイオ(Tuyo)新作
2016年にブラジル・パラナ州クリチバで結成された未来派フォーク・ポップバンド、トゥイオ(Tuyo)が3枚目のアルバム『Paisagem』をリリースした。
ジョカ(JOCA)、アルトゥール・ヴェロカイ(Arthur Verocai)やルエジ・ルナ(Luedji Luna)のゲスト参加も特筆すべきだ。優しく繊細なシンセポップ(1)「Devagar」ではTuyoのリオ(Lio)とライ(Lay)のヴォーカルに続き、JOCAによるラップが楽曲を彩る。つづく(2)「Apazigua」は歌い出しのメロディーから新鮮な美しさに驚かされるが、ここでは巨匠アルトゥール・ヴェロカイによる弦のアレンジがさらに小技を効かせ、本作のベストトラックのひとつとなっている。
夢見心地の(4)「Maravilha」、ルエジ・ルナがフィーチュアされた(5)「Paisagem」など、収録された楽曲はどれもシンセや打ち込みをサウンドの中心としながらも優しく落ち着きのある仕上がり。ゆったりとリラックスした空間によく似合う。
Tuyoは2009年から活動していたシモナミ(Simonami)というバンドを前身として、2016年にブラジル・パラナ州クリチーバでリオ(Lio)、ライ(Lay)、マシャード(Machado)の3人で結成された。バンド名はスペイン語の“あなた(tu)”と“私(yo)”を組み合わせている。
彼らの最初のスタジオアルバムである『Pra Curar』は音楽評論家らによって2018年のベスト・ミュージック・アルバムのひとつとして評価され、コロナ禍で制作された2nd『Chegamos Sozinhos em Casa』はラテングラミー賞「ベスト・ポップ・アルバム」にノミネートされるなど高く評価された。
Tuyo :
Lilian Soares (Lio)
Layane Soares (Lay)
Jean Machado