ダニエル・ウェイス 2ndアルバム『The Vortex』
プログレッシヴ・ロックバンド「Square to Check」のギタリスト/作曲家、ダニエル・ウェイス(Daniel Weiss)がソロ名義として2作目となるアルバム『The Vortex』をリリースした。今作もバンドメイトのシャロン・ペトロヴェール(Sharon Petrover, ds)、リオール・オゼリ(Lior Ozeri, b)らとともに、圧巻の超絶技巧アンサンブルが繰り広げられる。
アルバムはインストの全8曲で、エディ・ハリス(Eddie Harris, 1934 – 1996)作曲のスタンダード(7)「Freedom Jazz Dance」以外はすべてダニエル・ウェイスの作編曲。楽曲構成も非常に高度かつ知的だが、テクニカルなだけではなくとてもエキサイティングで熱い。
演奏するメンバーは前作『Dive』(2021年)とほぼ同じで、前述の3人のほか鍵盤奏者ヤニフ・タウベンハウス(Yaniv Taubenhouse)が全編に参加。さらにはドラマーのヨゲフ・ガバイ(Yogev Gabay)にベーシストのイギー・ジャクソン=コーエン(Iggy Jackson-Cohen)、サックス奏者のエヤル・アイジック(Eyal Aizic)とオムリ・アブラモフ(Omri Abramov)が参加。
リズムセクションの顔ぶれは前作と同じなのだが、組み合わせを入れ替えてきた(詳細は文末のクレジットを参照)。楽曲は非常に構成が練られているが各人のソロもたっぷりとあり、聴きどころは満載で嬉しくなる。ミュージシャンにとっては、楽曲構成もアドリブソロも分析のやり甲斐のある音源なのではないだろうか。
スタンダード(7)「Freedom Jazz Dance」はかなりロックに寄せてきたアレンジ。ヤニフ・タウベンハウスのハモンドB3オルガンも効果的だ。
Daniel Weiss 略歴
ダニエル・ウェイスはイスラエル・テルアビブ出身、バークリー音楽大学卒業の作曲家/ギタリスト。
英Lick Library主宰のギターコンテスト、ギター・アイドル2016(Guitar Idol 2016)のファイナリスト。
2016年にベーシストのリオール・オゼリ、ドラマーのシャロン・ペトロヴェール(ともにPinhas & Sonsのメンバー)とともにプログレッシヴ・ジャズバンド、Square to Checkを結成。2016年にEP『Stir Fry』を、2018年にシングル『Orchestrated』をリリース。
2021年にピアニスト/作曲家のヤニフ・タウベンハウス(Yaniv Taubenhouse)らを迎え初のリーダー作『Dive』をリリースしている。
彼は音楽教育にも注力しており、YouTubeチャンネルなどで活発にジャズギター講座を発信し、その独自のアプローチが人気となっている。また当サイト『ムジカテーハ』では連載企画「アーティストの旅と探索」も執筆いただいた。
Daniel Weiss – guitar
Yaniv Taubenhouse – piano, Rhodes, syhth, organ
Sharon Petrover – drums (1, 2, 5, 6)
Yogev Gabay – drums (3, 4, 7)
Iggy Jackson-Cohen – bass (1, 2, 5, 6)
Lior Ozeri – bass (3, 4, 7)
Eyal Aizic – saxophone (1, 2)
Omri Abramov – saxophone (4, 7)