カタルーニャのSSWポル・バトリャ、エレクトロ×サイケロックで人生の転換期を表現するEP

Pol Batlle - A Caballo Voy

ポル・バトリャ EP『A Caballo Voy』

カタルーニャのシンガーソングライター/ギタリストのポル・バトリャ(Pol Batlle)の新作EP『A Caballo Voy』は、彼の人生における転換期と、音楽的な進化のプロセスを示す重要な作品だ。今作はポル・バトリャが2018年から2019年にかけて作曲した5曲で構成されており、彼の母親が若年性アルツハイマー病と診断された後に創作活動を再開した時期の作品集で、アコースティックとエレクトロニックの絶妙なブレンドによって感情的な深さを捉えている。

EPのタイトル「A Caballo Voy」はスペイン語で「馬に乗って進む」の意味。これはポル・バトリャの幼少期での騎乗経験や、現代の“忙しすぎる生活”に対する批判的な視点から着想を得ている。彼はこの作品で、現代社会の異常に慌ただしく生きることを強いる風潮を批判し、人間らしいペースで生きることの大切さを訴えている。

(1)「Echó a Quemar」

サウンドはサイケ・ロックやフォークに、音響処理を巧みに取り入れた特徴的な仕上がり。歌詞はスペイン語と英語の二重性を持ち、絶望と希望の狭間で揺れ動く繊細な感性を見事に表現している。

本作は、彼の母親のアルツハイマー病との向き合いや、(作曲当時は娘たちがまだ生まれていなかったものの)後の父親としての経験が音楽的な穏やかさや希望といった要素を付け加えており、アーティストとしての重要なマイルストーンであることは間違いない。繊細なリリシズム、脆弱性と希望、そして過去と未来をつなぐ“架け橋”としての役割が、このミニアルバムを特別なものにしている。

(2)「La Piel」。MVもかなりクレイジーだ

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