- 2022-10-28
- 2022-11-03
ジャズ・ハーモニカ新世代の旗手アリエル・バルト、トランペットを加えたセクステット新作
イスラエルの新星ジャズ・ハーモニカ奏者、アリエル・バルト(Ariel Bart)が2021年のデビュー作『In Between』に続き、早くも第2作目となる『Documentaries』をリリースした。アリエル・バルトの繊細な表現力は前作にも増して磨かれ、中東の叙情詩を感じさせる彼女の魅力的なオリジナル曲が次々と展開される。
イスラエルの新星ジャズ・ハーモニカ奏者、アリエル・バルト(Ariel Bart)が2021年のデビュー作『In Between』に続き、早くも第2作目となる『Documentaries』をリリースした。アリエル・バルトの繊細な表現力は前作にも増して磨かれ、中東の叙情詩を感じさせる彼女の魅力的なオリジナル曲が次々と展開される。
米英のロックやファンク、ポップスと、ブラジルの伝統的な音楽文化を巧みに融合させたその豊かな音楽性をして“Pop Florestal(森のポップ)”を体現するブラジル・サンパウロのSSW、トゥリッパ・ルイス(Tulipa Ruiz)の2022年新譜『Habilidades Extraordinárias』。トロピカリアのサイケロックやノルデスチ音楽、ファンキ・カリオカなど多様なブラジルの音楽を飲み込んだ好盤だ。
米国カリフォルニア州出身で、現在はチェコ共和国で活動するSSW、アリソン・ウィーラー(Allison Wheeler)がデビュー作 『Winterspring』をリリースした。プラハの一流ミュージシャンを迎えた抒情的なジャズ・サウンドと、ポップスにも通じる素直で透明感のあるヴォーカルが魅力的な一枚だ。
フランス系アメリカ人のピアニスト/作曲家トム・ソーチャス(Tom Sochas) による初のフルレンス・アルバム『The Sorcerer』。ヨーロピアンな叙情とさりげないブルースの香り、そして控えめなエレクトロニックの使用が効果的な良盤だ。
現行UKジャズシーンを代表するサックス奏者シャバカ・ハッチングス(Shabaka Hutchings)率いるトリオ、コメット・イズ・カミング(The Comet Is Coming) の新作『Hyper-Dimensional Expansion Beam』がリリースされた。本作は英国のハイブリッドなジャズシーンを象徴するような作品であることは間違いなさそうだ。
ニューヨークで活躍するイスラエル出身のピアニスト/作曲家ヤニフ・タウベンハウス(Yaniv Taubenhouse)の最新作『Hope』は、彼の卓越したリリシズムを堪能できる美しいソロピアノ作品だ。約65分間の今作は、ヤニフ・タウベンハウスが思慮深くピアノと向き合い、まるで古い友と語らいあっているかのような愛情深さが非常に印象的。
充実するアルゼンチンの現代ジャズ/ネオ・フォルクローレの中心的なシンガーソングライター/ピアニスト、フェデリコ・アレセイゴル(Federico Arreseygor)がまたも素晴らしい新作を放ってきた。タイトルは『Jardinería para Principiantes』、直訳すると“初心者のためのガーデニング”。トリオ名義となっており、ベースにオマール・ゴメス(Omar Gómez)、そしてドラムス/パーカッションにはアカセカ・トリオ(Aca Seca Trio)での活動でも知られるマリアーノ・カンテーロ(Mariano Cantero)という2015年から活動を共にしてきた仲間が名を連ねている。
中国・上海の若手ヴォーカリスト、ヴォイジョン・シー(Voision Xi, 喜辰晨)のデビューアルバム『Lost for Words』が素晴らしい。上海や台湾のミュージシャンを集めて制作された今作はアジアのジャズの未来を感じ取る上でも重要な作品となるだろう。
イスラエルのギタリスト/作曲家、ガイ・ゴッテスフェルド(Guy Gottesfeld)をリーダーとするジャズ・カルテットのデビュー作『Shalva』(2022年)。圧倒的なテクニックと独特のフレージング、スライドバーを用いたボトルネック奏法の多用、ジャズやブルース、ロックだけでなくアフリカや南米、ハワイの音楽からの影響など興味をそそられる作品だ。
イギリス出身のサックス奏者/作曲家ウィル・ヴィンソン(Will Vinson)が、絶賛された前作『Trio Grande』に続く新作『Tripwire』をリリースした。今作はマット・ペンマン(Matt Penman, b)、エリック・ハーランド(Eric Harland, ds)、そして2曲でメリッサ・アルダナ(Melissa Aldana, sax)がゲスト参加するというそれだけで注目に値する作品となっている。
オーストラリア・メルボルンのマルチ奏者/作曲家ゴードン・リー(Gordon Li)の別名プロジェクト、ドン・グローリ(Don Glori)の新作 『Welcome』は、ジャズ/ブラジル音楽/クラブジャズ/ソウル/ファンク好きにおすすめのグルーヴィーで爽快な作品だ。
イスラエル出身で現在イギリス・ロンドンを拠点に活躍するベーシスト/作曲家ニム・サドット(Nim Sadot)が、第二次世界大戦中にソ連の労働収容所を生き延び、収容所の将校たちの肖像画を描いた亡き祖父にインスパイアされた新作『Felix』をリリースした。アルバム・ジャケットにはその祖父が描いた絵が採用されている。
2012年のモントルー・ジャズ・フェスティバル「ピアノ・ソロ・コンペティション」で女性として初めて優勝したことで知られるキューバ出身のピアニスト/作曲家、マリアリー・パチェーコ(Marialy Pacheco)の通算12枚目となる2022年新譜 『Reload』は、ピアノトリオを軸に多様なゲストを迎え入れた華やかなラテン・ジャズ作品だ。
ブラジルの北東部音楽を代表するシンガーソングライター(SSW)、シコ・セーザル(Chico César)が新作『Vestido de Amor』をリリースした。2019年の『O Amor É um Ato Revolucionário』以来となる10枚目のアルバムで、今作も随所に北東部(ノルデスチ)音楽に由来するリズムと熱情に溢れ、文化を愛するアーティストらしい精神性に満ちたブラジリアン・ロックの傑作に仕上がっている。