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田方 春樹(Haruki Tambo)

  • 2021-07-18
  • 2023-12-24

ロシア出身、革新的鍵盤奏者スヴェトラーナ・マリンチェンコ『少女時代への手紙』

ロシア出身のピアニスト、スヴェトラーナ・マリンチェンコ(Svetlana Marinchenko)がスロバキア出身のベーシスト、ピーター・クーデク(Peter Cudek)とイスラエル出身のドラマー、オフリ・ネヘミヤ(Ofri Nehemya)とのトリオを軸に作り上げた、自らの少女時代へ宛てたアルバム『Letters to My Little Girl』

  • 2021-07-17
  • 2022-01-15

ジャズベースのニューヒロイン、セレーネ・サン=エメ 注目のデビュー作

ギリシャ神話の月の女神セレーネに因んで名付けられたベーシスト/ヴォーカリスト/作曲家セレーネ・サン=エメ(Sélène Saint-Aimé)は、伝統的なジャズとフリージャズ、さらに現代的な音楽の感性も持ち合わせたラテン語で「波の海」(月の海のひとつ)を意味するデビュー作『Mare Undarum』を2020年にリリースした。

  • 2021-07-16
  • 2021-07-15

NPG Hornz のフィリップ・ラシター、ファンキー&ポップな新譜

プリンスのホーン隊、NPG Hornzの元メンバーで米国LAを拠点に活動するトランペット奏者/作曲家フィリップ・ラシター(Philip Lassiter)の新譜『Live in Love』はファンク、ジャズ、レゲエ、ヒップホップ、R&Bといった要素が散りばめられ、ポップに仕上げられた良作だ。

  • 2021-07-15
  • 2021-10-12

ロシア発、メランコリックなピアノトリオ Dmitry Ilugdin Trio

ピアニスト/作曲家のドミトリー・イルグディン(Dmitry Ilugdin)をリーダーとするロシアのピアノトリオ、イルグディン・トリオ(Ilugdin Trio)による3枚目のアルバム『My Story』は、オーソドックスなピアノトリオ編成で紡ぎ出す極上のメロディーとハーモニーが素晴らしい作品だ。

  • 2021-07-14
  • 2023-09-17

歌姫ナタリア・ラフォルカデが歌う“メキシコのための歌”第二弾

デビュー当時、ふざけたキャッチコピーとともに日本にもセンセーショナルに紹介されたナタリア・ラフォルカデ(Natalia Lafourcade)の最近のプロジェクトは本当に素晴らしくて見違える。前作に続き、故郷メキシコの文化を深くリスペクトした『Un Canto por México, Vol. II』も非常にクオリティの高い、素晴らしいアルバムだ。

  • 2021-07-13
  • 2021-10-01

バラバン、ズルナで奏でる絶品オリエンタル・ジャズ!アラフサル・ラヒモフ『Panik』

アゼルバイジャン生まれの木管楽器奏者アラフサル・ラヒモフ(Alafsar Rahimov)の新譜『Panik』は、ピアノにアゼルバイジャンのエティバル・アサドリ、ベースにコソボ生まれのエンヴァー・ムハメディ、そしてトルコのドラマー、イーキン・チェンギスカンという若手の俊英たちを迎えたムガームジャズの範疇にとどまらないオリエンタル・ジャズの絶品だ。

  • 2021-07-12
  • 2021-10-01

スナーキー・パピー首謀者マイケル・リーグ、中東音楽を消化した初ソロアルバム

大世帯バンド、スナーキー・パピー(Snarky Puppy)を率いるベーシスト/マルチ奏者/作曲家のマイケル・リーグ(Michael League)の初ソロ作『So Many Me』は、そのタイトル通り全ての楽器やヴォーカルをマイケル・リーグ自身が担う、驚くほど内向きで、それでいてマーブル模様のように豊かな音が散りばめられたアルバムだ。

  • 2021-07-11
  • 2021-07-11

南米大陸とアフリカ大陸を隔てる“河”。ロマンに満ちたジャズの探索

フランス出身のピアニスト、フロリアン・ペリシエ(Florian Pellissier)が率いるクインテットの新譜のジャケットはシンプルだが、ここには人類のロマンが詰まっている。タイトルの『Rio』はスペイン語やポルトガル語で「河」。河の両側にはアフリカ大陸と南米大陸が描かれている。

  • 2021-07-10
  • 2021-07-10

ジョヴァンニ・イアシとルイーザ・ラセルダ、声とギターの詩情豊かな極上デュオ

シンガーソングライターで卓越したギタリストでもあるジョヴァンニ・イアシ(Giovanni Iasi) と、同様にギターと歌をこなすルイーザ・ラセルダ(Luisa Lacerda)の素晴らしいデュオ作品『Nó』。この2人と、曲によってはゲストを加えた最大3人で綴られる音楽は数多のブラジル音楽の名盤の例に漏れずシンプルだがとてつもなく奥深い。

  • 2021-07-09
  • 2021-10-01

またもミナス新旧音楽家が集結!ロブソン・サントス新作EP『Luz Lunar』

前作『Pleiópolis』(2020年)が好評を博したブラジル・ミナスのベテランSSW、ロブソン・サントス(Robson Santos)の新作EP『Luz Lunar』がリリースされた。今作もトニーニョ・オルタ(Toninho Horta)やディアンジェロ・シルヴァ(Deangelo Silva)といったミナスの新旧の人気ミュージシャンが参加し、洗練されたミナスジャズを楽しめる良作に仕上がっている。

  • 2021-07-08
  • 2022-10-01

台湾原住民族出身のSSWイリー・カオルー、伝統文化と洗練が美しく響きあう新譜

穏やかで心の落ち着く音楽を求めているなら、台湾の女性シンガーソングライター、イリー・カオルーの『尋找你』は間違いないおすすめだ。彼女が弾くガットギターを中心に歌われる曲は素朴な台湾の伝統音楽の影響に、ボサノヴァやジャズのエッセンスをゆるくまぶしたような温かみがたっぷりと感じられるのが特長。おおらかなアミ語や中国語での歌唱も美しく、どこか懐かしさも感じさせる。

  • 2021-07-08
  • 2021-10-01

アフリカン・パーカッションの革命児ベン・エイロン、7年の制作期間を経て放つ集大成

独自のハイブリッドなアフリカン・パーカッション奏法を確立し、セネガルなど西アフリカで人気を確立するイスラエル出身のパーカッション/ハラム奏者のベン・エイロン(Ben Aylon)の集大成的なアルバム『Xalam』がリリースされた。変幻自在で複合的なリズムの中でいくつもの打楽器が折り重なり、弦のバズ音も魅力的なプリミティヴなハラムの響きも素晴らしい傑作だ。

  • 2021-07-07
  • 2021-07-07

今も変わらぬMPB女王の貫禄。マリーザ・モンチ、10年ぶりの新譜

ここ約30年間のブラジルのポピュラーミュージックのシーンを常に第一線で牽引してきたシンガーソングライター、マリーザ・モンチ(Marisa Monte)が、前作『O Que Você Quer Saber de Verdade』(2011年)から実に10年ぶりとなるスタジオ録音新作『Portas』を彼女の54歳の誕生日である2021年7月1日(現地時間)にリリースした。

  • 2021-07-06
  • 2021-07-06

仏ピアニスト、ジョー・カイアットが気鋭イスラエル奏者と作り上げたユダヤ・ジャズ

フランス出身のピアニスト/作曲家ジョー・カイアット(Jo Kaiat)が、アヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)らイスラエルの優れたアーティストたちと共に作り上げた『Come to My World』(2020年)は、ヨーロッパのクラシック音楽、ニューヨークのジャズ、さらにはイスラエルのユダヤ音楽、西アフリカの音楽など世界の音楽を巡り歩いてきた60歳の音楽家の集大成的な作品だ。